中世の伝説とモーリス・セローの彫刻で、人々を魅了する「猫の村」 フランス

中世の伝説とモーリス・セローの彫刻で、人々を魅了する「猫の村」 フランス

フランスの小さな村ラ・ロミューは、ユネスコ世界遺産に登録されている美しい村です。この村を特別魅力的にしているのが、まちを自由に歩き回る猫たちと、モーリス・セローによる「猫の彫刻」なのです。

村のあちこちでくつろぐ猫たち

猫をなでる少女

画像はイメージです

フランスにあるラ・ロミュー(La Romieu)は、人口わずか500人の小さな村です。でもサンティアゴ巡礼路の要衝として知られていて、「美しい村」としてユネスコ世界遺産にも登録されています。中心部には14世紀に建てられた壮麗なSaint Peter教会もあります。

そしてここは「猫の村」としても有名なのです。

村を散策すると、窓辺で日向ぼっこをしたり水管を登ったり、茂みの中をクンクンと嗅ぎ回ったりする多くの猫に出会います。

1082年、ローマから来た2人の修道士がこの地に立ち寄り、修道院や避難所、病院を作りました。そして「ローマからの巡礼者」を意味する「Roumious」が、「ラ・ロミュー」へと変わったのです。

ラ・ロミュー村には、有名なモーリス・セロー作の猫の彫刻「Angeline cat」もあり、観光名所として人気です。訪れる人々は、村の歴史ある雰囲気と愛らしい村猫たちに魅了されてしまいます。多くの村人は地域を歩き回る猫たちをかわいがり、大事にしています。その証拠に、Saint Peter教会には専用の「猫のための屋根裏部屋」まであるのです。

猫をかくまった少女

ラ・ロミューの街並み

画像はイメージです

1342年頃、次のような伝説が生まれました。

フランスの美しい村が3年連続の凶作で飢饉に見舞われたため、村人たちは猫を含む家畜を殺して食糧にせざるを得なくなりました。

この苦難のさなか、孤児だったAngelineという名の少女は村の猫たちに深い愛情を抱き、猫が死ぬことに耐えられませんでした。そこで彼女はひそかにオスとメスの猫を納屋にかくまったのです。

やがて天候は少しずつ回復し、村人たちはホッとすると同時に、農作物が荒らされていることに気づきました。村から猫がいなくなったことで、ネズミの数がどんどん増えていったからです。

Angelineはこの時点で2匹の猫以外に20匹もの猫をかくまっていました。これを知った村人たちは、ネズミ退治をしてくれる猫がまだ生きていることに大喜びしたのです。猫の活躍で、あっという間にネズミの数は抑えられ、村の生活は平穏を取り戻しました。

Angelineの猫への深い愛情が、村を飢餓の危機から救ったのです。

村に設置された14の「猫の彫刻」

村にある猫の彫刻

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妻とともにラ・ロミューに住んでいた芸術家モーリス・セローも、この伝説を知っていました。彼はこの伝説に触発されて、自分や知人たちのために猫の彫刻を作り始めました。彼の制作した14体の石造りの猫は村の中心部の建物に飾られました。

これらは中世の伝説を思い出させてくれるとともに、猫が人間にとって経済的にも精神的にも重要な存在であることをあらためて象徴する芸術作品になったのです。「ロミュー猫」として知られるこうした作品を見に、いまでも多くの人々が各地からやってきます。

彼の彫刻作品の中には、猫への愛情で村を救ったAngelineの像もあります。伝説によると、彼女は成長するにつれて耳がとがっていき、徐々に猫のような外見になっていったといわれています。セローが描いた彼女の胸像は、まさにその姿を描いています。

フランスを旅することがあれば、ぜひこの村を訪ねてみてください。あなたも猫の魅力に魅了されることでしょう。

出典:The Cats of La Romieu | The Village of Cats

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