︎肉球に起こるケガや病気

1. やけど
猫の肉球は、真夏の熱くなったアスファルトやコンクリート、ベランダなどでやけどを負うことがあります。真夏の路面温度は60℃近くまで上昇することもあり、短時間歩いただけでもやけどをしてしまう可能性があります。また、冬場にはストーブやヒーターの上に乗ってしまい、肉球をやけどするケースもあります。
症状としては、足を浮かせる、歩きたがらない、肉球の赤みや腫れ、水ぶくれ、足先をしきりになめるなどがみられます。
やけどが疑われる場合は、それ以上熱源に近づけず、流水で5〜10分程度冷やしましょう。やけどは時間が経ってから症状が悪化することもあるため、見た目に異常がなくても早めに動物病院を受診することが大切です。
2. 巻き爪
猫の爪は伸び続けるため、爪切りを長期間していないと肉球へ向かって巻き込み、刺さってしまうことがあります。
特に高齢猫では活動量や爪とぎの回数が減るため、爪が太く巻きやすくなる傾向があります。肉球に爪が刺さると傷口から細菌感染を起こし、化膿することもあります。
爪切りの目安は1か月に1回程度ですが、爪とぎの頻度によって伸び方は異なります。また、毎日爪とぎをしていても、うまく研げていない爪が数本残ることがあります。定期的に爪の長さを確認し、早めに切ってあげましょう。
3. すり傷・切り傷
猫の肉球はジャンプの衝撃を吸収するため、犬よりも柔らかく弾力があります。特に完全室内飼育の猫では肉球が比較的薄く、ガラス片や金属片などによって切り傷を負うことがあります。
足先をしきりになめる、歩き方に異変がある、足を浮かせるなどの様子がみられた場合は、肉球に傷がないか確認してみましょう。
4.プラズマ細胞性肢端皮膚炎
プラズマ細胞性肢端皮膚炎は、猫で比較的まれにみられる肉球の病気です。原因は不明ですが、免疫の異常やアレルギーとの関連が考えられています。
肉球がスポンジのように柔らかく腫れることが特徴で、1本だけの足に起こることもあれば、複数の足に同時に発症することもあります。軽症では痛みを伴わず自然に改善することもありますが、重症になると出血や潰瘍、痛みにより足を浮かせるようになることがあります。
治療は抗生物質やステロイドなどの内科治療が基本で、改善しない場合には外科的に病変を切除することもあります。
5. 腫瘍
肉球の腫れやしこりは、腫瘍が原因の場合もあります。肉球には良性腫瘍だけでなく、扁平上皮癌などの悪性腫瘍が発生することもあります。
数週間たっても小さくならない、大きくなり続ける、表面がただれて出血するなどの変化がある場合は注意が必要です。
「タコ」や「イボ」のように見えても、検査で悪性腫瘍と診断されることがあります。見た目だけで良性・悪性を判断することはできないため、細胞診や病理検査による確認が重要です。
︎肉球に異常があるときのサイン

肉球に異常があると、次のような変化がみられます。
- 足先をしきりになめる
- 歩き方に異変がある
- 足を浮かせて歩く
- ジャンプを嫌がる
- 足先をなめ続けて毛が抜ける
- 足を触られるのを嫌がる
- 遊びたがらない
症状が進行すると、肉球の腫れや変色、悪臭、出血、床に血の足跡が付くなどの症状が現れることもあります。
足を浮かせて歩いていると関節や骨の異常を心配される飼い主さんは多いですが、実際には肉球の小さな傷や巻き爪が原因となっているケースも少なくありません。
︎肉球をケガや病気から守るには

真夏は路面温度が非常に高くなるため、猫を屋外へ出さないことが最も安全です。夕方になって日が落ちても、コンクリートには熱が残っていることがあります。室内飼育が鉄則ではありますが、どうしても外へ出す場合は、飼い主さん自身の手で地面を触り、十分に冷めていることを確認しましょう。
また、高齢猫では活動量や爪とぎの回数が減ることで爪が巻きやすくなります。特に前足の親指にある狼爪は地面に触れにくく削れないため、肉球へ刺さりやすい部位です。月に1回を目安に爪の長さを確認し、必要に応じて爪切りを行いましょう。
︎まとめ

猫は痛みを我慢する習性があるため、肉球に傷や病気があっても普段通りに見えることがあります。しかし、肉球は毎日体重がかかるため、一度傷つくと感染や化膿を起こしやすい部位でもあります。
足先を頻繁になめる、歩き方に異変がある、肉球が腫れているなどの異常がみられたら、早めに動物病院を受診しましょう。
特に夏場は肉球のやけどが起こりやすい季節のため、日頃から肉球や爪の状態をチェックする習慣をつけることが大切です。