猫が『飼いやすい』とされている7つの理由 手がかからないって本当?注意すべきポイントも

猫が『飼いやすい』とされている7つの理由 手がかからないって本当?注意すべきポイントも

猫を飼っている世帯の約6割が、2匹以上飼っている多頭飼い家庭です。猫は犬など他のペットと比較して「手がかからず、飼育しやすい」といわれ、猫を飼っている人の多くがそのように感じているようです。実際に、猫には飼い主がライフスタイルを崩さずに共同生活を送りやすい特徴が多く見られます。その理由と飼育上の注意点について解説します。

SupervisorImage

記事の監修

麻布大学獣医学部獣医学科卒業後、神奈川県内の動物病院にて勤務。獣医師の電話相談窓口やペットショップの巡回を経て、横浜市に自身の動物病院を開院。開院後、ASC永田の皮膚科塾を修了。皮膚科や小児科、産科分野に興味があり、日々の診療で力を入れさせていただいています。

猫が飼いやすいとされる7つの理由

ベッドで飼い主とくつろぐ猫

猫の生態や行動習性は、現代の日本の住宅環境や、多忙な現代人のライフスタイルに合致しやすい点が評価されています。特に同じペットとして飼われる犬と比較すると、猫ならではの特徴がより分かりやすくなるでしょう。

ここからは、具体的にどのような特徴が飼いやすさにつながっているのか、詳しく見ていきましょう。

1.散歩に行く必要がない

犬の場合は、広い空間での運動や排泄、ほかの犬や人と社会的な交流を必要とすることなどから毎日の散歩が必要ですが、猫の場合は、散歩に行く必要がありません。

猫は飼い主や同居猫以外の交流を必要とせず、室内での上下運動や、おもちゃ遊びだけで身体に必要な運動量を満たすことができます。また、猫は決まった場所で排泄するため、専用の猫トイレで十分なことも散歩が不要な理由のひとつです。

毎日散歩のために外出する時間を確保する必要がなく、屋内でおもちゃを使って短時間遊んであげるだけで済む点は、飼いやすいといわれる理由のひとつでしょう。

2.日常的な基本の世話が少ない

日常的に行うべき猫の基本の世話は、食事の提供と飲み水の交換、そしてトイレの清掃が基本です。病院以外では外出も不要なため、忙しい中でも、数分の作業時間で完了できます。

犬の場合、シャンプーやトリミングを定期的に行う必要がある犬種もありますが、猫は換毛期のブラッシングをしっかり行い、室内の温度管理をすれば、長毛猫でもカット不要なケースも少なくありません。

「対人・対動物のマナーをしつけないと、必要な散歩にも出せない」という二重の手間がないことも猫を飼う上でのメリットです。

3.ひとりでも留守番ができる

成猫の場合、一日のうち12時間から16時間ほどを休息に費やすといわれています。グーグー寝ていなくても、ただのんびりとゴロゴロしたり、窓から外を眺めたりしているだけで自分の時間を過ごせるのです。

猫は自分のペースで過ごすことを好むことから、分離不安症などの問題を抱えていない限りは、飼い主が不在でも留守番による精神的ストレスを感じにくいといわれています。

飼い主との交流を長時間求めないので、日中はお仕事で家を空ける人にとっても、生活リズムを合わせやすい動物です。

4.トイレの場所をすぐに覚えやすい

猫以外の動物は、比較的不特定の場所で排泄する傾向があるため、トイレを覚えさせるには多少の時間が必要です。

一方、猫はもともと決まった場所で排泄し、排泄後も砂で隠すという習性があります。猫用トイレを適切に設置しておけば、自ら使いはじめることも多く、寝室やリビングなどアチコチに排泄されて生活がままならないということはありません。

定期的なトイレ掃除や砂の交換をしておけば、トイレの問題はあまり大きくはないでしょう。これは飼い主側にとってとても負担を軽くしてくれる要因です。

5.体臭が少ない

猫は起きている時間、毛づくろいで多くの時間を費やします。自分の被毛を舐めることで、汚れや皮脂を取り除き、体を清潔に保つセルフケアをしているのです。

猫が毛づくろいを続けてきたのは、野生の頃、自分のニオイから外敵に居場所がバレないよう存在を隠すためでした。この習性のおかげで、現在では猫を飼っても動物特有のケモノ臭が発生しにくいという利点があります。

体臭対策のための、定期的なシャンプーをしないで済むので、水嫌いの猫にも飼い主にもメリットがあるのです。

6.鳴き声は近所迷惑になりにくい

猫の鳴き声は比較的声量が小さく、外の物音に対して「激しく吠え続ける」といった行動がありません。近隣住民への配慮が必要な都市部の住宅事情において、お隣さんに過度な気遣いをすることなく静かに飼育できる点は、集合住宅に居住する人にとって大きなメリットとなります。

特に未避妊・未去勢猫の発情期などの特定のケースを除けば、壁を越えて近隣にまで響き渡るリスクはあまり心配することなく、集合住宅であっても鳴き声による騒音トラブルは多くはないでしょう。

7.限られたスペースでも飼育できる

猫は平面的な広さよりも、キャットタワーや本棚の上など高低差を利用した上下運動を好みます。そのため、広い一戸建てでなくとも、ワンルームや限られた専有面積の部屋でも、必要な運動量を満たすことが可能です。

狩猟犬のように散歩に出てドッグランなど長い距離を走らせる必要がないため、室内の家具の配置を工夫して縦の空間を作るだけで、猫にとって快適な飼育環境を構築できます。

日本の狭小な住宅事情においても、無理のない飼育スペースを確保することが可能なのです。

「猫=飼いやすい」の裏にある注意ポイント

ソファで爪とぎする猫

猫は飼いやすいとされる特徴を多く持っていますが、命を持つ動物である以上は完全に手放しで飼育できるわけではありません。適切な飼育環境を維持するためには、いくつかの重要な管理事項が存在します。

たとえば、猫は毛づくろいをするため、飲み込んだ毛が胃腸にたまり、嘔吐や食欲不振、便秘などを引き起こし、重症化すると手術が必要になる場合もあります。この毛球症対策には、換毛期を中心にこまめなブラッシングが欠かせません。

また、猫の爪研ぎは本能的な習性なので、壁紙や家具などで爪とぎをしてしまうことがあります。住環境に合わせて爪とぎ場所を複数用意し、保護シートを貼るなどの対策も必要です。

そして、なによりも猫は体調不良を隠す習性があるため、異変に気付いたときには病気が進行しているケースも少なくありません。日頃からよく観察し、健康管理に気を配ってあげることが大切です。

まとめ

喉を撫でられる猫

猫が飼いやすいとされる理由はたくさんありますが、物事は良い面だけでなく、両方の側面から見る視点も大切です。

たとえば、犬のように明確でわかりやすい愛情表現を求める人にとっては、猫のややクールで落ち着いた雰囲気を、どこか物足りなく感じることもあるかもしれません。また、猫は犬と違って一緒に出かけることを好まず、慣れない環境でパニックになり、逸走してしまう危険もあります。

もし「これから何かペットを飼いたい」と考えているなら、自分が求める特徴と、お世話にかけられる時間や費用を基準に考えると良いでしょう。

猫は現代のライフスタイルに合った、とても飼いやすい動物ですが、動物種ならではの習性を理解し、適切な飼育環境を整えることは、どんな生き物を飼う上でも大切なポイントです。

スポンサーリンク