猫の『嗅覚』にまつわる秘密5選 優れた能力から驚きの機能までご紹介

猫の『嗅覚』にまつわる秘密5選 優れた能力から驚きの機能までご紹介

猫の鼻には、私たちが想像する以上のすごいパワーが隠されています。すぐ近くにあるごはんを見落とす意外な理由から、匂いで気持ちを読み取る不思議な機能まで。愛猫をもっと理解できる、鼻の秘密を覗いてみましょう。

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記事の監修

2009年麻布大学獣医学部獣医学科を卒業。
2015年から横浜市内で妻と動物病院を営み、犬、猫、エキゾチックアニマルの診療を行なっています。
2024年現在、犬10頭、猫3頭、多数の爬虫類と暮らしています。
愛犬家、愛猫家として飼い主様に寄り添った診療を心がけています。
内科(循環器、内分泌など)、歯科、産科に力を入れています。

猫の「嗅覚」にまつわる秘密5選

猫の鼻のアップ

1.人間の数万倍!猫の嗅覚がズバ抜けてすぐれている理由

猫の鼻は、人間の数万倍から数十万倍も匂いに敏感だといわれています。これは、鼻の奥にある匂いを感じ取る細胞(嗅覚受容体)の数が、人間よりも圧倒的に多いためです。

野生の時代、猫は自分より大きな敵から身を守ったり、草むらに隠れた小さな獲物を探したりするために、このすぐれた鼻を発達させてきました。

また、目の前に出されたごはんが腐っていないか、安全に食べられるかを確認するのも鼻の役目です。猫にとって嗅覚は、生きていくために絶対に欠かせない大切な感覚なのです。

2.目の前のごはんが見えない?猫が「目」より「鼻」を頼る理由

猫がごはんを目の前に置かれているのに、気づかずに探している姿を見たことはありませんか。

実は、猫の目は遠くの動くものを見るのが得意な反面、すぐ近くにある静止物を見ることが苦手です。

そのため、目の前にある食べ物であっても、視覚ではなく「匂い」を頼りにして認識しています。

猫にとっての食事は、目で見ることよりも、まず匂いを嗅いで「安全で美味しい食べ物か」を確かめることがスタートになるのです。

ごはんを食べないときは、温めて匂いを強めてあげると喜んで食べることもあります。

3.口をパカッと開ける不思議な行動「フレーメン反応」

猫が何か気になる匂いを嗅いだあと、口を半開きにしてフリーズすることがあります。

これは「フレーメン反応」と呼ばれる現象です。決して驚いているわけではなく、匂いの成分をより詳しく分析しようとしています。

猫の口の中の上あごには、「ヤコブソン器官」という特別な匂い感知スポットがあります。ここに匂いを送り込むために口を開けて空気を吸い込んでいるのです。

主にほかの動物のフェロモンや、普段嗅ぎ慣れない珍しい匂いを嗅いだときに見られる面白い行動です。

4.大好きな人や家具に「すりすり」して匂いをつける理由

猫が飼い主の足元や部屋の家具に自分の顔をすりすりとこすりつけるのは、自分の匂いを体から分泌して擦り付けているからです。

猫の頬や口の周りには、自分の匂いを出す分泌腺があります。これをこすりつけることで「ここは自分の縄張りだ」と主張したり、「自分の大好きなもの」としてマークしたりしています。

自分の匂いがしっかりとついた場所に囲まれていると、猫はとてもリラックスできます。大好きな人にすりすりするのは、甘えたい気持ちや安心感の表れでもあるのです。

5.猫同士がお尻の匂いを嗅ぎ合うのは「名刺交換」

散歩中や家の中で猫同士が出会ったとき、お互いのお尻や顔の匂いをクンクンと嗅ぎ合うことがあります。これは人間でいう「挨拶」や「名刺交換」のような行動です。

猫のお尻の周りには腺があり、そこから出る匂いには、その猫の性別や年齢、現在の健康状態、さらにはどんな気分かという詳しい情報がたくさん詰まっていると言われています。

お互いに匂いを嗅ぎ合うことで、「この猫はどんな相手かな?」と確かめ合い、無駄な喧嘩を避けてお互いの関係性を平和に保とうとしているのです。

人間にとってはいい匂いでもNG?猫の鼻を守るための注意点

アロマ

人間にとっては心地よい香りであっても、猫にとっては体に害を及ぼす危険な物質が含まれていることがあります。

特にアロマオイル(精油)の成分は猫の体内でうまく代謝・分解できず、中毒症状を引き起こす危険性があります。

また、柑橘系の精油成分(リモネン等)や強い香水・芳香剤なども猫に大きな負担や刺激を与えます。

愛猫が過ごす部屋では、芳香剤を控えたり無香料のものを選んだりして、強い匂いを避ける工夫をしてあげましょう。

猫の鼻の健康チェック!こんなときは要注意

鼻を舐める猫

普段から愛猫の鼻の様子を観察しておくことは、病気の早期発見につながります。起きているときの健康な猫の鼻は、適度に湿っていてツヤがあるのが正常な状態です。

しかし、起きてから時間が経っても鼻がカサカサに乾いている場合や、逆にサラサラした鼻水・ドロッとした青っぱなが出ているときは注意が必要です。

また、くしゃみを連発していたり、鼻の頭が赤く腫れていたりする場合も病気のサインかもしれません。

いつもと違う様子が見られたら無理に触らず、早めに獣医師に相談することをおすすめします。

まとめ

スリスリする猫

猫にとっての嗅覚は、ごはんを安全に食べるためだけでなく、気持ちを落ち着かせたり仲間とコミュニケーションを取ったりするための、生活のすべてを支える重要な感覚です。

愛猫が何かを夢中でクンクンと嗅いでいるときは、周囲の情報を必死に集めている最中なので、無理に邪魔をせず満足するまで見守ってあげるようにしてください。

猫の鼻の仕組みや感じている世界をしっかり理解してあげることで、愛猫との暮らしがより安心で深い絆で結ばれたものになるでしょう。

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