猫のおヘソの仕組み

一見すると分かりませんが、猫にもちゃんとおヘソはあります。猫のおヘソは、人と同じようにお腹の中央あたりにあります。お腹をよく観察すると、毛が少し生えていない小さな部分があり、そこがおヘソです。
子猫がお母さんのお腹の中にいる間は、へその緒を通して栄養を受け取ります。人間と同じように、へその緒の跡が「おヘソ」となるのです。人間と違うのは、母猫が噛み切ってへその緒を取ること。
噛み切ったあとは傷跡が平らに治るため、人のようなくぼみや出っ張りはほとんどありません。跡が薄く残るだけなので、人間と比べて非常に目立ちにくいのが特徴です。
さらに、おヘソをケアする必要がないこと、毛に覆われていることも、猫のおヘソが目立たない理由です。特に長毛種では被毛に隠れてしまい、見つけるのはさらに難しくなります。おヘソの役割も場所も人間とほとんど変わらないものの、猫の習性や体の特徴の影響で、見つけにくくなっているといえます。
見つけ方のコツ

猫のおヘソを見つけるなら、お腹を見せてくつろいでいるときがおすすめです。「ヘソ天」で眠っているときや、リラックスして仰向けになっているタイミングなら探しやすいでしょう。猫の皮膚は敏感なので、無理に探さず嫌がったらすぐにやめてあげましょう。
おヘソの位置は、前足と後ろ足の中間あたりのお腹の中央です。被毛をそっとかき分けると、数ミリほどの小さなくぼみや跡が見つかることがあります。毛で隠れてしまっていることが多いため、触って見つけるより、毛をかき分けながら目で探すのがおすすめです。
見つけられない場合は、動物病院で健康診断の際に獣医師へ相談してみてもいいかもしれません。
見逃せないサイン

臍(さい)ヘルニア
猫のおヘソの周りにふくらみやしこりを見つけた場合は、「でべそ」ではなく病気が隠れている可能性があります。代表的なのが「臍(さい)ヘルニア」です。これは、本来ふさがるはずのおヘソの穴が閉じず、そこから腸や脂肪などの組織が飛び出してしまう病気です。
穴が大きいと、飛び出した臓器の血流が悪くなったり、腸閉塞や組織の壊死を引き起こしたりする恐れがあります。外見上は異常が少なくても、体の中で問題が進行しているケースもあるため注意が必要です。おヘソの周囲に違和感やしこりを見つけたときは、早めに動物病院で診てもらいましょう。
腫瘍・癌
おヘソの近くに触れるしこりは、腫瘍が原因となっている可能性もあります。お腹の内部にできた腫瘍やがんが、しこりとして触れられることもあるためです。頻繁に見られるものではありませんが、明らかなふくらみや硬いしこりに気付いた場合は、そのままにせず獣医師へ相談することをおすすめします。
脂肪腫
おヘソの周辺にできるしこりの中には、「脂肪腫」の場合もあります。これは脂肪細胞が増えてできる良性の腫瘍で、多くは健康に大きな影響を及ぼしません。悪性化することも少なく、経過観察のみで済むケースもあります。ただし、見た目だけで病気の種類を判断することは難しいため、しこりを見つけた際は自己判断せず、動物病院で診断を受けることが大切です。
まとめ

猫のおヘソは、人のようなくぼみがなく、毛が少し薄くなっている程度なので見つけにくいのが特徴です。探すときは、後ろ足の付け根からお腹の中央をたどるように、顔の方向へゆっくり確認すると見つけやすいでしょう。毛の流れが渦のようになっている部分がおヘソの目印です。
ただし、おヘソ周辺が大きく膨らんでいたり、赤く腫れていたりする場合は病気の可能性もあります。異変に気付いたら早めに動物病院を受診し、猫が嫌がるときは無理に触らないようにしましょう。