1. Curiosity killed the cat(好奇心は身を滅ぼす)

「Curiosity killed the cat」は、「好奇心は身を滅ぼす」という意味の英語のことわざです。
直訳すると「好奇心は猫を殺す」ですが、これは意味が違うので要注意。正しくは、興味本位で危険なことに首を突っ込んだり、必要以上に詮索したりすると、思わぬトラブルを招くことがあるという戒めとして使われる言葉です。
この言葉に「猫」が使われた理由は、猫が好奇心旺盛な身近な動物の象徴だからでしょう。猫は初めて見るものや動くものを見つけると、近づいて確認したり、気になるものを確かめる習性があります。
なお、この言葉は古くは、「Care killed the cat=思い悩むと身を滅ぼす」だったそうです。時代の流れとともに「悩む」から「好奇心」へと変化したといわれています。
2.Let the cat out of the bag(秘密を漏らす)

「Let the cat out of the bag」は、「秘密をうっかり漏らす」「隠していたことを明らかにする」という意味で使われる英語の慣用句です。 たとえば、サプライズの計画を本人に話してしまった場面などで使われます。
この表現に猫が登場するようになった理由は、昔のヨーロッパにさかのぼります。当時は子豚を袋に入れて売る習慣があり、しかし、子豚ではなく価値の低い猫を袋に入れて騙し売るという悪質な商人がいたそうです。この「袋から猫を出す」という言葉には、かくしていたものが明らかになるというイメージが込められています。
3.Cat got your tongue?(どうして黙っているの?)

「Cat got your tongue?」は、直訳すると「猫があなたの舌を取ってしまったの?」という意味ですが、実際には「どうして黙っているの?」「何も言わないの?」と、相手に声をかけるときに使われる英語表現です。
この言葉の中の「猫」は、鬼や化け物といった怖い存在ではなく、いたずら者のカワイイ存在というイメージ。「猫に舌をとられたように話せなくなってしまった」というユーモアのある言葉です。
しかし、古代エジプトでは嘘をついた人の舌を猫に食べさせたという説や、海軍で使われていた鞭は、「Cat-o'-nine-tails(九尾の猫)」で、この罰を恐れて口を閉ざすという背景もあります。
4.Like a cat on hot bricks(落ち着きがない)

「Like a cat on hot bricks」は、「落ち着きがない」「そわそわしている」「じっとしていられない」という意味で使われる英語の慣用句です。
この言葉に猫が登場する理由は、猫が暑い場所が苦手な動物だから。もし、熱くなったレンガやブリキ屋根の上に猫が乗ってしまったら、足の裏が熱くてじっとしていられず、慌てて場所を移動しようとするというイメージです。
この情景から「不安や緊張でソワソワしている人」や「居心地が悪くて落ち着かない様子」を表す言葉として使われるようになりました。
なお、アメリカ英語では「Like a cat on a hot tin roof(熱いブリキ屋根の上の猫のように)」という表現がよく使われますが、どちらも意味はほぼ同じです。20世紀にこの慣用句をタイトルにした舞台作品もありました。
5.There's more than one way to skin a cat(方法は一つではない)

「There's more than one way to skin a cat」は、「物事を達成する方法は一つではない」「やり方はいろいろある」という英語のことわざです。
直訳すると「猫の皮を剥ぐ方法は一つだけではない」と、やや怖い印象ですが、実は昔の欧米では猫の皮が実用品として利用されることがあり、そこに語源があると考えられています。
現在では、猫を傷つけるような表現であることから、不快に感じる人も少なくありません。そのため英語圏でも近年では使用を避ける人が増えており、ビジネスシーンや公の場では別の表現を選ぶこともあります。ただし、実際に猫を傷つけることを勧める言葉ではないので、あくまでも「教訓を伝える比喩表現」として受け継がれているようです。
6.When the cat's away, the mice will play(鬼の居ぬ間に洗濯)

「When the cat's away, the mice will play」は、「目を光らせる人がいなくなると、周りの人は気が緩んで好き勝手に振る舞う」という意味の英語のことわざです。
この言葉に猫が登場する理由は、昔から猫はネズミを捕らえる動物として、人々の暮らしに関わっていたことにさかのぼります。ネズミにとって猫は最大の天敵です。猫がいる間は警戒して身を潜めていますが、いなくなると安心して動き回るようになります。このわかりやすい関係性を人間社会に重ねた言葉だと考えられています。
また、使用例として「上司が席を外した途端に職場が賑やかになる」「先生が教室を出たら生徒がおしゃべりをはじめる」といった場面があります。
7.Fight like cats and dogs(猫と犬のように激しくケンカする)

日本語にある「犬猿の仲」のような意味の言葉です。「激しくケンカをする」「顔を合わせるたびに言い争う」といった英語の慣用句です。
現代には、猫と犬が仲良く暮らしている家が多いですが、昔から猫と犬は仲が悪いイメージが強いのが由来です。ただし、猫と犬は、小さい頃から一緒に暮らしたりお互いに慣れる環境を十分に設ければ、仲良く生活することは珍しくありません。
それでも猫と犬の対照的な性質が、人間同士の激しい言い争いを表現するのに分かりやすかったからだと考えられています。
まとめ

英語には、「cat(猫)」が登場することわざや慣用句が数多くあります。
その多くは、猫の好奇心旺盛な性格や狩りをする習性、素早い動きなど、人々が昔から身近に感じてきた猫の特徴から生まれました。
また、中には当時の暮らしや文化、歴史的な出来事が由来となっている表現もあり、意味だけでなく背景を知ることで、英語への理解もより深まります。
猫好きの人なら、「なるほど、猫らしい!」と思える表現も多いかもしれませんね。英語のことわざや慣用句に出会ったときは、言葉の意味だけでなく、「なぜ猫が登場するのか」という由来にも注目してみてください。