猫が『入院することになる』4つの原因

1.下部尿路疾患(尿道閉塞など)
猫が入院をすることとなる原因のひとつ目は、尿石症や膀胱炎などの下部尿路疾患です。
たとえば尿道に結石が詰まる「尿道閉塞」を起こすと、自力で排尿できなくなり、急性腎不全を引き起こして尿毒症に至ってしまい命に関わることもあります。
こうなるとカテーテルでの排尿処置や点滴治療、場合によっては長い経過観察が必要となるため、入院治療が取られることがあるのです。
2.誤飲・誤食による消化管閉塞
2つ目の原因として挙げられるのが、「誤飲・誤食」です。
猫は好奇心旺盛な動物で、紐や輪ゴム、ビニール、小さなプラスチック製品など、日常にあるさまざまなものに興味を示します。
しかしこれらを誤って飲み込んでしまうと、胃や腸に詰まり「腸閉塞」を引き起こす危険があるのです。
腸閉塞はその名のとおり腸が詰まってしまう病気のことをいいます。完全に閉塞してしまうと、激しい嘔吐や脱水が起こるだけでなく、腸の組織が壊死してしまうこともあり、命に関わる深刻な状態になりかねません。
そのため誤飲してしまった場合は、内視鏡や手術によって異物を取り除きます。
さらに術後も、全身管理や点滴による体力の回復、絶食管理など、きめ細かなケアを行うため、数日から1週間程度の入院となるケースがほとんどです。
3.腎臓病
猫が入院する原因の3つ目が、腎臓病です。
とくに高齢猫では慢性腎臓病が進行し、重度の脱水や食欲不振、嘔吐などを引き起こすことがあります。
このような状態になると、自宅での投薬・補液だけでは改善が難しく、静脈点滴による集中的な水分補給や電解質管理が必要になり、入院が必要となることが少なくありません。
また急性腎障害の場合は、短期間で命に関わるケースもあるため、ほとんど入院治療となります。
4.悪性腫瘍(がん)
猫が入院する原因の4つ目は、「悪性腫瘍(がん)」です。
猫も人間と同じように高齢化が進むにつれて、がんを発症するリスクが高くなります。
もしがんが見つかった場合は、その種類や進行度に応じて外科手術による摘出や抗がん剤治療などが検討され、入院が必要になるケースも少なくありません。
ただし、すべての猫が積極的な治療を選択するわけではなく、がんの進行状況や転移の有無、年齢などを総合的に考慮し、治療を行うのか、それとも痛みや苦痛を和らげる緩和ケアを中心とするのかを獣医師と相談しながら決めていきます。
治療内容によって入院期間は大きく異なり、手術後の経過観察のために数日間入院することもあれば、抗がん剤治療や体調管理のために入退院を繰り返しながら長期的な治療を続けるケースもあります。
治療や検査が必要なケースとは?

猫が入院を勧められるのは、「自宅では十分な管理ができない状態」のときです。
具体的には、持続的な点滴や酸素吸入、頻回の投薬、心拍数や呼吸状態の監視などが必要な場合が該当します。
また急激な体調悪化が予想されるケースや、検査結果が出るまで慎重な経過観察が必要なケースでも入院が選択されることも。
とくに猫は体調不良を隠す習性があるため、「ぐったりしている」「食べない」「呼吸が苦しそう」といった症状が見られる頃には重症化していることもあります。
獣医師から入院を提案された場合は、その必要性や治療内容を確認しながら、愛猫にとって最善の選択を検討しましょう。
猫の入院に備えておきたいことは?

愛猫の突然の入院に備え、飼い主が準備しておくべきことは「経済的備え」と「かかりつけ病院の確保」の2点です。
- 経済的な備え
猫の入院・手術費は公的保険がないため、1日あたり数千円〜数万円かかることもあり、長期入院では経済的な負担が大きくなります。
とくに長期のがん治療や専門的な大きな手術を行う場合は、合計で100万円近く支払うケースも。
そのためペット保険への加入、もしくは専用の貯蓄をしておき「経済的な備え」をしておくことが大切です。これは治療の選択肢を広げるためにも非常に重要といえます。
- かかりつけ医の確保
とくに長期的な治療、大病、一生付き合っていく病気の治療を行う時は、かかりつけ医を決めておくと安心です。
病院を頻繁に変えてしまうのは、その都度猫に負担をかけるので可能な限り避けましょう。
もちろんセカンドオピニオンを希望する場合は別ですが、そうでない場合はかかりつけ医のもとで治療を継続できるのが望ましいです。
普段の健康状態を把握してもらえていれば、緊急時もスムーズに対応してもらいやすくなります。
まとめ

猫が入院にいたる原因にはさまざまなものがあり、いずれも自宅でのケアが難しく、病院での継続的な治療や慎重な経過観察が必要なケースばかりです。
入院は飼い主にとっても不安なことであり、治療費の負担も決して小さくありません。それでも、入院という選択が愛猫の命を守ることに直結する場面は多くあります。
だからこそ、日頃から愛猫の様子をよく観察し、「いつもと違う」と感じたら動物病院へ相談して、早めの受診を心がけましょう。