猫は具合が悪いときも『喉をゴロゴロ』鳴らすことがある

猫のゴロゴロ音というと、「甘えている」「安心している」というイメージを持つ人が多いでしょう。実際、飼い主さんの膝の上でうっとりしているときや、なでられて気持ち良さそうにしている場面では、リラックスのサインとしてゴロゴロ鳴らしています。
ただ、実は猫は体調が悪いときにもゴロゴロ音を出すことがあるのです。
これは、人が不安なときに深呼吸をしたり、好きな音楽を聞いて落ち着こうとしたりするのに少し似ています。猫も不安や痛みを和らげるため、自分を落ち着かせるようにゴロゴロ鳴らす場合があるのです。
たとえば、動物病院で緊張している猫が急にゴロゴロ鳴き始めることがあります。一見リラックスしているようですが、実際には怖さを紛らわせているケースも少なくありません。
また、ケガや病気で体力が落ちているときにも見られることがあります。海外では、ゴロゴロ音の振動が回復を助ける可能性について研究されたこともあり、「自己治癒を促す行動では」と考えられているのです。
そのため、「ゴロゴロ言っているから元気」と決めつけるのは少し危険かもしれません。特に、普段と様子が違うゴロゴロには注意が必要です。
リラックス時との違いや見分けるポイントは?

では、安心しているゴロゴロと、体調不良のゴロゴロはどう見分ければよいのでしょうか。
まず注目したいのは、猫の「全身の様子」です。
リラックスしているときは、目が細くなっていたり、前足をふみふみしていたり、しっぽがゆったり動いていたりします。体にも力が入っておらず、「気持ちいいなぁ」という空気が全身から伝わってくるものです。
一方で、具合が悪いときは違和感がいくつも見えてきます。たとえば、ゴロゴロ鳴らしているのに食欲がない、動かない、呼吸が速い、暗い場所に隠れるなどの変化が出やすくなります。抱っこを嫌がる、いつもより反応が鈍いというケースもあるでしょう。
特に気をつけたいのは、「じっとうずくまりながらゴロゴロしている状態」です。香箱座りのまま動かず、目に力がない場合は、痛みや不調を我慢している可能性があります。
猫は本能的に不調を隠す動物です。野生では弱っている姿を見せると敵に狙われやすくなるため、「いつも通り」をよそおいます。そのため、飼い主さんが小さな変化に気づくことがとても大切なのです。
まとめ

猫のゴロゴロ音は、必ずしも「ご機嫌」の意味だけではありません。もちろん、安心して甘えているサインであることも多いですが、不安や痛みを和らげるために鳴らしている場合もあります。
だからこそ大事なのは、「ゴロゴロしているかどうか」だけで判断しないことです。食欲、呼吸、動き方、表情、トイレの様子など、普段との違いをあわせてみることで、猫の小さなSOSに気づきやすくなります。
たとえば、いつもならゴロゴロしながらお腹を見せる子が、今日は丸まったまま動かない――そんな「なんとなく変」という感覚は、意外と当たっているものです。
毎日一緒に暮らしている飼い主さんだからこそわかる変化があります。猫は言葉で不調を伝えられませんが、その代わり行動やしぐさでサインを送っています。ゴロゴロ音もそのひとつとして受け止めながら、愛猫の体調をやさしく見守ってあげたいですね。