猫の『牙がはみ出ている』ときに考えられる原因6つ 放置しても大丈夫?受診の判断基準まで

猫の『牙がはみ出ている』ときに考えられる原因6つ 放置しても大丈夫?受診の判断基準まで

他の猫と比べて明らかに『牙』がはみ出ている猫。放置しても大丈夫?そもそも犬歯が目立ってしまう原因は?心配ないケースから受診が必要なケースまで詳しく解説いたします。

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記事の監修

日本では獣医師。世界では旅人。”旅する獣医師”として世界各国を巡り、海外で見てきた”動物と人との共生の様子”を、執筆や写真展を通して皆さんと共有する活動をしています。

猫の牙がはみ出ている原因とは?

口を開けて驚く猫

時々、吸血鬼のような猫や鬼瓦のような猫がいますよね。彼らは皆、牙(犬歯)がはみ出ている猫たちです。上下どちらの犬歯が目立つかによって印象が変わります。

ところでこの牙は、放置しても大丈夫なのでしょうか?実は問題ないケースと、しっかり診てもらったほうがいいケースの両方があるのです。

ここでは『牙がはみ出ているとき』に考えられる原因を6つ紹介いたします。後半では受診の判断基準について、より詳しく解説いたします。

1.単に牙が長い

稀に長い牙を持つ猫がおり、物理的にはみ出てしまう場合があります。歯の先端が唇に刺さらず、自然な形で生えているのであれば問題ありません。

ちなみにこの現象は、メス猫よりもオス猫に多い傾向があるようです。

2.歯の生え変わりによるもの

猫の歯も初期段階は乳歯が生え揃い、徐々に永久歯へと置き換わります。

その過程で抜けかけた乳歯がはみ出てくることがあり、偶然その光景を目の当たりにすると"出っ張っている"という印象を受けることになります。

多くの場合はトラブルなく抜けてしまうものなので、基本的には見守るだけで大丈夫です。ただし稀に乳歯が抜けずに留まることがあるため、時々歯の様子を気にかけてあげてください。

3.乳歯遺残

これは先程紹介した"稀"に当たるケースです。乳歯遺残といって、抜けずに留まってしまった乳歯が永久歯と重なるような形で生えてしまうことがあります。

その生え方によってははみ出た印象になり、吸血鬼や鬼瓦のように見えてしまいます。このケースは後々歯周病を起こしやすい要因になるなどトラブルを引き起こす可能性が高いので、不自然に重なっている歯を発見したら一度診察を受けるようにしてください。

4.噛み合わせの問題(不正咬合)

実は猫の中にも歯並びのトラブルや、噛み合わせのトラブルを抱えてしまう猫がいるのです。その原因は遺伝や外傷など様々な要因があります。先程紹介した乳歯遺残もその1つです。

犬歯の生え方が悪いとあらぬ方向に伸びてしまうため、はみ出したり唇に当たってしまうことがあります。

5.加齢によるもの

子猫時代の生え変わりとは別に、加齢によって歯が抜けてしまうケースがあります。やはりその過程で抜けかけた歯が出てくるので、犬歯が目立って見えるのです。

一見するとショッキングな出来事ですが、15歳を超えるハイシニア猫には決して珍しくない現象です。

ただし、後述するように歯周病が原因となっている事がほとんどなので、痛みのサインの一つである「食欲の低下」がないか、よく注意しておく必要があります。

6.歯周病

猫は虫歯にこそなりませんが、歯周病になるリスクは持っています。その原因は歯垢の蓄積や歯石の定着、糖尿病などです。

歯周病を患った歯は歯茎が腫れ、歯がぐらついて、最終的には抜け落ちてしまいます。やはりその過程で歯並びが悪くなる事があるため、牙が目立つように感じることがあります。

受診が必要な基準は?

歯のチェック

ここからは牙がはみ出ていることに気づいたとき、どのタイミングで受診すべきなのかについて解説していきます。

怪我や事故の場合はすぐに受診を

例えばキャットタワーや椅子の上などから転落するアクシデントに見舞われた場合、歯のトラブル以外にも負傷している部位がある可能性が高いです。

そのため、明らかに体の動きがおかしい・隠れて出てこない・触れると鳴き叫ぶ・怒るなどの様子が見られたらすぐに診察を受けてください。

歯のトラブルも必ず受診を

先程紹介した乳歯遺残や歯並びの問題、口臭が気になるなど、お口のトラブルが疑わしい場合も必ず診察を受けてください。

乳歯遺残は緊急性は高くないですが、歯周病などの口腔内トラブルで痛みを抱えたままの生活は非常に辛いものです。歯の問題が原因で食事が取れなくなってしまった場合は早めに受診するようにしてください。

猫は丸3日、絶食状態が続くと肝臓など全身状態にダメージが及びます。よって食欲が落ちていることに気づき次第、動物病院に連れていく準備を整えてあげてください。

唇に刺さりそうな場合も必ず受診を

口腔内のトラブル以外でも、明らかに牙が唇に刺さりそうな様子があれば診察を受けてください。

万が一刺さってしまった場合、猫自身に痛みや苦痛が伴うのはもちろんのこと、患部に菌が繁殖し感染症を起こす恐れがあります。

気になる場合は相談を

以上のようなトラブルが特にない場合でも、牙の生え方が気になる場合は獣医さんに相談してみてください。

ワクチン接種や別件で受診した際の"ついで"で構いません。身体検査ではお口の中も見てくれるので、そのタイミングが良いかもしれませんね。

まとめ

口を開ける猫

今回は、猫の『牙がはみ出ている』ときに考えられる原因と、受診が必要かどうかの判断基準について紹介いたしました。

猫のご長寿さんが増える今、猫の歯の健康を守ってあげることが重要です。

一見問題なさそうな牙でも思わぬトラブルの引き金になることは珍しくないので、"牙がはみ出ている猫"と暮らす飼い主さんはこまめに様子を見てあげてくださいね。

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