猫は人を『見た目』で判別できるの?

猫が暗闇のなかでも軽やかに動く姿から「よっぽど目がよいのだな」と考える人も多いかもしれません。
たしかに、猫は暗い場所でも周囲を把握するのが得意で、素早く動くものを捉える動体視力にも優れています。
しかしその一方で、止まっているものを見る「静止視力」は、人間の10分の1程度しかないといわれているのです。
体格や服装などのシルエットは認識できるため、全く見た目を頼りにしていないわけではありません。ただ、視覚だけでは補えない部分もあります。
では猫は、それ以外にどんな情報を手がかりにしながら、あなたや他の家族のことを認識しているのでしょうか。
猫ならではの認識方法3選

1.声の特徴を覚えている
猫は、声のトーンやイントネーションから、飼い主さんかどうかを判別していると考えられます。
実際に上智大学では、飼い主さんと知らない人の声で猫に呼びかけるという実験を行いました。
知らない人3人の声を順番に流すと、猫は次第に反応が薄くなっていきます。しかし、その後に飼い主さんの声を流すと、再び反応を強く示したのだそう。
このことから、猫は私たちが思っている以上に、人の声の違いをしっかり聞き分けているようです。
2.足音や生活音から聞き分けている
飼い主さんが帰宅したときは当たり前のように出迎えてくれるのに、来客が訪ねてきたときには姿を消してしまうという現象に、心当たりはありませんか。
筆者の愛猫がまさにそうなのですが、たとえ気づかれないように静かに玄関を開けて入ってきても、見知らぬ人の存在を察知してしまいます。
声だけでなく、聞こえてくる足音や生活音から人の違いを察知しており、猫の聴覚の鋭さには驚かされるばかりです。
3.ニオイを覚えている
猫は鼻が利く生き物でもあります。猫同士の挨拶では、お互いの鼻を近づけてニオイを嗅ぎ合う姿が見られますが、あの行動も相手の情報を得るためなのです。
それは対人であっても同じで、ニオイを手がかりにして、飼い主さんかどうかを認識しています。
ちなみに筆者は、他所の猫とふれあって帰ったときに、猫に怪訝そうな反応をされたことがあります。普段とは違うニオイに敏感なため、人には分からない変化にもすぐに気づいたのでしょう。
猫を混乱させないためのポイント

ここまでのお話から、猫は視覚だけでなく、聴覚や嗅覚から分かるさまざまな情報を組み合わせながら、人を判別していることが分かりました。
だからこそ、いつもと違うニオイや見た目の変化に、戸惑ってしまうこともあります。
特に気をつけたいのが「ニオイ」です。先ほど、他の猫とふれあった後の反応に触れましたが、猫によっては、お風呂上がりのニオイの違いさえも不安に感じることがあります。
もし猫が自分から近づいてニオイを確認しにきたときは、そっと見守ってあげましょう。
また、髪型や服装を大きく変えたときも、突然近づくのではなく、まずは優しく声をかけてあげるのがおすすめです。「いつもの飼い主さんだ!」と分かれば、猫も安心しやすくなります。
まとめ

猫は、視力の関係から、見た目だけでその人を見分けているわけではありません。
ニオイや声、足音や生活音のように、聴覚や嗅覚から得られる情報を組み合わせながら、あなたや他の家族のことを判別しているのです。
猫がクンクンとニオイを嗅ぎたがるのも、相手を確認するための大切な行動。ぜひ気が済むまで見守ってあげましょう。
また、見た目やニオイが変わったときには、まずは優しく声をかけて安心させてあげてください。
猫ならではの認識の仕方が分かれば、愛猫の行動や反応も、これまでとは少し違って見えてくるかもしれません。