『太っている猫』に起こりうる健康リスク3選 放置すべきでない理由や改善策まで

『太っている猫』に起こりうる健康リスク3選 放置すべきでない理由や改善策まで

丸くてふわふわの猫はとっても愛らしいですよね。でも、太りすぎは不調や病気のもとになることもあります。今回は、肥満が原因で起こるかもしれない健康上のリスクから、改善策まで一緒に学んでいきましょう。

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記事の監修

日本では獣医師。世界では旅人。”旅する獣医師”として世界各国を巡り、海外で見てきた”動物と人との共生の様子”を、執筆や写真展を通して皆さんと共有する活動をしています。

3つの健康リスク

聴診器をあてられる白猫

1.糖尿病になりやすくなる

脂肪が増えすぎると、血糖値を下げるインスリンの働きが弱くなり、血糖コントロールがうまくできなくなります。放置すると、歩行障害や急性合併症を引き起こし、深刻な状態に陥る可能性も。

肥満に加えて、水をたくさん飲む、尿の量が増える、食べているのに痩せてきた、後ろ足がふらつくといった様子が見られたら要注意です。

特に、中高齢の猫や、運動量が少ない完全室内飼育の猫はリスクが高くなりやすいといわれています。毎日のインスリン注射が必要になる場合もあり、猫はもちろん飼い主にとっても負担が大きくなります。

2.関節や足腰への過度な負担

体重が増えすぎると、関節や足腰にも大きな負担がかかります。特に、肘関節、膝関節、股関節に負荷がいきがちで、痛みや歩行障害、ヘルニアなどを引き起こします。

動きたがらない、高い場所を避けるようになった、グルーミング(毛づくろい)が減ったなどの行動の変化が見られたら、肥満による不調のサインかもしれません。

関節炎は、若くても発症しうる可能性があり、特に12歳以上の猫の9割がかかるという報告もあります。しかし、肥満はこうした疾患になるリスクをさらに高めてしまう恐れがあります。

3. 心臓に負担がかかる

太りすぎは、心臓にも影響を及ぼします。心筋症などの素因がある猫で体重が過度に増えると、心臓の負担が大きくなり、血液を全身に送り出すポンプ機能がうまく働かなくなってしまい、心不全のリスクが高くなります。

呼吸が荒くなる、動きたがらなくなるといった症状があらわれる場合があります。

進行すると、動脈に血栓(血の塊)ができる「動脈血栓塞栓症」を突然併発し、後ろ足が動かせなくなることがあります。重篤な心不全を発症すると24時間以内に命を落としてしまうこともあるので、早期発見と早期治療が大切です。

放置すべきでない理由

太った猫

肥満はゆっくりと進行するため、注意が必要です。毎日一緒に暮らしていると、体重が少しずつ増えても気づきにくくなり、体に大きな負担がかかっていることも少なくありません。

肥満は単独の問題ではなく、さまざまな不調や病気の“入り口”になりやすい特徴があります。糖尿病や関節疾患、循環器のトラブルなどが重なることで、猫の生活の質(QOL)が低下したり、飼い主の負担が増したり、最悪の場合は命に関わる恐れがあります。

猫は人間のように「ダイエットしたい」とは言えません。一度太ってしまうとダイエットも大変です。だからこそ私たちが、太っている猫に起こりうるリスクを理解した上で、太る前から体重を管理したり、対処したりする必要があります。

太りすぎの改善策

キャットタワーで遊ぶ猫

まずは、急激に痩せさせないことを意識しましょう。猫は絶食や急激なダイエットによって、「肝リピドーシス」という肝臓病になり、命に関わる危険な状況になってしまうことがあります。

次に大切なのが、食事の量です。適切な食事量を守る、おやつを見直すといった対策を取りましょう。フードは、ダイエット用や低カロリーのものもあります。今までのものから徐々に切り替えて、1ヶ月に体重の2~4%程度を目安に減量することをおすすめします。

さらに、運動も重要な要素です。おもちゃを使って走らせたりするだけではなく、キャットタワーやキャットステップなどを活用して上下運動できる環境を整えると、楽しくエネルギーを消費できます。

まとめ

体重計に乗る猫

猫の肥満は、糖尿病や関節トラブル、心臓への負担など、さまざまな健康リスクの原因となります。

急に食事の量を減らしたり、フードを変えたりすると別の不調の原因やストレスにつながります。必ず獣医師に相談した上で、食事の管理や運動不足の解消を行いましょう。

愛猫に健康で長生きしてもらうために、今日からできることを少しずつはじめてみませんか?

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