『耳ダニ』とは?

『耳ダニ』という言葉を聞いたことがありますか?言葉だけなら知っているという方もいれば、全くの初耳という方も多いでしょう。
本題に入る前に、"耳ダニの正体"について簡単に説明させていただきます。
寄生虫の一種
耳ダニは『ミミヒゼンダニ』というダニの一種で、いわゆる寄生虫のことです。その寄生先が犬や猫の外耳道であることから"耳ダニ"と呼ばれています。
寄生後は耳垢や角質などを食べて過ごし、その場に居座ろうとします。
肉眼では見えにくい
耳ダニの大きさはわずか0.3mm程。非常に小さなダニのため、肉眼での確認は困難です。
ただし、疑う余地はあります。それは黒い耳垢です。まるでコーヒーかすのような耳垢が点在していたり、溜まっているようであれば耳ダニが寄生している可能性があります。
愛猫の耳を観察する中で"怪しいな"と思ったら、診察を受けてください。耳垢の一部を採取し、顕微鏡にかけることで判別することができます。
『耳ダニ』の主な症状は?

先ほど、耳ダニに寄生された猫の耳には"コーヒーかすのような耳垢が溜まる"と紹介しましたが、他にはどのような症状が現れるのでしょうか。ここでは代表的な症状を4つ紹介いたします。
1.耳をかく・頭を振る
耳ダニに寄生されると強い痒みが発生します。そのため耳を頻繁にかくようになったり、違和感から頭を振るようになります。
2.皮膚の赤み・ただれ
症状が進むと、皮膚に炎症が起こります。その影響で耳の皮膚が赤くなり、最終的にはただれてしまいます。
3.二次感染としての『外耳炎』
ダニに噛まれることで痒みが生じる→耳をかく→皮膚がただれる→さらに炎症が強まり痒みが増す。
耳ダニを放置するとこの悪循環が続き、やがて二次感染を起こします。その過程で耳の中では細菌や酵母菌が増殖し、外耳炎へと発展します。
4.悪化すると『内耳炎』にも
さらに最悪のケースでは、炎症が内耳にまで及びます。ここまで重症化した場合は、『旋回運動(その場をぐるぐる回る)』や『斜頸(首が傾く)』などの神経症状にも見舞われてしまいます。
耳ダニの予防方法と対処法

ここからは耳ダニに対する日頃の対策や、実際に寄生されてしまった場合の対処法を紹介いたします。
猫を外に出さない
耳ダニは完全室内飼育の徹底によって防ぐことができます。生まれてから一度も外に出ていない猫であれば尚更です。
保護猫はひとまず隔離する
猫を保護した場合はひとまず先住動物から隔離し、動物病院でチェックしてもらいましょう。先ほど紹介したように、耳ダニに関しては犬にも人間にも移ります。
症状がある場合は耳をチェックしてみる
既に症状がある場合は手袋を装着したうえで、耳の中を覗いてみてください。黒い耳垢がある場合は耳ダニを疑い、可能であれば隔離します。
そしてその旨を動物病院に伝え、本当に耳ダニかどうか、他の病気が潜んでいないかの確認をしてもらいましょう。
駆虫薬や耳掃除をする
耳ダニに寄生されたことが判明したら、まず耳の中を洗浄してもらいます。そのうえでご家庭では駆虫薬を使用し、耳ダニの除去を試みます。
細菌や真菌による二次感染がある場合はそちらの治療もあわせて行います。治療期間の目安は数週間程度です。完治するまで定期的に通院が必要になります。
定期的に駆虫することで予防する
寄生歴がある場合は、定期的に駆虫薬を用いて予防します。ちなみに駆虫薬は首に垂らすタイプなので、飲み薬が苦手な猫でも使いやすいでしょう。
また多頭飼育では、他の猫たちも一緒に予防しておくと安心です。日頃から室内を清潔に保ち、飼主さんが"運び屋"にならないように気をつけましょう。
まとめ

今回は『耳ダニ』について紹介いたしました。改めて症状をおさらいしておきましょう。
まず耳ダニに寄生されると強い痒みが生じます。その影響から耳をかく・頭を振るなどの仕草が見られるようになります。
症状が悪化すると赤みやただれが生じ、外耳炎を発症します。中には外耳炎だけに留まらず、内耳炎にまで発展するケースもあります。そして最悪の場合は二次感染を引き起こします。
耳ダニは非常に小さなダニなので気づきにくいのですが、これらの症状や耳の状態(黒い耳垢の出現)などを手がかりに"怪しむ目"が持てるようになるといいですね。
気になる症状や仕草、疑わしい異変を見つけたら動物病院に相談してください。