人にはあるのに『猫には存在しない感情』3つ なぜ似たような仕草をするの?誤解しないための向き合い方まで

人にはあるのに『猫には存在しない感情』3つ なぜ似たような仕草をするの?誤解しないための向き合い方まで

叱られた猫が申し訳なさそうな顔をしたとか、ヤキモチを焼いているように見えるとか、猫の様子を擬人化してしまうことはよくあるものですが、実は、最新の動物行動学では、人間が感じている複雑な感情のいくつかは、猫には存在しないと考えられています。見た目の思い込みから、誤った解釈をしないよう猫の本当の心理を学んでいきましょう。

人にはあるのに「猫には存在しない感情」3つ

ごはんを食べる猫を見る猫

猫は時々人間のようなリアクションを見せますが、猫の脳構造や野生時代の習性から見れば、人が持つ複雑な感情の一部を、猫は持っていないことがわかります。

私たちが「きっとこう思っているはず」と信じている仕草の裏には、実はもっとシンプルで本能的な理由が隠されているのです。

1.反省や罪悪感

猫は飼い主に叱られたとき、耳を伏せたりそっぽ向いて視線を外します。これは、猫がいつもと違う飼い主の様子に対して警戒する初期行動で、「ごめんなさい」や「悪かった」という反省や罪悪感ではありません。

猫の脳には、社会的な規範を守ることや善悪を線引きして判断する領域があまり発達していません。つまり、猫は客観的な視点から自分の行動を省みることがないのです。そのため、過去の自分の行動を振り返って、自らの行為を判断することがありません。

ただ、生存機能として、狩りなどで失敗した手法の修正はとても得意です。同時に記憶と感情が結びつく仕組みはありますが、恐怖や快楽といった直接的な刺激に限定されます。

もし、お説教しているときに申し訳なさそうな顔をしているときは、自分の行いではなく目の前の飼い主さんに対して『怖い』『嫌だな』という困惑や不快感を表しているのです。

2.悪意や復讐心

猫を叱った後などに問題行動があると仕返しのようにも感じますが、猫にはやり返すという複雑な思考はなく、たいていは環境や体調の悪化など、出来事と関係のない別の原因があるものです。

復讐には、自分が受けた苦痛と同等か、それ以上の苦痛を相手に与え、精神的にスッキリしようとする意地悪な思考があります。

一方、猫の行動はその時の「快・不快」か「生存への利点」に基づいています。猫が特定の相手と嫌な出来事を結びつけて記憶するときは、恨みではなく、危険を回避して身を守るためだけなのです。

とはいえ、猫同士の争いなどで、攻撃してきた相手に対して攻撃することがあります。これは復讐というよりも、自分の安全のために追い払おうとしているだけなのです。安全が確保されるなら、きっと猫はその場で毛づくろいを始めるでしょう。情緒的な執着が猫にはないのです。

3.ヤキモチ

長い間、単独生活で進化してきた猫にとって、生きるための資源は、自分だけか親密な限られた関係だけで確保するもの。そして、それができる環境を安全と判断します。そのため、自分の資源を誰かが利用することは、縄張りを脅かされるのと同じように不安を覚えます。

多頭飼いの家庭で、ほかの猫などを可愛がっている時に割り込んでくることがありますが、猫は食事や安全な場所を提供する飼い主を大切な「自分の資源」だと感じていて、それをほかの猫から守りたくて割り込んでくるのです。

人間でいう「ヤキモチ」とは、他者と比較して僻みの気持ちを持つことですが、猫は人間のように「あのコの方が大事にされているのでは」と僻むことはありません。そもそも相手の心のうちを計算することがないのです。いつでも猫は自分の縄張りを大事にしているだけなのです。

愛猫の行動を誤解せず正しく向き合うために

そっぽを向く猫

ここまでで、猫は人間のような複雑な感情を持っていないことがわかりました。私たちは自分たちの感情のバリエーションの多さを理解しているせいで、逆に猫の行動を見て一方的に猫の気持ちをあてはめてしまうことがあります。

人に不都合な行動や、同居猫と取り合いをするのを見て、感情的に叱ったり、クドクドお説教したところで猫には一向に伝わりません。それどころか「飼い主が急に攻撃的になった」という不安感だけが残ります。猫は過去の行為と「今」の結びつきをしないからです。

猫の行動には、必ず「本能」や「環境」に関する理由があります。中には、病気が原因のこともあります。猫の気持ちを裏読みして人間らしい感情に置き換えて見るのではなく、猫の行動は生存本能や環境反応に基づいているのだと考えましょう。

これは決して原始的という意味ではなく、猫は必要最低限のエネルギーで、最も効率的に生きる知性があるからなのです。

まとめ

半ギレする猫

猫と一緒に暮らしていると、どうしても擬人化してしまうことがありますが、実際には過去を悔やんだり、ほかの個体を陥れようと企てるような感情を持っていないことがわかります。猫は昨日の失敗に沈んだり、明日のために誰かを欺いたりすることはないのです。

人間が抱くような感情がないことは、裏表や打算のない証拠です。そんな猫の仕草を人間の感覚で誤解して怒りや失望をぶつけてしまうのは、人間側の一方的な押し付けに等しいでしょう。

猫のルールをよく理解して向き合うことは、動物を飼育する上で重要なことのひとつです。猫の気持ちを擬人化して感情を揺さぶられるのではなく、猫も人も気持ちよく過ごせる環境づくりを目指していきましょう。

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