猫の『後ろ足が麻痺』したときに考えられる病気3選 命に関わるリスクから取るべき対処法まで解説

猫の『後ろ足が麻痺』したときに考えられる病気3選 命に関わるリスクから取るべき対処法まで解説

麻痺とは完全に力が入らなく動かない状態を言います。猫の後ろ足が急にこの様な状態になった場合、命に関わる危険な病気が隠れている事があります。この記事では猫の後ろ足が麻痺した時に考えられる原因と対処法についてご紹介します。

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記事の監修

日本では獣医師。世界では旅人。”旅する獣医師”として世界各国を巡り、海外で見てきた”動物と人との共生の様子”を、執筆や写真展を通して皆さんと共有する活動をしています。

︎後ろ足が麻痺している時に考えられる病気 

猫の足

1.動脈血栓塞栓症

猫の後ろ足が麻痺した時の中でも最も緊急性が高いのが、心筋症が原因で起こる麻痺です。

心筋症の中でも肥大型心筋症は猫に多く、心臓の筋肉が異常に分厚くなる事で、心臓の血流を運ぶポンプ機能が低下する病気です。

心筋症は、うまく運べなくなった血液が心臓の中で血栓を作ってしまう事があり、これが猫の後肢の付け根部分の細い血管に詰まると、猫は突然激しい痛みと共に片方または両後肢の麻痺から立てなくなり、これを動脈血栓塞栓症と言います。

動脈血栓塞栓症では、突然の激しい痛みから猫がパニックになり暴れ回ったり、大きな声で鳴き叫ぶ事もあります。そして、麻痺が起きた足を触ると非常に痛がり、麻痺が起きた足は血流が遮断されるため肉球が紫色になります。

動脈血栓塞栓症は、激しい痛みと後肢麻痺の後に突然死する事もあるとても危険な状態です。この様な症状が見られた場合には、様子を見ずに緊急で動物病院へ行きましょう。

2.椎間板ヘルニア

猫の後ろ足が麻痺している時に考えられる病気として椎間板ヘルニアがあります。

椎間板とは、脊椎と脊椎(背骨)との間にあり骨同士がぶつからないようにクッションの役割をしている大切な組織です。その椎間板がなんらかの急激な衝撃、または慢性的な負荷がかかる事によって、神経の束である脊髄側に飛び出してしまう状態を椎間板ヘルニアと言います。

椎間板ヘルニアは、飛び出した椎間板が首から腰までのどの位置にあるかによって症状の出る場所が変わります。猫では比較的腰にある椎間板が飛び出すことが多く、腰椎の椎間板がヘルニアを起こすと、後ろ足の麻痺やふらつきが見られることがあります。

3.脊髄損傷

交通事故や高い場所からの転落など大きな怪我をした際に脊髄が損傷されることによって起こります。怪我をした際に受けたダメージの大きさによって麻痺の具合は変化します。

軽度の場合には歩きにくさやふらつき程度で済みますが、中度〜重度の場合には後ろ足の麻痺や排尿ができなくなる場合があります。

︎緊急を要するサインと対処法

聴診される猫

猫の後ろ足が麻痺している時には基本的には全ての場合で緊急性が非常に高く、すぐに動物病院を受診する必要があります。

その中でも肥大型心筋症が原因で起こる動脈血栓塞栓症は、命に関わる危険な病気です。

猫がなんの前触れもなく急に鳴き叫び部屋の中を駆け回るような様子が見られたり、留守にしている間に部屋の中を駆け回って荒らされたような様子と後ろ足の麻痺が同時にある場合にはこの病気の可能性があります。

また、動脈血栓塞栓症では後ろ足への血流が遮断されるため後ろ足の肉球を触ると冷たく、肉球の色が青紫などいつもより悪くなっていることがサインです。この症状が見られた場合には様子を見ずに緊急で動物病院を受診しましょう。

椎間板ヘルニアや脊髄損傷の場合は、重症度によっては排尿障害が起こる可能性があります。
猫の場合、尿が出ないと二次的に腎臓や泌尿器の疾患になりやすいため、尿が出ていない場合も気づいた時点ですぐに動物病院を受診しましょう。

︎まとめ

キャリーバッグに入る猫

猫の後ろ足の麻痺は年齢による筋力の低下などと間違われ放置してしまう飼い主さんもいますが、実際には危険な病気が隠れている場合があります。

特にその前までは普通に歩けていたのに、急に麻痺や痛みが見られた場合には夜間などであっても緊急で動物病院を受診する必要があります。

激しい痛みを伴う事から猫がパニックになって飼い主さんを噛んでしまう事も多いため、怪我をしないように注意しながら、キャリーケースなどに入れて動物病院に運ぶようにしましょう。

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