猫の『てんかん発作』が起きたときに表れる症状5つ 発症する原因から取るべき対処法まで解説

猫の『てんかん発作』が起きたときに表れる症状5つ 発症する原因から取るべき対処法まで解説

愛猫が突然倒れ、けいれんを起こす——そんな光景を目の当たりにしたら、飼い主さんはパニックになってしまうでしょう。猫のてんかん発作は、脳の異常な電気活動によって引き起こされる神経疾患で、その発作は突然起こるため、正しい知識を持っておくことが非常に重要です。そこで今回は、猫のてんかん発作で表れる症状・原因・対処法について詳しく解説します。

SupervisorImage

記事の監修

日本獣医生命科学大学卒業。北海道の大学病院で獣医師として勤務。一般診療をメインに行いながら、大学にて麻酔の研究も並行して行う。「動物と飼い主さんに寄り添った治療」を目標に掲げ、日々診療に励んでいます。

猫の『てんかん発作』の症状5つ

遠くを見つめる猫

さまざまな症状が現れます。発作の種類や重症度によって症状は異なりますが、代表的なものを5つご紹介します。

1.けいれん・硬直

全身または一部の筋肉が激しくけいれんしたり、体が硬直したりします。

最も典型的なてんかん発作の症状で、四肢がバタバタと動く「間代性発作」や、全身が硬くなる「強直性発作」などがあります。

2.意識の消失

発作中、猫は意識を失ったり、呼びかけても反応しなくなります。飼い主が声をかけても目の焦点が合わず、コミュニケーションはとれません。

3.よだれ・口の泡

発作中に口から大量のよだれが出たり、泡を吹いたりします。てんかんではよく見られる症状です。

4.失禁(尿・便)

てんかん発作中は膀胱や腸の括約筋のコントロールが失われ、おしっこやうんちをしてしまうことがあります。猫自身の意思とは無関係に起こる症状です。

5.発作後の異常行動(発作後期)

発作が終わった直後も、しばらくの間はぼんやりとしたり、ふらついたり、壁にぶつかるなどの異常行動が見られることがあります。

この状態を「回復期」と呼び、数分から数時間続く場合があります。

猫のてんかん発作の原因は?

はてなのつみき

てんかん発作の原因は大きく「特発性てんかん」と「構造的てんかん」の2種類に分けられます。

特発性てんかん

脳そのものに構造的な異常がなく、遺伝的な要因や原因不明で発症するてんかんです。犬に比べると猫では比較的少ないとされていますが、若い猫に見られることがあります。

構造性てんかん

何らかの基礎疾患や外的要因が原因で発作が引き起こされるタイプです。主な原因としては、以下のようなものがあります。

  • 脳腫瘍
  • 頭部への外傷
  • 感染症
  • 代謝異常
  • 中毒
  • 水頭症

特に中高齢の猫や基礎疾患を持つ猫は、構造性てんかんのリスクが高まります。発作が起きた場合は、原因を特定するために診察・検査が必要です。

猫のてんかん発作の対処法は?

木の机の上で横たわる猫

発作中の対処法

  • 冷静を保ち、猫の安全を確保する

発作中の猫は無意識に動き回るため、ぶつかりそうな家具や危険なものを遠ざけ、安全なスペースを確保してください。

  • 猫を無理に抑えない

けいれん中の猫を無理に押さえつけると、猫が興奮してパニックになったり、誤って噛まれてけがをしたりすることがあります。発作中の猫には手を出してはいけません。

  • 口の中に手を入れない

「舌を飲み込む」という心配から口の中に手を入れてしまう方がいますが、猫はてんかん発作中に舌を飲み込むことはありません。

口に手を入れると噛まれる危険があるため、絶対にやめましょう。

  • 発作の時間と様子を記録する

可能であればスマートフォンで動画を撮影するか、発作が始まった時刻と終わった時刻をメモしておきましょう。獣医師への診察時に非常に役立ちます。

  • 5分以上続く場合や連続して発作が起きる場合はすぐに病院へ

通常のてんかん発作は数秒〜2分程度で収まります。

5分以上続く発作や、短時間に複数回発作が繰り返される場合は命に関わる危険があるため、すぐに動物病院へ連絡してください。

発作後の対処法

発作が収まったら、猫を静かで暗い場所に移し、落ち着けるようにしてあげましょう。

発作後はぼんやりして不安定な状態のことが多いため、無理に抱っこしたりせず、そっと見守ることが大切です。

初めて発作を確認した場合は、症状が軽くても必ず獣医師に相談してください。

まとめ

動物病院で診察される猫

猫のてんかん発作は、突然起こるため飼い主さんが動揺してしまうのは当然のことです。しかし、正しい知識と冷静な対応が猫の命を守ることにつながります。

それでは今回の記事のポイントを振り返ってみましょう。

  • 症状は多様で全身の痙攣だけでなく、体の一部が動く焦点発作や奇妙な行動として現れることもある。
  • 原因は脳に異常がない「特発性てんかん」と、脳腫瘍・感染症・中毒などが原因の「構造性てんかん」に大別される
  • 発作中は猫を無理に抑えず、安全な環境を確保しながら発作の様子と時間を記録することが重要
  • 5分以上続く発作や連続する発作は緊急事態として即座に動物病院へ連絡する
  • 初めて発作を確認したら、軽症でも必ず獣医師に相談する

てんかんは適切な治療を続けることで症状をコントロールできるケースも多いため、諦めずに愛猫と向き合っていく姿勢が求められます。

スポンサーリンク