1.チューリップ

春を代表する花といえばチューリップ。3〜5月に花を咲かせるユリ科の植物で、猫にとって毒性の強い植物のひとつです。チューリップには「ツリパリンA」と「ツリパリンB」 という有害成分が含まれており、特に球根に多く含まれています。
猫が誤って口にすると、以下のような中毒症状があらわれます。
- 胃腸炎
- 重度の流涎(よだれ)
- 吐き気・頻回の嘔吐
- 下痢
- 呼吸困難
- 沈うつ
食べたことに気づいてすぐに受診しても、手遅れになるケースも考えられます。また、一命をとりとめたとしても、慢性腎臓病などの重い後遺症が残ることがあります。
2.スズラン

5〜6月に可憐な花を咲かせるスズランですが、猫にとっては危険な植物として知られています。強心配糖体の「コンバラトキシン」や「コンバラマリン」「コンバロシド」が含まれており、命に関わる場合があります。
猫がスズランを誤飲した場合、数時間以内に以下のような症状があらわれます。
- 吐き気・嘔吐
- 下痢
- 腹痛
- ふらつき
- 不整脈
- けいれん
- 錯乱
スズランの有害成分は水溶性のため、花を活けていた水にも毒が溶け出します。猫が誤って飲まないよう注意が必要です。
万が一スズランを口にしてしまったときは、様子を見ずに早急に動物病院を受診してください。
3.スイセン

冬から初春にかけて見られることの多いスイセン。種類によって咲く時期は若干異なりますが、3〜4月ごろに多く見られます。スイセンにはリコリンやガランタミンをはじめとするアルカロイド系の毒が全草に含まれており、特に球根に強い毒性があります。
猫が口にした際に見られる可能性のある主な症状は以下のとおりです。
- 激しい嘔吐や下痢
- 胃腸炎
- 重度の流涎(よだれ)
- けいれん
- 低血圧
- 不整脈
- 心不全
- 昏睡
大量に摂取すると神経系へのダメージや昏睡などの症状があらわれ、死に至るリスクがあります。また、消化器系へのダメージが深刻な場合、脱水症状から衰弱することもあるでしょう。
4.ツツジ

公園や道端でよく見かけるツツジも、猫にとっては有毒な植物です。晩春に見ごろを迎えるツツジには、ツツジ科特有の有毒成分「グラヤノトキシン類」が含まれており、特に葉と花蜜が危険だとされています。
ツツジを誤って口にした際には、以下のような症状があらわれます。
- 重度の流涎(よだれ)
- 吐き気・嘔吐
- 下痢
- 呼吸困難
- 視覚障害
- けいれん
- 筋力低下
- 中枢神経の異常
重症化すると視覚障害やけいれん、筋力の低下が起こります。また、運動機能に問題が見られたり、ふらつきがあったりする場合は、迅速な治療が必要です。すぐに、動物病院を受診しましょう。
5.ラナンキュラス

幾重にも重なる花弁が特徴的なラナンキュラス。生け花としても人気があり、3月〜5月に美しい花を咲かせます。ラナンキュラスには、茎を折るなど植物の組織が傷ついたとき放出される「ラヌンクリン」という毒性物質が含まれており、触れるだけでもリスクがあります。
猫が誤って口にすると以下のような中毒症状があらわれる可能性があります。
- 口腔内の痛み
- 口内の水疱・腫れ
- 重度の流涎(よだれ)
- 吐血
- 下痢
症状は、口内の刺激やよだれの増加からはじまり、重症化すると命を落とす可能性があります。また、皮膚に触れるだけでも炎症を起こすことがあるため、猫がいる場所に置くのはおすすめしません。
まとめ

春は気候も穏やかで、美しい花が咲きはじめる季節です。しかし、猫にとっては楽しいことばかりではありません。命に関わる危険な花が増える季節でもあります。
今回は、猫の命を奪う可能性がある、特に注意が必要な花を紹介しましたが、ほかにもアネモネやフクジュソウ、ルピナスなど、中毒を引き起こす花は多数存在しています。
危険な花の誤飲が疑われる場合は、症状が出てからでは手遅れになることもあります。
好奇心旺盛な猫にとって植物はおもちゃとして認識され、口にしてしまう可能性も高いです。どの部位を、いつ、どの程度口にしたのかを確認し、速やかに動物病院を受診しましょう。