猫がなりやすい『膀胱炎』とは?発症する原因や主な症状、予防法を解説

猫がなりやすい『膀胱炎』とは?発症する原因や主な症状、予防法を解説

猫と暮らす飼い主さんが、一度は心配する猫の泌尿器のトラブル。その中でも「膀胱炎」は比較的よく見られる病気のひとつです。猫の膀胱炎は激しい痛みを伴い、場合によっては命に関わることもあります。そこで今回は猫の膀胱炎がどのような病気なのか、原因や症状、そして予防法について解説いたします。

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記事の監修

2009年麻布大学獣医学部獣医学科を卒業。
2015年から横浜市内で妻と動物病院を営み、犬、猫、エキゾチックアニマルの診療を行なっています。
2024年現在、犬10頭、猫3頭、多数の爬虫類と暮らしています。
愛犬家、愛猫家として飼い主様に寄り添った診療を心がけています。
内科(循環器、内分泌など)、歯科、産科に力を入れています。

猫の膀胱炎とは?

用を足す猫

膀胱炎とは、文字通り膀胱に炎症が起こる病気です。「下部尿路疾患(FLUTD)」の一つとして分類されています。

膀胱は尿を一時的に貯蔵する臓器であり、この臓器が炎症を起こすと、猫にとって非常に不快な状態となるだけでなく、強い痛みを生じます。

そして膀胱炎には細菌感染によるものと、特発性(原因不明)のものがあり、猫の場合は特発性膀胱炎が全体の約50~60%を占めると言われています。

猫の膀胱炎の原因は?

虫眼鏡ではてなを見る

猫の膀胱炎が発症する原因は多岐にわたります。

細菌によるもの

まずひとつ目に「細菌性膀胱炎」です。これは尿道から細菌が侵入し、膀胱内で感染を起こすことで炎症が起きるタイプです。

黄色ブドウ球菌や大腸菌などが関与することが多いとされていますが、猫では犬に比べ発生頻度はやや低い傾向にあります。

結石によるもの

二つ目は「結石・結晶による膀胱炎」です。尿の中に結晶や結石が形成されると、その物理的刺激によって膀胱の粘膜が傷つき、炎症が起きやすくなります。

尿のpHバランスや水分不足などが結石形成の主な要因です。

原因不明

そして三つ目が「原因不明」いわゆる特発性膀胱炎というものです。

これは細菌感染や結石が見つからないにも関わらず、膀胱に炎症が起きる状態で、猫で最も多いタイプとされています。

原因は不明であるものの多くはストレスや環境の変化、生活習慣の影響とも考えられており、具体的には引っ越しや多頭飼育、環境の変化、不衛生なトイレ環境が誘因になることがあります。

猫の膀胱炎の症状は?

猫砂の塊

猫の膀胱炎には特徴的な症状がいくつかありますが、分かりやすいサインは「頻尿」です。
トイレに行く回数が明らかに増え、一度の尿量が少なくなったり、また排尿時に痛みを伴うため、鳴き声を上げることもあります。

膀胱炎は重症化すると完全に尿が出なくなる「尿道閉塞」に至る場合もあるので、注意が必要です(オス猫)。

その他の症状としては、

  • トイレ以外の場所で粗相をする
  • 陰部を頻繁に舐める
  • 食欲不振や元気消失
  • 尿の臭いがきつくなる
  • 排尿姿勢をとるが出ない

など

早期発見のためにも、猫の排泄状況を日常的に観察しましょう。可能であれば1日2回以上トイレチェックを行い、尿の量や色、臭いの変化に注意してみてくださいね。

とくに冬場は水分摂取量が減りやすいため、より注意深く観察が必要です。

猫の膀胱炎の予防法は?

水を飲む猫

水分摂取を促す

猫の膀胱炎を予防するには、まず「水分摂取」を促すことが非常に重要です。

具体的には、

  • 水飲み場を複数箇所に設置
  • 水はできるだけこまめに新鮮な水に変えてあげる
  • (水分を全くとらない子なら)ウェットフードを取り入れる
  • 水分補給タイプのおやつを与える

など

ストレス管理

特発性膀胱炎のリスクを少しでも下げるために、ストレス管理も徹底しましょう。

猫のプライベート空間、運動ができる空間を用意し、さらに毎日コミュニケーションをとるのもよいストレス解消法です。

また猫はトイレの状態にとても厳しい動物なので、できる限りキレイな状態を維持しましょう。

まとめ

猫と遊ぶ少年

猫の膀胱炎は決して珍しい病気ではありませんが、罹患すると強い痛みとストレスを伴う辛い病気です。では、猫の膀胱炎のポイントを振り返りましょう。

  • 原因は複雑:「細菌」だけでなく「ストレス」や「結石」も原因のひとつ。特に猫はストレス性の「特発性膀胱炎」が多い。
  • SOSを見逃さない: 頻尿、血尿、トイレ以外での粗相は、猫からの「助けて」のサイン。おしっこが出ない「尿道閉塞」は、数時間単位で命に関わる緊急事態。すぐに病院へ。
  • 予防は水とトイレから: 飲水量を増やし、常に清潔で快適なトイレ環境を用意する。ストレスフリーな環境を整える。

膀胱炎は「飼い主の観察力」と「環境づくり」で発症リスクを下げ、再発予防も期待できます。

「今日のおしっこ(猫砂)の塊、いつもより小さいかな?」「最近トイレに行く回数が多いかな?」といった日々の小さな気づきが、愛猫の健康を守るのです。

もし少しでも不安を感じたら、自己判断で様子を見ずに、早めに獣医師に相談しましょう。早め早めの対応が、愛猫を苦痛からいち早く解放することに繋がります。

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