猫の『歯磨きをサボる』と起こりうるリスク3つ 習慣にすべき理由や嫌がるときの対処法

猫の『歯磨きをサボる』と起こりうるリスク3つ 習慣にすべき理由や嫌がるときの対処法

「猫に歯磨きなんて必要?」そう感じている飼い主さんは少なくありません。嫌がる姿を見ると、つい後回しにしてしまうこともあるでしょう。ところが、歯磨きをサボったことで起こる影響は、お口の中だけにとどまらないのです。食欲が落ちたり、体の別の部分に負担がかかったりと、静かに進行するリスクもあります。この記事では、歯磨きをしないことで起こりうる問題や続ける意味、無理なく始められるコツを紹介します。

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記事の監修

2009年麻布大学獣医学部獣医学科を卒業。
2015年から横浜市内で妻と動物病院を営み、犬、猫、エキゾチックアニマルの診療を行なっています。
2024年現在、犬10頭、猫3頭、多数の爬虫類と暮らしています。
愛犬家、愛猫家として飼い主様に寄り添った診療を心がけています。
内科(循環器、内分泌など)、歯科、産科に力を入れています。

猫の『歯磨きをサボる』と起こりうるリスクとは?

口を開ける猫

1.「歯周病」になりやすい

猫の歯磨きを怠ると、最も起こりやすいのが歯周病です。

歯の表面についた歯垢は、数日で石のように硬い歯石へ変わります。歯石は歯ブラシでは取れず、歯ぐきに炎症も起こすのです。

歯周病は見た目だけでは気づきにくく、口の中では静かに進行します。痛みが出る頃には、かなり悪化しているケースが多いです。

2.強い痛みや食欲低下を招くリスク

歯の痛みは、猫にとって相当なストレスになります。カリカリを残す、片側だけで噛む、食事に時間がかかるなどの変化が見られることもあります。

猫は不調を隠す生き物なので、飼い主さんが気づいたときには食事自体が苦痛になっている場合も少なくありません。

歯磨きは、こうした愛猫の「見えない我慢」を防ぐ役割も担っています。

3.口のトラブルが全身の病気につながる

歯周病が進むと、細菌が血管に入り込み、体のあちこちへ影響を及ぼすと言われています。

心臓や腎臓に負担がかかることもあり、高齢猫では特に注意が必要です。

「お口の問題なのに、なぜ?」と感じるかもしれません。これは、ばい菌が血液の流れに乗るためで、小さな傷口から菌が入り、全身に巡るイメージです。

猫が歯磨きを嫌がるときの上手な対処法

猫 歯磨き 歯磨きジェル

警戒心の強い猫が歯磨きを嫌がるのは、とても自然なことです。いきなり見慣れない歯ブラシを口に入れられたら、びっくりしてしまうのも無理ありません。

大切なのは「磨くこと」より「慣れること」を優先する姿勢です。

猫の歯磨きグッズには、指サック型の歯ブラシやガーゼタイプもあります。

最初は口元にそっと触れる、指にガーゼやシートを巻いて歯に軽く当てるだけでも十分なスタートになります。

慣れてきたら、歯磨きペーストの匂いを嗅がせる、前歯だけ触るなど段階を細かく区切りましょう。

時間は10秒ほどで構いません。短く終わる体験を重ねることで、「すぐ終わるから嫌な時間ではない」と認識しやすくなります。

終わった後に褒めたり、ご褒美を用意したりするのも効果的です。完璧を目指さず、できた日を成功と考えることが、長く続けるコツになります。

まとめ

猫の歯磨き

猫の歯磨きは「できたら理想」ではなく、健康を守るための大切な習慣です。

サボってしまうと歯周病が進み、痛みや食欲低下だけでなく、心臓や腎臓など全身への影響も起こりかねません。

怖い話に感じるかもしれませんが、毎日きっちり磨く必要はありません。ガーゼで触れる、口元に慣れさせるなど、最初は小さな一歩からスタートしましょう。

歯磨きは、猫を縛る行為ではなく、健康を守る思いやりです。将来の治療や苦痛を減らすためにも、少しずつ始めていきたいですね。

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