1.ヘッドプレッシング

猫が壁や家具などの固いものに頭を付けてじっとしている状態のことを、「ヘッドプレッシング」といいます。寝ているようにも見えますが、実は体調不良のサイン。とくに、脳神経への感染症や脳腫瘍などの疾患が疑われます。
この行動は、脳のトラブルの影響で痛みを感じていることから現れるようです。痛みを紛らわすために、硬いものに頭を押し付けているのです。人間でいうと、頭痛がひどくて手で頭を抑えているといった状態でしょう。
ヘッドプレッシングは、しばしば「ごめん寝」と間違われることもあります。ごめん寝は頭を抱え込むようにして眠る体勢のこと。その違いを見分けることが難しい場合もあるため、他のサインと合わせて判断することが大切です。
2.異常行動

ヘッドプレッシングの他に、さまざまな異常行動として脳のトラブルの可能性が示されることもあります。例えば、脳腫瘍を患った場合、性格や行動パターンに変化が見られるケースも。
大人しかった猫が急に噛みついてきたり、やんちゃだった猫が怖がりになったり…。これらの異常行動は、大きくなった腫瘍が脳や神経を圧迫するために引き起こされるといわれています。認知症の症状とも似ていますが、脳のトラブルの場合はさらに急を要することとなります。
また、中には食欲の増減が見られたり、おもらしをしてしまうこともあるようです。普段と違う声で鳴く、毛づくろいをしなくなった、などの行動の変化がある場合は、注意してみてください。
もちろん脳や神経の病気以外にもみられる場合があるので、少しでも気になった場合は様子見をせず病院に相談しましょう。
3.旋回行動

旋回行動とは、同じ動作を無意味に何度も繰り返すことです。同じところをグルグル回ったり、フラフラとおぼつかない足取りで歩き回ったりします。猫がこのような行動をしている場合、前庭疾患や脳腫瘍などの影響が考えられるでしょう。
このときの猫の脳は、正常な働きをしていません。首が安定せずに頭を振ったり、変な方向に傾いたり、目の動きがおかしくなることもあります。
旋回行動は認知症を患うシニア猫にも見られることがあります。愛猫に旋回行動が見られたときは動物病院に相談しましょう。
4.発作や失明

脳のトラブルを起こすと、いわゆる「発作」が起こることもあります。発作には色々な種類がありますが、全身が硬直してしまう「全般発作」と、一部だけが痙攣する「焦点性発作」が一般的です。
全般発作の場合は、突然倒れて震えたり、泳ぐような仕草を見せることもあります。痙攣性の発作でない場合は、急に脱力したような形で倒れることもあるようです。焦点性発作の場合は、よだれが出たり毛が逆立つなどの部分的な異常が見られます。
また、脳に炎症や腫瘍がある場合、目に異常が現れることもあります。黒目がはっきり定まらない、ゆらゆらと動いているなどの症状が見られるときは要注意。脳疾患が隠れているかもしれません。
まとめ

ヘッドプレッシングとは、壁や家具などに頭を押し付ける行動のことです。反省しているようで可愛らしく思えますが、脳の異常が潜んでいるケースもあります。
突然性格が変わったり、おかしな行動をしている場合は、重大な病気のサインかもしれません。麻痺や激しい発作などの症状が見られたときは、一刻を争う危険な状態に陥っている可能性も…。
緊急性が高い症状になりますので、すぐに動物病院に連れて行くようにしましょう。なお、異常行動や発作を起こしたときの様子を動画に撮っておくと、診察がスムーズに進む可能性が高くなります。