猫はなぜお風呂上がりが苦手?乾かすのが大変な理由とは

お風呂が終わった後、「ここからが本番…!」と感じる飼い主さんも多いのではないでしょうか。猫にとって乾かされる時間は、濡れること以上にストレスになることもあります。
まずはその理由を知ることで、どう工夫すればいいのかが見えてくるかもしれません。
被毛が密集していて乾きにくい
多くの猫の被毛は二重構造になっており、表面のオーバーコート(上毛)と、内側のアンダーコート(下毛)で構成されています。
特にアンダーコートは密度が高く、湿気を含みやすいため、表面が乾いて見えても中はびっしょりということも。乾かし残しによって皮膚トラブルが引き起こされることもあるので、しっかり乾かすことが重要です。
音・振動・温風に敏感
猫は五感が鋭く、特に音や風に敏感な生き物です。ドライヤーの「ゴーッ」という音や、風が顔に当たる刺激に驚いて、逃げようとしたり、パニックを起こしたりしてしまう子も少なくありません。
無理に押さえつけて乾かそうとすると、逆に乾かすこと自体が“恐怖体験”として記憶されてしまいます。
お風呂上がりの猫をうまく乾かす3つの方法と手順

猫を濡れたまま放置すると冷えたり、体調を崩す原因になることもあります。でも「早く乾かしたい!」と焦るほど、猫にとってはイヤな時間に…。そこで、猫に負担をかけず、しかも手早く仕上げるための3つの基本ステップをご紹介します。
1.タオルドライは“吸水性重視”で手早く
乾かしの第一歩は、タオルで水気を取ることです。ここでしっかり水分を取ると、その後のドライヤー時間がぐんと短くなります。吸水性に優れたマイクロファイバータオルがおすすめ。
毛の流れに沿ってやさしく、そして手早く。猫がリラックスしているうちに8割程度の水気を取るのが目標です。
2.ドライヤーは弱風&静音設計で徐々に慣らす
タオルドライの後は、いよいよドライヤー。しかし、いきなり温風を当てるのではなく、まずは離れた場所から「風の音」や「振動」に慣れさせることが大切です。
ドライヤーは静音タイプを選び、弱風モードで使用するのが基本。風を直接当てず、手に一度風を当てて温度を確認しながら、徐々に距離を縮めていきます。
3.ドライルームやヒーター活用も選択肢に
どうしてもドライヤーを嫌がる猫には、別の選択肢も。たとえば、猫用のドライルーム(乾燥ボックス)や、冬場であれば遠赤外線ヒーターを使って「触れずに乾かす」方法もあります。
ケージの中にタオルを敷いて、ぬくもりのある空間で自然乾燥を促すのも、猫にとってはストレスが少ない手段です。ただしいずれの方法でも、被毛の根元まで乾いているかコームやブラシなどでとかしながら確認してあげてくださいね。
まとめ

お風呂上がりの猫を乾かすのは、飼い主にとっても猫にとっても気を使う時間。でも、正しい手順とちょっとした工夫で、ぐっとスムーズに、そして快適に過ごせるようになります。
吸水力の高いタオル選び、静かなドライヤーの使い方、そしてなにより“猫の気持ちに寄り添うこと”が大切。乾かす時間も、愛猫との信頼を深める貴重なコミュニケーションのひとときにしていきましょう。