ペットロスの方に寄り添うために

大切な家族を失った人にかける言葉は、とても難しく繊細です。ペットロスは、周囲から理解されづらいこともあり、言葉ひとつで深く傷つくことがあります。
元気を出してもらおうと、良かれと思った言葉が、相手の心に届かないどころか逆効果になることも少なくありません。
少しでも相手の気持ちに寄り添えるように、以下のような「5つの禁句」に注意して接しましょう。
『ペットロス』の人に、絶対言ってはいけない5つの禁句

1. 「もう泣かないで」
励ましのつもりでも、涙を否定するのは避けたい言葉です。泣くことは自然な感情であり、心の整理に必要なプロセスでもあります。
泣くことを我慢させるのではなく、「たくさん泣いていいんだよ」「泣きたいだけ泣こう」と寄り添う姿勢が、癒しにつながり、少しずつ気持ちの整理ができてきます。
2.「気持ち分かるよ、うちも前に…」
共感を示そうとして自分の体験を語るのも要注意な言葉です。
相手が求めているのは「自分の気持ちをわかってほしい」という共感であって、「同じ経験をした自分の話」ではありません。
まだお別れをして間もないため、人の言葉に耳を傾けられないときでもあります。寄り添う側は、じっと耳を傾け、相手の話を受け止めることが大切です。
3.「また新しい子を迎えればいいよ」
これはよく言われがちな言葉ですが、亡くなった愛猫の存在を「代わりがきくもの」と受け取られてしまうため、気をつけなければいけない言葉です。
たしかに新しい出会いはいつかあるかもしれませんが、それは喪失の痛みが癒えた後の話。今はただ、その子を失った喪失感と思い出と向き合っていたい最中です。無理に前を向かせようとせず、悲しみを受け止めてあげましょう。
4.「ペット(猫)でよかったね」
意図はなくても、命に優劣をつけるような言葉は禁物です。猫もかけがえのない家族であり、ペットを「動物」としてしか見ていないと伝わってしまいます。
ペットと飼い主の絆は、想像以上に深いものです。その存在の大きさを尊重する言葉が求められます。
5.「いつまでも落ち込んでたらダメだよ」
立ち直ってほしい気持ちがあっても、悲しみには人それぞれのペースがあります。「いつまでも」という言葉は、今の自分を否定されたように感じさせてしまう可能性があります。
ペットロスから立ち直る時間は、人それぞれです。「時間がかかってもいいよ」という思いを込めて、「無理しないでね」と伝えるだけでも心が救われます。
まとめ

ペットロスの方に寄り添うとき、気の利いた言葉より「そばにいること」のほうが、ずっと心に響くことがあります。
大切なのは「何を言うか」より「どう寄り添うか」。言葉に迷ったときは、ただ静かに話を聞いてあげることが、最もやさしい行動かもしれません。
相手の悲しみを尊重し、心からの共感をもって接することで少しずつペットロスで苦しむ方の心の支えとなるでしょう。