基本の「ゴロゴロ音」を把握しておく

猫のゴロゴロ音といっても、猫によって音はさまざま。小さい音の猫もいれば、離れていても聞こえるくらい大きな音を出す猫もいます。また、音の高さやテンポなども少なからず個体差があるでしょう。
猫のゴロゴロ音の意味を判断するためには、通常の「ゴロゴロ音」を把握しておくことが重要です。愛猫がリラックスしているときに出すゴロゴロ音をよく聞き、それを「中低音」として認識しておきましょう。
異変のサインとなるゴロゴロ音は、いつもの「ゴロゴロ」と比較して見極めます。
低音でうずくまっている

愛猫が部屋の隅や家具の奥などで身を隠しながらゴロゴロ音を出している場合は、体調不良の可能性があります。
猫は痛みがあるときや自分が弱っているとき、人目につかない場所に身を潜める習性があるからです。
もし、愛猫が部屋の隅や家具の下などに隠れてゴロゴロ音を出し、それがいつもよりも低音の場合は、体調不良を疑ってみましょう。またいつもと同じ場所だったとしても、苦しそうな寝姿でゴロゴロ音を出しているときは、早めに動物病院で診てもらうことをおすすめします。
威嚇をまじえたゴロゴロ音

猫はストレスを感じているときにもゴロゴロ音を出すことがあります。いつもより低くて音量の大きいゴロゴロ音は、不機嫌のサインかもしれません。
たとえば、来客時や爪切りなど、愛猫が苦手とするシーンでゴロゴロ音を出している場合、飼い主さんは「今日は嫌がらずに嬉しいの?偉いね?」と、勘違いしてしまうことがあります。
しかし、猫の本音は「これから苦手なことがあるかもしれない…」という不安でいっぱいです。そして猫は自分の気持ちを落ち着かせるためにゴロゴロ音を鳴らすのです。
ゴロゴロ音の中に「ウーッ」という低い声や「シャーッ」と威嚇の声が混ざっているときは、不機嫌や不満のサイン。愛猫の気持ちが落ち着くまでそっとしておきましょう。
まとめ

猫の「ゴロゴロ音」は人間にとって幸せホルモンである「セロトニン」や「オキシトシン」の分泌をうながすとされています。
そんな幸福感を与える「ゴロゴロ音」は、メンタル面だけでなく、骨折やケガの治癒効果も期待されており、現代では医療現場でも注目されているのです。猫のゴロゴロ音をヒントにした超音波が医療機器に活かされ、骨折治療に用いられているそうです。
今回、猫のゴロゴロ音にネガティブな意味もあることを紹介しましたが、それは猫自身が、自らを癒やし、回復のためにゴロゴロ音を活用しているといえます。そう考えると、「猫のゴロゴロ音=ネガティブな意味もある」という一見矛盾した事実にも納得できるのではないでしょうか。