猫が『しきりに頭を振る』のは危険なサイン?考えられる3つの原因

猫が『しきりに頭を振る』のは危険なサイン?考えられる3つの原因

猫がブルブルと頭を振る仕草はよく見かけると思います。しかし、普段より頭を振ることが多くなった場合、猫の体に異変が起きている可能性があります。猫がしきりに頭を振る原因をご紹介します。

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記事の監修

日本獣医生命科学大学卒業。北海道の大学病院で獣医師として勤務。一般診療をメインに行いながら、大学にて麻酔の研究も並行して行う。「動物と飼い主さんに寄り添った治療」を目標に掲げ、日々診療に励んでいます。

1.病気

耳を獣医師に診察される猫

外耳炎・中耳炎

耳の穴から鼓膜までを外耳、鼓膜よりも奥を中耳と呼びます。外耳炎や中耳炎は細菌やウイルス感染、寄生虫、アレルギー、異物などによって炎症が起こる病気です。かゆみで頭を振る仕草をすることがあります。

他には、耳垢が大量に出る、耳が臭くなる、耳をかゆがる、耳が赤く腫れるといった症状がみられます。炎症が外耳から広がり中耳炎となるケースが多いので、早めに動物病院を受診して治療を開始しましょう。

中耳炎になると、外耳炎の症状以外に、頭を傾けたり、回転して歩くようになったりすることがあります。耳の洗浄をして、点耳薬、内服薬を用いて治療します。

前庭疾患

中耳のさらに奥にあるのが内耳です。内耳には体の平衡感覚を司る前庭という器官があります。

炎症や腫瘍などで前庭に影響がでると、平衡感覚に異常が起きて頭を振ったり、首を傾けたりする症状がでてきます。原因がわからない突発性の前庭疾患の場合もあります。原因に合わせた治療を行いますが、突発性の場合は自然と治ることもあります。

脳や神経の病気

頭を振る症状以外に、首が傾く、目が揺れる、ふらふら歩くなどの症状がある場合、腫瘍ができていたり脳や神経に異常が起きていたりする可能性があります。精密検査をして原因に合わせた治療が行われます。

2.けが

耳を後ろ足でかく猫

猫同士のけんか、ものにぶつかる、猫の鋭く伸びた爪で耳をかいたなど、耳に傷ができて違和感から頭を振ることがあります。見える位置に傷ができる場合が多いですが、耳の奥に傷ができていることもあります。ひどい傷や出血している場合、頭をずっと振っている場合は動物病院を受診しましょう。

3.耳に異物が入っている

耳を拭かれる猫

異物が原因で違和感があるとしきりに頭を振るようになります。ゴミや抜け毛などが耳の中に入っているかもしれません。耳の中をチェックして、異物があったら湿らせたコットンでやさしく拭き取ります。ただ無理をしてはいけません。異物が耳の奥にあり取り除けない場合や、異物が見当たらないのに頭を振り続けている場合は動物病院を受診しましょう。

まとめ

頭を振る猫

猫がしきりに頭を振るのは、耳に違和感があるときです。耳に炎症が起きていてかゆみや痛みがあり、頭を振ることもあります。

耳の奥の平衡感覚を司る部分の異常が起きている可能性もあります。また、傷ができている、耳の中に異物があるときも違和感や痛みなどで頭を振ることがあります。猫が頭を振るなど耳を気にしている仕草をよくするようになったら、早めに動物病院を受診しましょう。

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