猫と犬が一緒のおうちは要注意!猫に『ドッグフードがよくない』な理由3選 取るべき対策も

猫と犬が一緒のおうちは要注意!猫に『ドッグフードがよくない』な理由3選 取るべき対策も

キャットフードとドッグフードはパッケージがない状態では、どちらも同じように見えるかもしれません。しかし、猫がドッグフードを食べることは、猫の健康にあまりよくありません。猫と犬がいるおうちは注意しましょう。

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記事の監修

日本獣医生命科学大学卒業。北海道の大学病院で獣医師として勤務。一般診療をメインに行いながら、大学にて麻酔の研究も並行して行う。「動物と飼い主さんに寄り添った治療」を目標に掲げ、日々診療に励んでいます。

猫にドッグフードがよくない理由

犬にフードを出す人

1.タウリンが不足する

タウリンはアミノ酸の一種で、猫は体内で合成できないため食べ物から摂る必要があります。犬は体内でタウリンを合成できるため、ドッグフードにはあまり入っていません。猫がドッグフードを食べ続けていると、タウリンを十分に摂取することができなくなってしまうのです。

タウリンが不足した猫は、拡張型心筋症という心臓の病気になる可能性があります。心臓の筋肉が薄くなりポンプ機能が低下する病気です。目立った症状がなく、急に体調が悪化し命をおとしてしまうこともあります。

タウリン不足は目の病気も引き起こします。進行性網膜萎縮症という網膜の細胞が変性・萎縮して視力を失ってしまう病気です。ものにぶつかる、音に敏感になる、目が白く濁るなどの症状がみられます。変性した網膜を回復させることはできません。

2.犬には安全でも猫には危険な成分が含まれている場合がある

ドッグフードにはプロピレングリコールという添加物が使われている場合があります。セミモイストフードなど、しっとりさせるために使われています。

プロピレングリコールは猫にとって危険な成分で、摂取すると赤血球に影響して溶血性貧血を引き起こします。食欲不振、発熱、黄疸などの症状があらわれた場合はすぐに動物病院を受診しましょう。

ちなみに、ペットフード安全法で、猫用のペットフードにはプロピレングリコールを用いてはならないと決められています。

3.栄養バランスが悪くなる

猫は肉食、犬は雑食と食性が異なり、必要な栄養バランスも異なります。三大栄養素の割合は、タンパク質は猫が35%に対し犬は25%、炭水化物は猫が45%に対し犬は60%、脂肪は猫が20%に対し犬は15%です。

さらに、猫と犬では必須アミノ酸や必須脂肪酸の種類、必要なビタミンやミネラルの量なども異なります。猫がドッグフードを食べ続けていると栄養不足となり、体調不良を引き起こすおそれがあります。

猫がドッグフードを食べないようにするには

並んで食べる猫と犬

猫には「キャットフード」を選ぶ

ペットフードのパッケージには「キャットフード」「ドッグフード」などの表示があります。原材料だけ見るとドッグフードとキャットフードで似ている部分もありますが、それぞれ適したものを与えましょう。

猫と犬を飼っている場合

食事は別々の部屋で食べさせる、食事の時間を猫と犬でずらす、置き餌にしない、食事中は飼い主さんが見ているなどします。フードの保管場所に猫が近づけないようにしておくと、勝手に食べてしまうのを防げます。

まとめ

食器に盛られたペットフード

猫にドッグフードを与え続けると、栄養不足になったり中毒を起こしたりする危険があります。猫と犬を一緒に飼育しているおうちでは、猫がドッグフードを食べないように管理することが大切です。猫がドッグフードを食べてしまったら、体調に異変がないか注意しましょう。

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