30匹の野良猫に餌を与え続けて18年

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シンガポールには有名な「猫おじさん」がいます。
Ongさん(71歳)はバスの運転手をしていますが、そのバスで国内の2つの工業地帯に毎日出かけて約30匹の猫に餌を与えています。しかもこの18年間、それをずっと続けているのです。
2023年3月にネットに投稿された記事がきっかけで、シンガポール国内で「猫おじさん」のことを知らない人はいないほど有名になりました。彼は1000シンガポールドル(約11万3千円)の月給のうち、毎月約400ドル(約4万5千円)を猫の餌のために使ってきたのです。
それでも最近になって一般の人々から寄付も寄せられるようになり、経済的にはやや楽になったようです。
豪雨の時期も続ける「餌やり」

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2025年の旧正月のあと、Ongさんは寄付をしてくれたすべての人に感謝し「みなさんのご厚意を、わたしが活動を続ける励みとして受け止めています」と話しています。
しかしこの2年間は世界的なインフレのため、猫の餌代も上昇しています。現在、毎月約500シンガポールドル(約5万7千円)もかかっているといいます。
猫たちは毎日Ongさんのバスが来るのを辛抱強く待っています。2025年1月中旬から数週間続いた雨季の豪雨の間でさえ、彼は毎日通って餌を与え続けました。
「大雨でも、猫たちは駐車されている大型車両の下でわたしを待っています。だから大型トラックの下で餌をあげるようにしています。猫たちはとても賢くて、隠れる方法を知っているんです。こちらは帽子をかぶって頭が濡れるのを防ぐしかできませんが…」と笑うOngさんです。
やさしい人々の支えを受けて

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猫への餌やりは彼にとって大きな喜びですが、「病気や事故で死んでしまった猫たちに別れを告げるのはとてもつらい」といいます。
「猫が死ぬたびに、今でも泣いてしまいます」と声を詰まらせるOngさんです。
2024年12月、カラン地区にいた猫が老衰で亡くなりました。ふだん獣医費用を寄付してくれる男性が、その猫の火葬の手配と費用負担を申し出てくれました。その人は火葬の写真をOngさんに渡し、心の区切りをつける手助けをしてくれたのです。
やさしい人々の支えを受け、今日も「猫おじさん」はバスを運転して猫たちの元へ向かいます。
出典:Uncle Ong, 71, thanks donors for paying for cat food to feed 30 cats a day over last 2 years