地震前に見られる猫の異常行動5選

人に飼われている動物の中でも、猫は特に野性味の強く残る動物です。昔から「動物は地震を予知する」といわれていますが、猫たちも地震が来る直前に異常な行動をとることが報告されています。
1.落ち着きがなくなる
地震前に一番顕著にあらわれるのが、猫の落ち着きがなくなることです。若い猫であれば、普段から活発に動いていますが、地震前の落ち着きのなさに楽しい気持ちは含まれていません。
地震という環境の変化を感じた猫は不安を感じ、部屋の中をソワソワして落ち着かずに歩き回ったりする行動としてあらわれるのです。
この行動は数日前から地震直前の数秒前まで見られることから、このことが「野生のカン」「動物が地震を察知する」ことにつながっているのでしょう。
2.飼い主のそばから離れない
飼われている猫であれば、自分の安全な場所は飼い主さんであることが多いものです。猫に地震という概念が理解できなくても、なにか嫌なことが起きるとわかると、飼い主さんのそばから離れなくなります。
もちろん、これは猫と飼い主さんの関係にもよってくるため、すべての猫で見られる行動ではありません。またふだんから甘えん坊の猫であれば、飼い主さんのほうも気づかないかもしれません。
3.怯えたり隠れたりする
家庭で飼われている猫も危険な何かがやって来ることを知れば、まずは自分の身を守ることを最優先にします。そのため、地震の揺れを感じた瞬間、安全な場所を求めて隠れるか、その場で立ちすくんで怯えてしまいます。
人間から見れば、まるで何か悪いことをしてしまったかのような猫の行動に驚きますが、実は猫が感じている恐怖は地面の下からやってきているのです。
4.逃げたがる
地震が来る前に家から脱走して逃げようとしたり、ふだん過ごしている違う場所から離れようとしたりする猫の行動は、飼い主さんの観察によってたくさん報告されています。
猫が不安を覚え、安全な場所を求めて移動したり隠れたりすることがありますが、同じように「いつもの場所はおかしい」と感じた猫が、ドアの前で外に出たがったり、いつも行かない部屋に移動したりする行動が見られることもあります。
5.やたらと鳴く
地震が起きる数日前から数時間前にかけては、いつもよりよく鳴くという報告がされています。ふだんとは異なる鳴き方をすることもあり、猫によっては威嚇するときのように低く唸ったり、執拗に飼い主に呼びかけたりすることもあります。
いつもおしゃべりな猫であれば、何も知らない飼い主さんにしたら「お腹が空いているのかな?」「退屈なのかな?」を勘違いしてしまいそうですが、もしかしたら地震の予知なのかも知れません。
そもそも猫は地震を予測できるの?

実際のところ、猫が地震を予測できるという科学的な証拠はありません。異常な行動をとる以上、「予測できているわけではない」というのが一般的な主張です。しかし、異常行動後の地震発生が多数報告されていることから、一部の機関ではネコと地震予知の研究が続けられています。
地震をモニターしていると、日本は常に揺れ動いているのではないかと思うほど、各地で小規模な地震が発生しています。その中でも人間が体感できる震度は2以上。震度2では、座って静かにしている人が揺れを感じる程度ですが、震度3になると棚や食器類がカタカタ音を立てるため、多くの人は揺れを感じられます。
地震発生時には、震源からP波という振動が地表に届きます。また、空気中の静電気量も変化します。そのため、猫は人間が揺れを感じ取れないうちから、P波や静電気などによって地震を察知し、不安を覚えるのではないかと考えられます。
ただ、実際に猫が異常行動を示しても必ず地震が起こるわけではないことや、あまりにも個体差があることなどから、一概に「猫は地震を予測する」とは言い切れず、あくまでも「地震前に猫は異常な行動をする」、あるいは「異常な行動が増えることがある」というのが現状です。
まとめ

猫が地震前に見せる行動には、不安や警戒といった本能的な反応が関係していると考えられます。しかし、それが必ずしも地震の前兆とは限らず、個体差や環境の影響も無視できません。
地震の対策は、常日頃からの備えが大切です。人間用の非常持ち出し袋の準備はもちろん、猫用の防災対策としても、フードや水、トイレセット、避難時ポータブルケージ、移動用ハーネス・リードの準備も必要です。そして、もし猫の異常行動が見られたら、さらに地震への警戒を高めておくようにしましょう。
なお、今回紹介する異常行動は、必ずしも地震の前兆特有のものではないため、環境や健康面での異常がないかもあわせて観察することが大切です。