『猫がいる空間』でやってはいけないNG行為5選 事故やストレスにつながる危険性も

『猫がいる空間』でやってはいけないNG行為5選 事故やストレスにつながる危険性も

猫を飼うまでは当たり前のようにやっていた何気ない行動も、猫と一緒に暮らす空間では危険な行為になることもあります。猫の習性や本能を理解しておかないと、思わぬトラブルを引き起こしてしまうかもしれないのです。猫飼いなら全員知っておきたい猫との生活でのNG行為について解説します。

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記事の監修

麻布大学獣医学部獣医学科卒業後、神奈川県内の動物病院にて勤務。獣医師の電話相談窓口やペットショップの巡回を経て、横浜市に自身の動物病院を開院。開院後、ASC永田の皮膚科塾を修了。皮膚科や小児科、産科分野に興味があり、日々の診療で力を入れさせていただいています。

1.誤飲の原因になるものを放置する

ケーキに興味がある猫

誤飲となるものの放置は、重大な事故につながることがあります。輪ゴムやヘアゴム、またはヒモ状のものやおもちゃの一部をうっかり置きっぱなしにしてしまうことがありますが、誤飲すると腸閉塞を引き起こし、最悪の場合、命の危険につながります。

また、一般的な食べ物でもネギ類やチョコレート、キシリトールは、中毒の原因です。いずれも猫が好んで食べるものではありませんが、ネギ類の有毒成分は加熱してもなくならないことや、チョコレート系スイーツは乳成分が多いことから誤飲が起こる可能性があります。

中毒を起こすもの以外でも、人間の食べ物を食べてしまうと消化器に負担をかけてしまうため、猫が体調を崩すこともあります。

猫の手が届く場所に危険なものを放置しないことはもちろん、猫用おもちゃであっても誤飲のリスクが少ないものを選ぶことが重要です。

2.ドアや窓の開閉に無頓着

開いているドアから外を見る猫

ドアや窓の開閉は日常的な動作のため、無意識に行動していることが多いものです。十分に気を付けていないと「外への逸走」や「挟まれる事故」など、猫にとって危険があります。

いつもなら特に外に出ようともしない猫であっても、ドアの隙間や開いた窓があれば、ふいに外に興味がわいてポンと出てしまうことがあります。室内飼いの猫は、一度外に出ると安全に戻ってこられる保証はありません。

同様に玄関ドアなども、注意しておかないと足元から出ようとした猫を挟んでしまう危険もあります。大ケガをさせてしまわないためにも、ドアの開閉時には猫がどこにいるのか確認しておく必要があります。

3.大きな音を立てる行為

イカ耳で隠れる子猫

多くの猫は、生活環境を自分で予測できる状態にしておきたがります。いつ起きるかわからない大きな音が、あまりに「意外」だったときには、パニックを起こした結果、逸走・交通事故・落下事故などにつながるおそれがあります。

家庭内で日常的に発生する掃除機やブレンダーの騒音は、すこしずつ慣らしておけば問題ありませんが、近くで猫が寝ているようなときやお迎えしたばかりの猫がいる空間では、できる限り必要最小限にして、あまり驚かせないようにしましょう。

4.猫にとって有害なものを使用する

キャンドルをみつめる猫

猫がいる空間では、アルコールやアロマオイルの使用にも注意してください。

アルコール成分を含む製品には、お酒以外にも消毒剤や消臭スプレーがあります。猫はアルコールを代謝できないため、揮発成分を猫が吸い込んだり、まだ濡れているところを踏んだ手足を舐めたりすることで中毒を起こすことがあります。

そのため、アルコール消毒剤や消臭剤は、猫がいない場所で使用し、使用後はしっかりと乾かして、よく換気をして揮発成分をなくしてから部屋に猫を戻しましょう。

また、アロマオイルに含まれる精油成分も猫にとっては中毒症状を引き起こす可能性があるため、猫がいる空間での使用は慎重に判断することが重要です。

消臭剤などを使用するときは、猫でも使用できるものを使うことをおすすめします。

5.猫に無配慮なイベント

大量の段ボール箱と猫

猫は安定した同じ生活を毎日繰り返すことを好みます。そのため、突然いつもの生活を乱すようなイベントは猫にとって大きなストレスになります。たとえば、部屋の模様替えをした際に、お気に入りの隠れ場所をなくしてしまったり、移動したりすることです。精神的に落ち着かなくなることがあります。

また、見知らぬ人を一度に大勢おうちに招くようなイレギュラーなイベントも、それまで安心して過ごしていた空間が変わってしまうことで、警戒心やストレスの原因になります。

神経質な猫や人見知りをする猫は、生活リズムが崩れると食欲低下や問題行動につながることもありますので、できるだけ変化は最小限に留めるようにしましょう。もちろん、性格や慣れ具合によっては、あまり気にしない猫もいますので、愛猫の性格をよく考慮することが大切です。

まとめ

安全柵のある窓と猫

猫が一緒にいる空間では、飼い主の何気ない行動が猫の安全や健康を脅かしてしまうことがあります。

特に猫を飼い始めたばかりのときには、これまで通りにドアや窓を開閉するだけでも猫の安全性に不足していることがありますし、猫がいる場では使うことを避けた方がいい製品などもあります。

愛猫の思わぬ事故を防ぐには、細かな部分にも気を配ることが大切になってきます。猫の行動は予測が難しいことも多いため、猫がいる空間でやってはいけないことや飼育に必要な安全対策をしっかり理解しておきましょう。

猫がリラックスできる環境を整え、安全で快適な暮らしを守ることが、長く健やかに過ごすための鍵となるでしょう。日々の行動を見直し、猫とのより良い関係を築いていきましょう。

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