猫の『歯磨き』しないと全身に悪影響が…サボらず習慣化したほうがいい5つの理由

猫の『歯磨き』しないと全身に悪影響が…サボらず習慣化したほうがいい5つの理由

猫の飼い主さん!愛猫の歯磨きって、毎日していますか?「うちの子は嫌がるから…」「歯磨きって本当に必要なの?」そう思っている飼い主さんもいるかもしれません。実は猫の歯磨きをしないと、歯周病などの口腔内トラブルだけでなく、心臓病や腎臓病などの全身疾患を引き起こす可能性があるのです。そこで今回は猫の歯磨きは必要なのか、なぜ歯磨きを習慣化する必要があるのかを詳しく解説します。

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記事の監修

日本獣医生命科学大学卒業。北海道の大学病院で獣医師として勤務。一般診療をメインに行いながら、大学にて麻酔の研究も並行して行う。「動物と飼い主さんに寄り添った治療」を目標に掲げ、日々診療に励んでいます。

猫に歯磨きは必要?

歯磨きを食べている猫

猫の歯磨きは、猫の健康管理においても非常に重要な要素です。色々な報告はありますが3歳以上の猫の約8割が歯周病に罹患しているとされ、この数字からも歯のケアの必要性が明らかといえます。

「野生の猫たちは歯磨きしていないのに、どうして?」と思われるかもしれません。

しかし肉食動物の猫は、本来獲物は丸のみスタイル。歯に汚れが付きにくく歯周病にはなりにくい動物なので、歯磨きの必要性は低いのです。

ただ家庭で過ごす猫たちのフードといえば、ドライフードやウェットフードですね。これらは動物の肉と違って、手軽な反面、歯に汚れが残りやすいデメリットがあります。そのため、歯磨きを取り入れる必要があるのです。

とくにウェットフードはドライフードよりも汚れが付着しやすいので、ウェットフードを食べる猫たちはとくに注意しなければいけません。

可能であれば毎日、少なくとも週に2~3回の歯磨きが理想といえます。

猫の歯磨きを習慣化したほうが良い理由5つ

猫の歯磨きをする女性

1.歯周病を防ぐ

猫の歯磨きをする大きな理由は、歯周病を予防するためです。

歯周病は細菌の感染によって引き起こされ、歯茎の炎症、歯の喪失、口臭などの症状を引き起こす病気です。進行すると歯が抜け落ちたり、炎症が生じたり、全身への健康被害を引き起こすこともあります。

そのため日々の歯磨きで菌の繁殖を抑え、健康な歯茎を保つことは大切なのです。

2.口臭の改善

猫の口臭は病気以外では人間同様、口内のケア不足も原因のひとつです。

ただし歯磨きをすれば清潔な口内環境を維持できるので、口臭をかなり抑えられるようになるでしょう。飼い主にとっても、猫の口臭が軽減されれば猫との接触がより快適になるはずです。

3.全身の健康を守る

口の中のトラブルは、全身に影響を与えることがあります。猫の場合は心臓や腎臓などに影響を与え、深刻な病気を引き起こすリスクが高くなるのです。

なかでも猫は腎臓病にかかりやすい動物なので、猫の病気予防の一環としても定期的な歯磨きは欠かせません。

4.病気の早期発見

日々の歯磨きの過程で、飼い主は猫の口内の状態を観察することができます。

これにより出血や腫れ、歯の欠損などの異常を発見できて、早期の治療が行いやすくなるでしょう。病気が重篤化する前に適切な対策を取れるのは、大きなメリットといえます。

5.行動や食欲の改善

口腔内の不調は、猫の行動や食欲にも影響を与えることがあります。たとえば痛みや不快感が原因で攻撃的になったり、食べ物を拒否するようになったり。

しかし定期的な歯磨きで口内環境を整えられれば、猫のストレスや食欲の低下を抑制し、より健康的な生活をサポートできるでしょう。

猫の歯磨きの手順

指にはめるタイプの歯ブラシで猫の歯磨きをする人

猫の歯磨きは、猫の健康を維持するために非常に重要なケアです。歯磨きに慣れてもらうためにも、子猫のときから始めるようにしましょう。

準備するもの

  • 猫用歯ブラシ
  • 猫用歯磨き粉(人間用はNG)
  • ガーゼや歯磨きシート

猫を落ち着かせる

猫を落ち着かせてから歯磨きを始めましょう。無理に押さえつけたりすると、猫が歯磨きを嫌がってしまうことがあります。優しく声をかけたり、撫でたりして、猫がリラックスできる状態で行いましょう。

口周りを触る

まずは、猫の口周りを優しく触ることから始めます。頬やマズルを触り、徐々に口の中に触れるようにしていきます。猫が嫌がる場合は、無理に進めないようにしましょう。

歯ブラシに慣れさせる

歯ブラシに歯磨き粉をつけ、猫の口元に近づけます。猫が興味を示したら少しずつ歯ブラシを口の中に入れ、歯に触れさせます。最初は歯ブラシを噛ませるだけでも大丈夫です。

歯を磨く

歯ブラシを歯と歯茎の境目に45度の角度で当て、優しく丁寧に磨きます。力を入れすぎると、歯茎を傷つけてしまうことがあるので注意してください。

奥歯は口の端からブラシを入れてもOK!磨き残しをないようにしましょう。

褒めてあげる

歯磨きが終わったら、猫をたくさん褒めてあげましょう。歯磨きを嫌な時間にするのではなく、楽しい時間にするように心がけてください。

まとめ

歯ブラシをする?子猫

猫の歯磨きは、飼い主さんにとって少し大変な作業かもしれません。しかし歯磨きをしないと、歯周病や口腔内トラブルを引き起こすだけでなく、全身疾患の原因にもなりかねません。

猫の健康を守るためには、歯磨きは非常に重要なケア。なるべく早い時期から歯磨きを習慣化し、猫と健康で楽しい毎日を過ごしましょう。

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