つい猫にあげがちな『人の食べ物』4選 それぞれあげても大丈夫?

つい猫にあげがちな『人の食べ物』4選 それぞれあげても大丈夫?

愛猫におねだりされると、つい食べ物をあげてしまうという飼い主さんも多いのではないでしょうか?人間の食べ物のなかには、猫が食べても大丈夫なものもありますが、猫の健康や命を危険にさらす食べ物もあります。今回はついあげてしまいがちな人間の食べ物の安全性について紹介します。

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記事の監修

2009年麻布大学獣医学部獣医学科を卒業。
2015年から横浜市内で妻と動物病院を営み、犬、猫、エキゾチックアニマルの診療を行なっています。
2024年現在、犬10頭、猫3頭、多数の爬虫類と暮らしています。
愛犬家、愛猫家として飼い主様に寄り添った診療を心がけています。
内科(循環器、内分泌など)、歯科、産科に力を入れています。

1.かつお節

かつお節を食べる猫

かつお節が大好きという猫も多いです。そのため愛猫にかつお節をあげたいという飼い主さんもいるのではないでしょうか。

結論から言うと、猫もかつお節を食べることができます。

人間用のかつお節は塩分が多すぎるため、猫には与えないほうが良いという意見が多く見られますが、一般的なかつお節の塩分は100g中で0.3g程度です。

これはキャットフードの塩分量と大差ありません。つまり人間用のかつお節の塩分は猫にとって問題のない量ということになります。

また問題にされるミネラル分もそこまで多く含まれているわけではないとの意見もあります。

積極的に与える必要はありませんが、たまの楽しみとして少量トッピングしてあげる程度なら問題ないと言えるでしょう。心配な場合は猫用のかつお節がおすすめです。

2.お刺身

猫とサーモンのお刺身

猫も少量であれば、お刺身を食べることができます。スーパーでもよく見かけるマグロやサーモン、タイ、カツオ、カンパチなどは猫が食べても大丈夫な魚です。ただし一度に与えて良いのは「ひと切れの4分の1程度」です。

一方で、以下のお刺身は猫に与えてはいけません。

  • アジさばなどの青魚
  • エビイカカニなどの甲殻類
  • アワビサザエなどの貝類

これらのお刺身は、チアミン(ビタミンB1)欠乏症や イエローファット(黄色脂肪症)、ヒスタミン中毒の原因となる場合があります。

そのほかアニサキスなどの寄生虫のリスクもあります。また食中毒にも注意が必要ですから、猫にお刺身を与える際は新鮮なものにしましょう。

3.牛乳・乳製品

子猫と牛乳びん

猫に牛乳というイメージを持っている人も多いかもしれませんが、実は猫に与えないほうがよいもののひとつです。

猫は、牛乳に含まれている乳糖(ラクトース)を分解する酵素が少ないため、乳糖を消化吸収することができません。そのため消化不良を起こし下痢などの原因になる場合があるのです。

乳製品も同様の理由からおすすめしません。

たとえば「ヨーグルトは乳糖を分解しているので猫に与えても大丈夫」という意見もありますが、乳糖フリーのもの以外は乳糖を完全に除去しているわけではありません。猫によっては少量でも反応してしまう場合があるため注意が必要です。

またチーズは脂質や塩分の摂りすぎになるためおすすめしません。

牛乳や乳製品を与える場合は、猫用ミルクや猫用に調整されたチーズなどを与えるようにしましょう。

4.練り物

お皿に盛ったカニカマ

かまぼこやちくわ、カニカマなどの練り物は、魚が原料となっているため、一見大丈夫そうに思えますが、実は与えないほうが良い食べ物です。

練り物には、たくさんの塩分が含まれていますし、加工食品のためさまざまな副原料や添加物が含まれています。練り物によっては、ねぎ類や山いもといった中毒やアレルギーの原因となる原料が含まれている場合もあります。

猫は練り物を食べなくても生きていくことができます。あえて与える必要はないでしょう。

余談ですが、練り物に限らず、加工品はぱっと見ではなにが使われているのかわかりにくいものが多いです。そのため知らず知らずのうちに、NGな食材を与えてしまうリスクがあります。個人的には、人間用の加工食品は猫には与えないようにするべきだと考えています。

まとめ

肉の塊を狙う猫

愛猫におねだりをされて人間の食べ物をおすそ分けをしているという飼い主さんも少なからずいらっしゃるのではないでしょうか。

人間の食べ物の中にはお刺身の一部のように与えても大丈夫なものもありますが、基本的には人間の食べ物は与えないようにするのが良いでしょう。

とくに加工品はなにが使われているのか分かりにくいため危険です。

また人間の食べ物の味を覚えると、ゴミ箱を漁ったり、盗み食いをしたりする原因にもなり、誤飲・誤食のリスクも高まります。

愛猫におやつを与えたいという場合は、健康のためにも猫用のものをおすすめします。

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