猫が水を嫌う理由と慣らす方法
まずは猫が水を嫌う理由をわかりやすく説明します。ひとつは水分が少ない砂漠で暮らしていたから。猫の祖先「リビアヤマネコ」は砂漠に住んでいました。当たり前ですが砂漠ではほとんど雨が降りません。そのため、猫の毛は水に濡れることへの適応が進んでいないといわれています。
というのも、猫は犬に比べて皮脂が少なく、毛が水をはじきにくいのです。また、猫の毛は細くて水を吸いやすく、一度濡れると乾きにくい特徴があります。そのため、体温が奪われやすく、特に寒い夜などでは命に関わる危険もあります。
もうひとつの理由は、猫は縄張り意識が強く、体の匂いで自分の領域をアピールしています。しかし、水に濡れてしまうと自分の匂いが流れて消えてしまいます。結果的に自分の縄張りがなくなって不安を感じてしまうそうです。
1.おもちゃやご褒美を用意してあげる
猫を水に慣らすための方法として、まず挙げられるのが、おもちゃやご褒美を用意してあげること。おもちゃに惹かれて水の近くに寄ったり、触ろうとしたりすることで、水に対する恐怖心を和らげられるかもしれません。「お風呂＝楽しい場所」というイメージを猫に持ってもらいましょう。
水に濡らした後は、おやつなどのご褒美をあげることも忘れずに。「水に触れると良いことがある」と覚えてもらうと、次回以降の抵抗が軽減されるかもしれません。
2.少しずつ慣らしていく
猫を水に慣れさせるには、少しずつ進めるのも大事なポイント。例えば、最初のうちは足先だけを濡らし、数日後になって様子を見ながら前足全体を濡らすなど、時間をかけて濡れる範囲を広げてみましょう。シャワーの温度も重要です。いきなり熱いお湯だと猫もビックリするので人肌程度のぬるま湯にしてあげましょう。
また、最初のうちはシャワーの音を怖がる猫もいます。そのため、シャワーヘッドにタオルを巻いて音を和らげたり、タライや洗面器に溜めたお湯に猫を入れるなどの工夫も心がけたいところ。
重要なのは、焦らずゆっくりと時間をかけて水を猫に慣らすことです。どうしてもシャワーなどが怖くて嫌がる場合は、ホットタオルなどで濡らしてあげるのもひとつの工夫ですよ。
水を嫌がらない猫種もいる
少し余談にはなりますが、猫種の中には濡れることに対してそこまで抵抗がない品種も存在します。有名なものとしては下記が挙げられます。
- メインクーン
- アビシニアン
- ソマリ
- ノルウェージャンフォレストキャット
- ターキッシュバン
これらの猫種は、遺伝的な要因や出身地、被毛の構造などの影響で、水に対して抵抗を感じにくいといわれています。
ただし、何事も個体差というものは存在します。上記の猫種であっても、水に濡れることを嫌う子もいる可能性があります。最初は様子を見ながら濡らしてあげましょう。
まとめ
猫が水に濡れることに慣れてくれたら、シャンプーなどの負担は大きく軽減されます。丁寧に洗いやすくなるため、猫の被毛や皮膚を清潔に保ちやすくなるでしょう。
ただ、猫にとって水に濡れることはストレスに繋がるケースが多め。そのため、どうしても嫌がる場合は無理に濡らすことはせず、シャンプータオルなどで体を綺麗にしてあげるなど別の道を模索してみてください。