1.穏やかな雰囲気で包んでくれる
自分の飼い猫だけでなく、人見知りの猫や警戒心旺盛な野良猫でさえ、懐いてしまうような人がいます。それは、穏やかな雰囲気で包んでくれる人です。例をあげると、このような人たちです。
- いつも機嫌良くリラックスしている人
- 落ち着いた口調で話しかける人
- 動作がゆっくりで予測可能な人
- 同じルーティンで行動する人
- 静かに座って過ごせる人
猫は周囲の音や動きに敏感なので、部屋の中をせわしなく動き回る人よりも、むしろ何もしていない人の方を好みます。リラックスできる空間で、「ソファ化」しているくらいの飼い主の膝に乗れば、もうずっとここにいたいと想うことでしょう。
ただし、心の中に不安や怒りがあるときは意外と猫は察してしまいます。食事の後はさっさとどこかへ行ってしまったり、膝に乗っていてもすぐに降りてしまったりするでしょう。
慢性的にストレスを抱えている人は、猫にとって「安全な場所」になるためにも、セルフコントロールが必要かもしれません。
2.猫のペースを最優先にしてくれる
猫は自分で考えて行動できる自立心の強い動物です。積極的に遊んでもらいたいときもあれば、一日中ひとりで過ごしたいときもあります。自分が望んでいないタイミングで、人から必要以上にかまわれたり、自分の意志を無視されたりすることをとても嫌がるのです。
猫に触れるときに無理やり触ろうとせず、猫が自分から近づいてきたタイミングでなでてくれるような人には、自分を尊重してくれると感じて「一緒にいると心地いいな」と思うことでしょう。
ただ、飼い主としては、猫が望んでいなくても定期的にブラッシングや爪切りなどをする必要があります。そんなときも猫のペースを優先して丁寧に扱ってくれる人は、猫からの信頼を深めやすいでしょう。猫の望みをよく観察していて、必要なときに控えめにサポートするのがポイントです。
3.猫の好みにまで配慮している
毎日の食事やトイレの世話をしているからといって、必ずしも猫たちから絶大な信頼を置かれるとは限りません。猫は、飼い主の細かい観察力や理解力を判断して、その人との関係性を築いています。
飼い主が奮発してプレミアムフードを選んでいても、単なる栄養面で評価されているだけなら、猫にとっては空腹を埋め合わせるだけの「エサ」の感覚に過ぎません。カラダに良いのはもちろん、愛猫好みのニオイ、味、食感にいたるまで熟知してくれている飼い主こそが、特別な存在なのです。
「うちのコは魚よりもお肉派」、あるいは「まぐろよりかつお」など、好みを細かく把握して、食事のメニューや与え方まで調整できたら最高です。
また、猫ベッドやおもちゃなどのグッズも、色や肌触り、ヒモ系やじゃらし系などが愛猫の好みにあっていれば飼い主への信頼度もますますアップします。まさに、猫が「もうずーっと離れたくない」と心から思うのはこういう人たちなのです。
まとめ
猫はとても正直な反面、複雑な思考を持っています。そのため、私たちがどんな気持ちで接しているか感じ取り、その反応で関係性が変わります。猫との関係は単に「好き」か「嫌い」だけでなく、「仕方なく一緒にいる」という距離感や「ずーっと離れたくない」という深い信頼まで幅広くつくられるのです。
愛猫の心をつかむのに、特別な技術や努力は必要ありません。猫が飼い主に望む最高の付き合い方は、穏やかに過ごせること、自分のペースを大切にしてくれること、そしてできれば愛猫の好みのものを提供するというとてもシンプルなものなのです。
猫は人とは違って見返りを求めたり、自分の気持ちを言葉で説明したりすることはありませんが、その代わり、私たちの行動や選択が愛猫との関係に反映されて返ってきます。愛猫とよりいっそうステキな関係を築くために、これからもきめ細かい観察を続けていきましょう。