自由市民の称号を授与
マン島をご存じですか?英国のごく近くに位置するものの、英連邦には属さない「自治権を持ったイギリス王室の属領」になっていて、観光地としても評判の高い島です。
このマン島にあるラムジーの街には、茶白猫「Thomas」がいます。「地域猫」ともいうべき有名な存在で、街を自由に歩き回って人々と交流し、人気者になっているのです。
ThomasにはFacebook上に1000人以上のフォロワーがいます。だれかに飼われているのではなく、日中は目抜き通りの店舗をあちこち巡って、行きかう人々に愛嬌をふりまき、夜は議会通りにあるヨガスタジオで眠る毎日です。
このたびこの猫に「ラムジーの自由市民」としての称号が与えられました。この称号によって、Thomasは市内のどこでも正式に出入りすることが許されます。
市庁舎で行われた授与式では、Thomasのために儀式用の鎖(ペンダント)まで用意されました。
ノベルティ商品やイベント企画も
Sandra Cottam-Shea市議は「称号は形式的なものではありますが、同時にこれまで協力してThomasの世話をしてきた住民らの活動を讃えるものでもあります」と話しています。
将来に備えて獣医費用を確保するため、Thomasを描いたノベルティ商品を販売している店舗まであります。
「地元の中小企業が協力して取り組んでいるこうしたチャリティ活動について、広く知ってもらうよい機会になるでしょう」と話すSandraさんです。
Thomasが毎晩寝床にしているヨガスタジオの経営者Suzanne Youngさんが、今回の名誉称号を提案しました。
「このセレブ猫の人気はますます高まるでしょう。これからもどんなアイデアが出てくるか、楽しみにしていてください」と彼女。
「とりあえず来年2025年は市内のクリスマスイルミネーションの点灯式の主役になってもらいます。ほかにも市内の建物にThomasを描いた壁画を制作しようという意見もあります」
人々から愛される猫
議会通りにあるRussell Perkinsさんの店には、よくThomasがやってきます。
「この猫は本当に個性的ですよ。数年前かうちの店にやってきます。店内には昼寝のための専用の箱も確保しているのです。Thomasの話題になると、だれもがすてきな笑顔になりますね」というRussellさんです。
市内でチャリティー・ショップを経営するIrene Quayle さんは「この2年ほど、Thomasは毎日やってきます。専用の寝床もあるのですが、それ以外の好きな場所で昼寝することもあります。まるで店の備品か家族の一員のような存在ですね」と話してくれました。
称号が与えられたあとも、Thomasの人気は上昇中のようです。あなたもマン島を訪れるチャンスがあれば、ぜひこの猫に会ってみてください。