1.たくさん与える
猫が可愛いからといってご飯を与え過ぎると、体重が増えて肥満につながります。ぽっちゃり体型の猫は可愛らしいですが、さまざまな病気のきっかけになるため注意が必要です。
例えば、肥満を起因とした病気のひとつに『糖尿病』があります。
インスリンの不足やインスリンが効きづらくなる病態により、生命維持に必要なエネルギーが足りなくなる怖い病気です。発症により「多飲多尿」という症状が見られるようになり、このまま放っておくと重症化して命に関わります。治療には日常的なインスリン投与が必要になるため、気を付けなければなりません。
また、肥満から関節にダメージが加わって『関節炎』になったり、皮下脂肪が増えて心臓病や泌尿器疾患のリスクが上がったりすることも。
ちなみに、猫のおねだりは必ずしも空腹というわけではなく、ストレスや習慣から来ている場合もあります。
避妊去勢手術や加齢の影響で、過剰に食べたがることもあるようです。本当は何を求めているのか観察してみましょう。
2.栄養が足りない
当然のことですが、食べ過ぎとは反対に食べなさ過ぎも体によくありません。ある程度の量を食べていても、実際に口にしているのはおやつばかりとなると栄養不足になってしまうこともあります。
よくあるのは、ご飯を目分量で与えて栄養が不足するケースです。
もともと小食の猫だと、気が付かないまま病気のリスクを上げてしまうこともあります。ダイエットのためにご飯を減らした結果、必要な栄養が補えなくなるというパターンも。
また、一見すると理想的に思える『手作りご飯』にも注意が必要です。
猫のご飯は専門的な知識が必要であり、思っている以上に献立作りが難しいもの。ときには食材によって中毒を起こすこともあるため、安易に手を出さない方がいいといえます。
3.置き餌をする
置き餌とは、ご飯を置いたままにしていつでも自由に食べさせる方法です。「面倒だから」「多頭飼いだから」と置き餌にしてしまっている家庭は少なくないと思いますが、猫の健康のためには決していいとはいえません。
その理由は、ドライフードが酸化してしまうためです。
市販のドライフードには酸化防止剤が入ってはいますが、そもそも長時間放置することを前提として作られていません。そのため、置き餌にしているうちに酸化が進み、栄養が損なわれてしまう危険性があるのです。
栄養不足だけでなく、放置することで雑菌が繁殖する場合もあります。ゴミが混入したり風味が悪くなるため、猫にとっても気持ちのいいものではないと考えられます。
猫のご飯は、その都度用意して与えるのが鉄則。万が一、決まった時間に餌を与えられない場合は、自動給餌器を使ってみてもいいでしょう。
正しい食事のポイント
1日の給与量を守る
猫のご飯に関しては、給与量が最も大切なポイントになります。目分量ではなくグラムで測りながら与えることも重要です。ほとんどのキャットフードにはパッケージに体重ごとの給与量が記載されているため、参考にしてください。ただし、体質によって太りやすい、痩せやすいといった違いはあるので自宅で定期的に体重測定を行い、理想体重を維持できているか確認してください。愛猫の様子によっては、獣医師と相談して与える量を決めると良いでしょう。
1日の回数を決める
子猫は週令によって数時間おき、幼猫は1日3回、成猫は1日1~2回の食事回数が理想といわれています。ただしこれは、あくまで理想です。すぐにお腹を空かせてしまうような猫や吐き戻しが多い猫は、3~4回ほどに分けて与える方が結果的に食べすぎを防げます。食事回数に関わらず、1日あたりの給与量は守ってくださいね。
食事スタイルの変更はちょっとずつ
食事回数や時間を変える場合は、ちょっとずつ変えた方が猫にストレスがかかりません。突然回数を減らしたりせず、段階的に変えるようにしてください。必要であれば、自動給餌器の利用もいいでしょう。
水分補給も忘れない
猫はあまり水を飲まない動物ですが、水分不足になると泌尿器系疾患のリスクが上がります。ご飯のそばに水を置いたり、ウエットフードをトッピングしたり、ご飯と一緒に水を飲ませる工夫をしてみてください。
まとめ
愛猫に長生きしてもらうポイントはいくつかありますが、その中でも食事は非常に重要なものといえます。
過剰な量をあげたり、栄養が偏っていたりすると、思わぬ病気につながることがあるからです。正しいご飯の与え方を学んで、愛猫とできるだけ長い時間を過ごしてくださいね。