猫の「トイレトレーニング」上手に教えるためのポイント
猫の飼育本や記事を読んでみると、『トイレトレーニングが簡単』と謳われているものが多いですよね。
しかし、実際に蓋を開けてみると苦戦する飼い主さんも多いはず。本当に皆、簡単にやってのけてしまうのでしょうか。
実際は、コツさえ掴んでしまえば本当に楽なのは事実。猫は比較的、トイレトレーニングがスムーズにできる動物なのです。
そこで今回は、猫の「トイレトレーニング」を上手に教えるためのポイントを紹介いたします。子猫に留まらず、保護したばかりの成猫にも有効な方法なので参考にしてみてください。
1.トイレの大きさを意識する
猫トイレの理想の大きさは、体長の約1.5倍です。つまり、猫にとって小さすぎてもダメで、大きすぎても使い勝手が悪いという結果になってしまいます。
お迎え当初が小さな子猫の場合は、入口が低くなったものを選ぶと良いでしょう。なお、愛猫の成長とともに猫トイレも体の大きさに合わせて新調することが大切です。
2.好みの砂を入れること
猫は縄張り意識が強く、また綺麗好きな動物です。基本的には一定の砂地で排泄する習慣が、本能的に身についています。これが、トイレトレーニングが楽といわれる所以です。
ただし、砂の好みが愛猫によって異なります。嫌いなタイプの砂を導入してしまった場合は、我慢に我慢を重ねた挙句、粗相をしてしまうことがあるのです。
猫をお迎えする際は、元々使用していた砂のタイプを確認すると良いでしょう。少量株分けしてもらった砂を新しいトイレに撒くことも有効です。
ちなみに、大抵の猫はシンプルな鉱物系の砂を好む傾向にあります。
3.設置場所も重要
愛猫の好みの砂を入れた理想的なトイレを用意しても、設置場所が悪ければ意味がありません。猫は排泄中に無防備になることから、安心して使用できる場合に置く必要があります。
ポイントとしては、高温多湿を避けた隅っこです。これは室内廊下ともに共通した条件になります。
最初はトイレに慣れずモジモジと落ち着きのない行動を取るかもしれません。その場合はそっと抱き上げてトイレに誘導してあげると良いでしょう。
何度か繰り返すうちに場所に慣れていきます。それでもトラブルが生じるようであれば、何らかの不満があると思ってください。
4.こまめに掃除をする
犬のトイレトレーニングにおいては、使用済みのトイレシートをしばらく置いておくことが基本です。
猫の場合は真逆の行動が功を奏するので、猫初心者の犬飼さんは気をつけてくださいね。冒頭で紹介したように、猫は綺麗という特徴があります。
すなわちトイレが汚いままだと次の排泄ができず、トレーニングが進みません。それどころか膀胱炎や尿路結石などの病気を招くリスクが出てきます。
排泄済みのトイレはこまめに掃除をしてあげましょう。これだけでトイレ慣れがスムーズになるといっても過言ではありません。
5.失敗しても叱らない
最初のうちは失敗してしまうこともあるでしょう。忙しい時に粗相をされてしまうと、ついつい苛立つものですが、そこはグッと堪えてください。叱責すると排泄自体がいけないこと、怖いことだと認識してしまいます。
"失敗しても叱らない"このスタンスを大切にしてください。先程の方法と同様に、トイレに行きたい様子が見られたら誘導することを根気強く繰り返しましょう。
なかなか改善しない場合は、トイレ環境を見つめ直すことも重要です。大きさは適切ですか?砂を拒んでいませんか?汚れて臭いがこもっていませんか?
直すべき要素がある場合は、速やかに改善するようにしてください。ちなみに、猫に好まれるトイレのタイプは『オープンな箱型』です。
システムトイレや、フルカバー付きのトイレは臭いが充満しやすいため、苦手意識を持つ猫がいることを理解してあげましょう。
また、現代っ子の猫は砂自体を毛嫌いすることがあります。理由は肉球に砂が詰まることが不快なため。元々ペットシートを使用していた場合は、両方用意してあげると良いでしょう。
まとめ
今回は、猫の「トイレトレーニング」のポイントについて解説しました。
猫との快適な暮らしを左右するトイレ問題。猫はどちらかというと、トイレトレーニングが楽な動物であることは本当です。ただし、今回解説したポイントが重要になります。
まずは、愛猫が元々いた環境のトイレを観察しましょう。実際に見ることが難しいケースでは、情報収集を行ってください。さらに、大きさや砂の種類、設置場所などをシミュレーションしてみてください。
また、完全に猫トイレが初めてという場合は、猫トイレへの誘導が大切な過程のひとつと認識しておきましょう。
習得にかかる時間には個体差がありますが、根気強く向き合えば覚えること自体は可能です。くれぐれも失敗を叱らず、優しくトライを続けていきましょう。
最後に重要なポイントをもうひとつ。
いかなる手段を試みても愛猫の「トイレトレーニング」成功しない場合は、他の要因(精神的な不安や体の病院)を疑ってみてください。この場合は、かかりつけの動物病院で診察を受け、アドバイスをいただくことをおすすめします。