猫に『不妊手術』をさせたほうがいい3つの理由 猫の心身の健康によい点も

猫に『不妊手術』をさせたほうがいい3つの理由 猫の心身の健康によい点も

愛猫の「不妊手術」は、その必要性は分かっていても、今ひとつ踏み切れない思いが強いのではないでしょうか。そこで今回は、猫に「不妊手術」をさせたほうがいい理由について詳しく解説いたします!

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記事の監修

麻布大学獣医学部獣医学科卒業後、神奈川県内の動物病院にて勤務。獣医師の電話相談窓口やペットショップの巡回を経て、横浜市に自身の動物病院を開院。開院後、ASC永田の皮膚科塾を修了。皮膚科や小児科、産科分野に興味があり、日々の診療で力を入れさせていただいています。

猫に「不妊手術」をさせたほうがいい理由

術後服を着る猫

『愛猫の繁殖を望まないのであれば、不妊手術をさせたほうが良い』という認識は定着しつつも、実際に適齢期に達すると悩んでしまう飼い主さんは少なくないのではないでしょうか。

倫理観はもちろんのこと、ほとんどが全身麻酔を用いた『手術』というカテゴリーに入ることからリスクが懸念されるでしょう。

それでも敢えて「愛猫に不妊手術を受けさせるべき」と推すのには、実はきちんとした理由があります。

そこで今回は、猫に「不妊手術」をさせたほうがいい理由について解説いたします。実は猫側にも良いことがあるのです。

1.無駄なストレスがなくなる

猫は感情とは関係なく、適齢期になれば自然と交尾を望んで繁殖活動をする動物です。いわば本能のようなもので、これが叶わないということは相当なストレスになります。

メス猫であれば発情期の度に大声で鳴き叫び、オス猫であれば発情期のメスのフェロモンを感じるたびにメスを求め、体が反応してしまうことになります。

これらの行動には想像以上のエネルギーが使われるため、体力的にも精神的にも疲弊してしまいます。何より欲求不満に陥り、心が不安定になるでしょう。

手術をする適期は様々な説があり、生後半年程度まで成長を待った方が良いという説や、海外では生後数カ月程度の早期に行う場合もあるなど、様々なケースが考えられます。

しかし、手術は麻酔を使用するため、体への負担もかかります。

全身状態を把握しているかかりつけの先生と適期について相談しながら手術の時期を決めると良いでしょう。カリカリとした雰囲気が抜け、穏やかになる可能性も高いです。

オス猫のマーキングもストップするため、あの悪臭からも解放されるでしょう。

2.将来的な病気の予防につながる

猫と救急セット

精神的なストレスを防ぐのはもちろんのこと、身体的な病気も予防することができるのが不妊手術最大のメリットです。

メス猫の宿敵ともいえる乳腺腫瘍の約8割は、この不妊手術によって予防できるといわれています。他にも子宮や卵巣の病気も防ぐことが可能になります。

オス猫の場合も同様で、将来的な前立腺がんや精巣の病気の予防に役立ちます。

「あの時躊躇わずに行っていれば…」と後悔してからではあとのまつりです。猫を迎えたら、かかりつけとなる病院とも相談のうえ、前向きに考えてみてください。

3.多頭飼育がしやすくなる

猫同士の多頭飼育をする場合、最も相性が良いのは異性の組み合わせと言われていますが、個々の性格の相性もあるため確実とは言い切れません。

最も注意が必要なのは未去勢のオス同士で、縄張り争いから流血沙汰の喧嘩に発展する恐れもあする可能性があります。

前者の場合は放任すると望まない妊娠に繋がるため、不妊手術を受けることで安心して共同生活が送れるようになるでしょう。

後者の場合も去勢手術を受けておけば、個々の性格の相性を除けば執拗な縄張り意識が薄らいで丸く収まる場面が増えていきます。

このように、適切な時期に不妊手術をする前提でいれば多頭飼育の幅が広がり、より実現しやすくなるでしょう。

まとめ

診察を受ける猫

今回は、猫に「不妊手術」をさせたほうがいい理由について解説しました。

何よりも猫のためになるのは「ストレス解消」でしょう。繁殖を遮ってしまうのは人間のエゴなのかもしれませんが、せめて無駄にイライラすることからは解放してあげたいものですよね。

また、将来的な病気の予防に関しても有意義です。特にメス猫は、未避妊によって乳腺腫瘍になる可能性が高まり、猫の場合の乳腺腫瘍は悪性であることが多いです。

健康寿命を伸ばすことに繋がるため、元気に過ごせる時間を多く持ち続けることができます。

とはいえ、手術であることには変わりありません。愛猫の大元の健康状態や生活環境なども考慮しながら、よく検討してみてください。

やはり獣医さんの意見は大きいので、ワクチン接種の際や子猫の健診などのタイミングで相談してみると良いでしょう。

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