猫の『被毛のタイプ』いくつあるか知っていますか?代表的な4種類の特徴や歴史を解説

猫の『被毛のタイプ』いくつあるか知っていますか?代表的な4種類の特徴や歴史を解説

遺伝子要素が複雑に絡むため、猫の毛並み、特に色や模様は本当に多彩です。一方で、被毛タイプは限られた種類しかありません。今回は、定番の4種について特徴を踏まえながら紹介します。簡単な歴史もあわせて解説するので、ぜひ終わりまでお付き合いください。

1.ショートヘア

リビアヤマネコ

歴史を辿ると、猫の被毛タイプは、イエネコの祖先、リビアヤマネコの「短毛」が原型です。リビアヤマネコが暮らすのは砂漠地帯で、長い毛だと熱がこもりやすく、体力の消耗が避けられません。

短い毛になったのは、過酷な環境に適応した結果です。現在に続くイエネコにも「短毛」のDNAがしっかりと引き継がれています。

短毛猫の一般的な特徴は、好奇心旺盛で元気が良いことです。動き回るのも遊ぶのも大好きで、リビアヤマネコを思わせる野性味が魅力。

イメージで言うと、ちょっと手のかかるイタズラ好きの3歳児という感じでしょうか。たとえば、遊び半分でいくら障子に穴を開けようが、かわいいのでつい許してしまいます。

2.ロングヘア

メインクーン

約4000年前、人類は快適な住環境を求め、ヨーロッパやアジアへ進出しました。もちろん、すでにペット化された猫たちもいっしょです。移動に伴い、各地の気象条件に合わせた被毛タイプが増加。寒い地域では長毛猫が勢力を伸ばしました。

長毛猫と言えば、メインクーンをはじめ、ノルウェージャンフォレストキャット、ラグドール、ペルシャなどが有名です。性格の特徴は、一般的におとなしく、飼い主に対しても従順。同居猫や他のペットにも寛容なところがあり、飼いやすい猫として知られています。

豊かな長毛に包まれているせいか、落ち着いた雰囲気が持ち味です。わんぱくな弟妹猫がちょっかいを出しても動じない、かなり年の離れた兄姉猫のような存在感。フサフサのしっぽをゆらゆら揺らしながら、短毛子猫をあやすメインクーンお兄さんの姿が思い浮かびます。

3.カーリーヘア

セルカークレックス

短毛と長毛の2大勢力に割って入るのが、巻き毛猫です。まるで羊のようなカーリーヘアで、その特徴が際立つのは、首まわりやしっぽ。短毛から長毛まで多彩なバリエーションがそろっています。

巻き毛猫の歴史は新しく、たとえば、セルカークレックスは、1987年にアメリカ・モンタナ州で偶然発見された一個体がきっかけです。のちに他の品種とかけ合わされ、1997年に正式な品種として認定されました。

代表的な品種は、前述したセルカークレックスの他、コーニッシュレックス、デボンレックス、ラパーマなどがあります。

品種や個体によって性格は異なりますが、共通するのは、温厚で人懐っこいところです。飼いやすさという点では、猫飼いデビューの方にとっても最適でしょう。

もし、かくれんぼでセルカークレックスのくるくる巻き毛に隠れたら、たぶん、最後まで見つからずに済むかもしれません。たとえみんなが先に帰ってしまっても、ふわふわ心地でスヤスヤ眠れます。

4.ヘアレス

スフィンクス

ヘアレス猫の代表格は、やはり、スフィンクスです。1978年、カナダのトロントで長毛猫から突然変異で生まれた無毛猫が、現在に至るスフィンクスのルーツ。その個体をもとに、以降、交配が進められ、スフィンクスが世界的な品種として確立されました。

スフィンクス以外には、ドンスコイ、バンビーノ、ピーターボールドなどの種類があります。性格的には社交的で人好き、愛情の深さがトレードマーク。華奢な見た目と裏腹に筋肉質な身体つき、というギャップも面白いところです。

また、犬のような一面もあわせ持っているので、素直な子が好きな方にはきっとたまりません。

無毛に分類されながら、実は、うっすらと産毛が生えています。意外に触り心地が良く、ビロードにたとえられるほど。人間で言えば、高級品を身につけているようなものですが、ほぼ無毛なため体温調節が難しく、寒さが苦手です。実際に飼う場合は、しっかりと防寒対策してあげましょう。

まとめ

ペルシャ

今回は、被毛という観点から、「短毛」「長毛」「巻き毛」「無毛」の4つのタイプについて解説しました。

猫の歴史は短毛猫が始まりで、人類の移動に伴い、寒い国では長毛猫が広がり、さらに現代に至って、突然変異をきっかけに巻き毛や無毛が定着しました。

愛猫がどういう歴史を辿って、今、膝の上にいるのか、一度考えてみると、よりいっそう愛情が深くなるはずです。猫飼いデビューの方は、このテキストを愛猫選びに役立ててみてください。

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