愛猫がバリバリ『爪とぎ』を始める4つの理由 ちょっと心配なストレスサインの可能性も

愛猫がバリバリ『爪とぎ』を始める4つの理由 ちょっと心配なストレスサインの可能性も

猫と暮らしていれば、1日に何度も爪とぎをしている姿を見かけますよね。猫にとって爪は生きていくための重要な武器ですから当然と言えば当然でしょう。そんな猫の爪とぎですが、実は爪のお手入れ以外にもさまざまな理由でおこなわれているのです。ではなぜ猫は爪とぎをするのでしょうか?

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記事の監修

日本獣医生命科学大学卒業。北海道の大学病院で獣医師として勤務。一般診療をメインに行いながら、大学にて麻酔の研究も並行して行う。「動物と飼い主さんに寄り添った治療」を目標に掲げ、日々診療に励んでいます。

1.爪のお手入れ

爪とぎをする猫

猫にとって爪は生きていくうえでなくてはならない大事な武器です。とくに外で暮らす猫にとって、爪は自分の身を守ったり、獲物を捕まえたりするほか、木に登る際のスパイクとしての役割を持っています。そのため爪は常に鋭い状態をキープしておく必要があるのです。

「だったら室内で暮らす猫は、爪とぎをする必要がないのでは?」という声が聞こえてきそうですが、そうもいきません。

猫の爪は玉ねぎのような層になっており、爪とぎをすることで古くなった外側の爪がはがれて、内側の鋭い爪が露出する仕組みになっています。

猫は、室内で暮らすようになった今も獲物を狩って食べるという本能が消えずに残っています。そのためいざというときに備えて、常に鋭い爪をキープしようと、日夜爪とぎに励んでいるのです。

2.気持ちを落ち着かせるための「転位行動」

爪とぎにをするスフィンクス

猫は嫌なことがあったときなどに気持ちを落ち着かせるために爪とぎをします。このような行動を「転位行動」といいます。

たとえばジャンプに失敗したとき、遊びでおもちゃを捕まえ損ねたとき、イラッとするできごとに遭遇したときなどに見られる行動です。ストレスを発散する効果もあると考えられています。

転位行動には爪とぎのほかに、毛づくろい、あくび、ストレッチなどがあります。

自分で自分の気持ちに折り合いをつけようとしている行動でもありますから、気がすむまで爪とぎをさせてあげましょう。

3.縄張りの主張

立ち上がって爪研ぎをする猫

猫は自分の縄張りであることを主張するためにも爪とぎをします。

猫の体には、臭腺という臭いを出す器官があり、そのひとつが肉球にあります。爪とぎをすることで肉球から出ている臭いを擦りつけて「ここは自分の縄張りだ」とアピールするのです。

そのほかにも自分の所有物であることを主張する意味合いもあると言われています。

同じ場所でくり返し爪とぎをする、背伸びをして高い位置で爪を研いでいるという場合はマーキングの可能性が高いでしょう。高い位置で爪を研ぐのは「大きくて強い猫がいるぞ」というメッセージでもあります。

4.飼い主さんの気をひこうとしている

爪とぎにしがみつく猫

愛猫の近くを通ったときに「ハイ、注目!」と言わんばかりに突然バリバリと爪を研ぎだすことありませんか?それはあなたに注目をしてほしくて爪を研いでいるのです。

猫は飼い主さんに対して「いっしょに遊んでほしいな」「お腹が空いたな」など、なんらかの要求があるときに爪とぎをして気をひこうとすることがあります。

気をひくために爪とぎをしているときは、飼い主さんのほうをチラチラと見ながらアピールする猫が多いとか。なんだか微笑ましくもあり、おかしくもありますよね。

こんな爪とぎは要注意!ストレスサインかも

爪とぎ中の猫

猫はストレスを感じているときにも爪とぎをすることがあります。もし愛猫の爪とぎが異様に長い、頻繁に爪とぎをしている、と感じるようならばストレスが原因かもしれません。

ストレスが溜まっているときは、爪とぎのほかにも以下のような行動が見られます。

  • 食欲の低下
  • 執拗な毛づくろい
  • 急に走り回る(真空行動)
  • やたらと鳴く
  • トイレを失敗する

ストレスが疑われる場合は、原因を特定し排除するなど環境の改善が必要でしょう。

まとめ

爪研ぎの上でくつろぐ猫

猫が爪とぎをする理由をいくつ知っていましたか?

ふだん何気なくおこなっているように見える猫の爪とぎですが、爪のお手入れのほかにも、気持ちを切り替えるため、縄張りの主張、飼い主さんへの構ってアピールなど多様な意味があることを紹介しました。たったひとつの行動にこんなにも意味があったとは驚きですよね。

また爪とぎは、ストレスサインのひとつとしても知られています。猫にとってストレスはさまざまな病気や問題行動の原因になることもあります。改善が難しい場合は、早めに獣医師に相談しましょう。

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