猫の命に関わる『慢性腎不全』の症状4つと予防法

猫の命に関わる『慢性腎不全』の症状4つと予防法

我が家の猫は17歳。もう1年半以上腎不全の治療をしています。「慢性腎不全」は怖い病気ですが、猫の治療仲間はびっくりするほどたくさんいますし、初期段階で見つけられれば長く楽しい毎日を送れます。しかしそれにはまず兆しを発見しなければ!こちらではどんな症状に気をつけるべきかご紹介しましょう。

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

1.年齢(10歳以上)

仰向いてこちらを見るキジトラ長毛

実は慢性腎不全の第1ステージは、目立った症状がありません。辛うじて尿検査で数値の変化が見られるくらいです。

見た目は健康そのものですが腎機能は1/3程度まで落ちています。10歳を過ぎた辺りをターニングポイントと考えておくといいでしょう。

2.多飲多尿

水を飲むアメショー

第2ステージになると徐々に水を飲む量が増えてきます。同時に尿の量も増えてくる「多飲多尿」と呼ばれる症状です。

この頃になると腎臓の機能が1/4程度まで落ちています。最近お皿の水の減りが早い、オシッコの量が多い、と感じたらすぐに検査を受けましょう。

3.食欲不振・体重減少

人の手とキャリーバッグのキジトラ白

第3ステージでは、食欲不振からの体重減少が見られます。吐くことが増えたり元気がなかったり、ベッドで寝ていることが増えたりと、明らかな様子の変化に気が付いて飼い主さんが病院へ連れて行くのがこの段階です。

この段階の腎機能は10%といわれます。「もう高齢だから」と見過ごしがちな状態でもあるので、油断していると次のステージへすぐ移行します。

4.脱水・貧血

横たわってこちらを見るキジトラ長毛

最終ステージで目立つのは脱水(皮膚をつまんで戻りにくくなる)と貧血(目や鼻、口の中が白っぽくなる)です。

しかしそれだけではありません。第3ステージのとき以上に体力・体重共に低下し、食欲不振、頻繁な嘔吐はもとより、胃腸炎や下痢、口内炎、ひどくなると痙攣や昏睡状態に陥ることもあります。

このステージはいわば緊急事態。一刻も早い治療が必要です。

慢性腎不全の予防方法

獣医に抱かれるロシアンブルー

慢性腎不全は原因がよく分かっていない病気の1つです。そのため予防方法はないといわれていますが、できることはいくつかあります。

1.10歳前後から定期的な血液検査と尿検査で腎機能のモニタリングをすること
2.減塩と水分補給を心がけること
3.※下部尿路疾患(尿路結石や膀胱炎などの総称)を放置しないこと

要は、腎臓に良いと思われることをすることと早期発見です。現在できる対策はそれだけですので、できることを頑張りましょう。

※下部尿路疾患は、慢性腎臓病になる要因の1つかもしれないといわれています。

まとめ

小さい女の子に抱かれる茶トラ白

我が家の慢性腎不全の猫も、ここに挙げた4つのステージを忠実にたどっています。現在数値はあまりよくなく油断もできませんが、たまに走り回るほど元気です。

ステージが上がるのは気分のいいものではありませんが、治療が上手く行けば猫は気分よさそうにしてくれます。

ポイントは老化だと見過ごさないこと。糖尿など別の病気が隠れている場合もありますので、変だと感じたらできるだけ早く病院で相談しましょう。

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