病気の可能性も!?猫が『首をかしげている』ときの理由5つ

病気の可能性も!?猫が『首をかしげている』ときの理由5つ

首をかしげる仕草を愛猫がしているところを見たことはありませんか?とっても可愛い姿ですが、実は病気が隠れていることがあるかもしれません。猫が首をかしげる理由と考えられる病気をまとめてみました。早速チェックして行きましょう!

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記事の監修

東京農工大学農学部獣医学科卒業。その後、動物病院にて勤務。動物に囲まれて暮らしたい、という想いから獣医師になり、その想い通りに現在まで、5頭の犬、7匹の猫、10匹のフェレットの他、ハムスター、カメ、デグー、水生動物たちと暮らしてきました。動物を正しく飼って、動物も人もハッピーになるための力になりたいと思っています。そのために、病気になる前や問題が起こる前に出来ることとして、犬の遺伝学、行動学、シェルターメディスンに特に興味を持って勉強しています。

1.良く見たり聞いたりしようとしている

茶トラ猫

猫は聴力が優れている動物です。顔の割に大きな耳で音を集めることができます。耳を色々と動かすこともできますが、首の角度を変えてより情報を得ようとしているのかもしれません。また、小さな音を聞く時にも首をかしげることがあります。「どこから聞こえているにゃ?」と音の発生源を知ろうとしているのかもしれないですね。

聞こうとするだけではなく、何かをよく見ようとして「こっちに傾けたら見えるかな?」と試しているのかもしれません。猫は目の前方に鼻がありますので、首を傾けることによって鼻や口で隠れて見えていなかった物が見えるようになるかもしれません。

2.不思議なものを見た

不思議そうにしている猫

自分が知らないもの、何だか良く分からないものを見る時に首をかしげることがあります。好奇心旺盛な猫は、より多くの情報を獲得して、何なのかを判断しようとしていると同時に、「なんだにゃ?」と不思議に思っているのかもしれません。

筆者宅の猫が子猫の頃、スマホで撮影しようと近づけると、良く首をかしげていました。スマホが何だか分からず不思議に思っていたのかもしれません。その様子がとても愛らしく、良いシャッターチャンスを与えてくれていました。

3.特発性前庭疾患

中毒かもしれない猫

ここからは病気の話になります。

猫が首をかしげる(斜頸)ようになる病気はいくつかあり、次に紹介する耳や脳の病気・異常が原因のこともありますが、原因が分からないこともあります。

体のバランスを保つ役割のある「前庭」に異常が生じ(前庭疾患)、首をかしげたりふらふらしてしまうことがありますが、そのような場合の1/4程度では原因が分からない(特発性)そうです。

原因が分からないため、決まった治療法はありませんが、飲食をサポートしたり安静にしたりし、ステロイドを使ってみることもあるようです。

4.内耳炎・中耳炎

中耳炎かもしれない猫

内耳炎や中耳炎になることで首をかしげることもあります。

耳からその周囲に炎症がひろがり、神経にも影響を与えてしまい斜頸してしまうことがあります。

内耳炎や中耳炎は細菌・真菌感染や異物、場合によっては腫瘍などで生じ、首が傾いてしまうだけではなく、回転するように歩いてしまう場合もあります。原因によっては、放置しておくと炎症が脳にまで広がってしまい、命に関わったり後遺症が残ることもあります。

一時的に首をかしげているのではなくずっと首をかしげている、黒目の大きさが左右で違う、口元の様子が左右で違う、目の内側に膜(瞬膜)が出ている、よだれをたらす、などの症状がある時は、内耳や中耳から波及した炎症があったり顔面神経麻痺がある可能性が考えられます。動物病院を受診しましょう。

もちろん、耳アカが異常に多くついている、耳をよくかいている、耳が臭うなど、外耳炎がある様子が見られれば早めに動物病院へ向かい、適切な治療を受けさせ、中耳炎や内耳炎を引き起こさないようにしてあげましょう。

顔に分布しているある神経が麻痺し、顔の片方だけで黒目が小さくなったり、瞬膜が出たり、まぶたが下がったりしている状態は「ホルネル症候群」と呼ばれています。

5.脳の異常

首をかしげる猫

脳腫瘍や何かしらの中毒などで脳機能に異常がある為に首をかしげる、頭を振る、頭をまっすぐに保てない、目が揺れること(眼振)があります。もし愛猫に脳の異常があったら…!と怖くなりますが、冷静に対処していきましょう。

まずはかかりつけ医に相談して検査を行い、原因を特定することが適切な治療につながります。

猫が中毒を起こす薬剤や植物、食べ物はたくさんありますが、殺虫剤による中毒は神経に影響を及ぼすことがあります。口から摂取したり皮膚から吸収した薬剤のタイプと量によっては、迅速な治療が必要となり、治療が遅れると命にかかわることもあるでしょう。猫がいるご家庭で殺虫剤を使う場合は細心の注意を払うとともに、万が一猫に殺虫剤がかかった、なめてしまったことが疑われる場合、何かしらの中毒症状(嘔吐、ふらつき、目の異常など)が見られる場合には、すぐに動物病院に連れて行きましょう。

まとめ

首をかしげる子猫

猫が首をかしげる様子はとても可愛いのですが、病気の場合はそうも言っていられません。何かおかしいと感じたら、早めに動物病院を受診してその原因を突き止めましょう。早期発見が愛猫の健康には重要です。しっかりと健康管理をしてあげてください。

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