猫が出産する過程、産む子猫の数、準備しておくこと

猫が出産する過程、産む子猫の数、準備しておくこと

猫の出産に立ち会う機会は稀でしょうが、知ると感心する事も沢山あります。出産は神秘に満ちあふれ、感動する出来事です。あなたの愛猫がどのように誕生してきたのか、母猫がどんな努力をして愛情深くこの世に生み出してくれたのか、知りたくはありませんか?きっと愛猫に会わせてくれた母猫に、感謝したくなる事でしょう!

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

猫が出産する過程

子猫を抱く母猫

猫はどのようにして産まれてくるのでしょうか?注意点などと共に、お伝えします。

人の出産と違い猫の出産は、正常な状態であれば子猫の世話や後掃除などを母猫が全て、自分で行ないます。下手に人間が手を出すのは良くありません。何か異常があった時は人が手を貸す必要もありますが、そうでない場合は、母猫に任せましょう。

猫の妊娠期

交尾後約8週間後、プロゲステロンという、妊娠と授乳を司るホルモンが分泌され始めます。このホルモンの働きにより、母猫は穏やかになりリラックスし、母性も豊かになります。

猫の妊娠初期の兆候

  • 乳首がピンク色になる
  • 食欲が増える
  • ゆっくり動く

猫が妊娠すると、乳首がピンク色になり、食欲が増します。動きも鈍くなりますので、一つの目安としてください。お腹は徐々に大きくなりますが、強く押すと流産や胎児にダメージを与えてしまうので、もし触れる場合はそっとにしましょう。

お腹が大きくなってくると、横向きに寝そべる事が多くなります。重いので、そのような姿勢が1番楽なのです。動きも少なくなり、出産の体力を蓄えます。

猫の出産方法

陣痛が始まる

交尾してから60〜70日の間に、陣痛が始まります。そうなると、見つけておいた出産場所に移動します。呼吸は早くなり、ゴロゴロと喉を鳴らします。粘液が出始めたら、いきんでいよいよ出産です!

子猫の羊膜を取り除く

後ろ足を上げ、子猫が出やすいようにします。

子猫が産まれたら、母猫は羊膜に包まれた子猫を舐め、羊膜を取り除いてあげます。羊膜を取り除いたら子猫の全身を舐め乾かすのですが、まだヘソの緒はつながったままです。子猫の鼻先を舐めて、粘液を取り除き、子猫が肺で呼吸ができるようにします。

母猫は出産後自分の胎盤を食べる

子猫が産まれた後、次の陣痛で胎盤が出てきますのでそれを母猫が食べ、ヘソの緒を少し残して噛み切ります。

初産の場合は、人の手が必要になる事もあります。胎盤を食べるのは、出産の痕跡をなくす事と、2〜3日獲物を探しにいかれない母猫の栄養源となります。うまくできていますね!

授乳

子猫を全て出産し終わったら、母猫は自分の体を舐めて綺麗にします。痕跡を残さないように、床までも舐めて綺麗に掃除します。その他の母猫の大切な役割は、子猫に授乳をする事です。こう見ると、猫の出産は大仕事の上非常に忙しく、母猫はクタクタになる事が分かります。

特に子猫の数が多い場合、更に大変です。出産が終わっても休みなく、授乳や子猫を温めたり排泄を促したり、危険から守るなどの育児が続きます。子猫の生存は、すべて母猫の肩にかかっていますから、責任重大です。

猫が出産中大量に出血したら

万が一大量出血や、子猫が中々出てこない場合は、病院に頼る必要があります。出産前から病院とは連絡を取り、いざという時の対処法などを確認しておくと良いですね。

猫が1回の出産で産む子猫の数

1回の出産で猫は1〜9匹の子猫を産みます。短くて5分、長くて2時間間隔で産まれてきますが、頭数の多い場合はとりあえず数匹産んで授乳をし、また24時間後に残りを産む、という時もあります。

猫が出産する前に準備してておく事

出産出来る場所を作っておく

本能的に用心深くなりますので、高い所など、危険のある場所には寄り付かなくなります。太るからなどと、無理に運動さる必要はありません。基本的には普段と変わらない生活のままで大丈夫なのです。

安心して出産出来るよう、人目につきずらくて温かい場所を、あらかじめ見つけておくようです。もし愛猫が出産を控えている場合には、毛布などを敷いて温かくした静かな場所を、用意してあげましょう。

猫は自分が出産していない子猫でも世話をする

子猫を運ぶ母猫

子猫を実の母親が面倒をみるのは基本ですが、母親のいない子猫を、出産後の猫が自分の子のように世話をする、というのは珍しい話ではありません。

特に出産後5〜6日間は母性本能が強いので、たとえ自分の産んだ子ではなくても、喜んで里子にします。また、生後2〜3日の子猫は、まだ母親を認識出来ないので、面倒を見てくれる猫がいれば、その猫を母猫だと思って頼ります。

母猫がいる場合でも、母猫が狩りに出ている間、他の猫が母猫の役目を務めますが、それは野生の習性なのです。人の場合は他の子の面倒見る、というのは色々と難しい事が多いですが、猫は習性なので、自分の子だろうが他の猫の子だろうが、そこはあまり気にしないようです。

母猫の出産に立ち会うこともない父猫

猫の親子

ところで先ほどから、全く「父猫」の話題が出てきません。子猫が産まれるには、父猫の存在もなくてはならないのですが、一体どこへ行ってしまったのでしょう?

実は、オス猫は育児には全く参加しません。交尾が終わったら他のメス猫を求めて放浪の旅へと出発しますから、例えば妊娠期にメス猫をサポートしたり、出産に立ち会ったりという事もありません。

人間からすると信じられない話ですが、子孫を残すのに注力する事が、猫の場合はオスの役割なのでしょう。

まとめ

ミルクをねだる子猫

母猫が全て責任を負う出産は、想像以上に大変そうです。今あなたの目の前にいる愛猫は、このように母猫の世話と愛情をたっぷり受けて、産まれてきたのですね。可愛い愛猫を産んでくれた母猫に、感謝の気持ちを贈りたくなります。もしあなたの愛猫が出産する事になったら、安心して可愛い子猫達を産めるよう、サポートしてあげてくださいね!

投稿者

40代 女性 しほ

我が家の猫ちゃんも初めての出産を経験ました。3年前でしたが今でも、鮮明に覚えています。
初産でしたので、飼い主の私もなにもわからなかったので獣医さんに教えて頂き勉強したものの、いざ陣痛が始まるとかなり焦りました。出産はうまくいきまして4匹生まれました。障害もなく安心いたしました。母猫ちゃんも、よく頑張ってくれました。本能ってすごいなと関心しました。出産後、母猫ちゃんも子猫ちゃんも元気で過ごしました。

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