猫が『頭を打った』ときに注意すべきこと5つ 起こりうるトラブルや取るべき対応まで

猫が『頭を打った』ときに注意すべきこと5つ 起こりうるトラブルや取るべき対応まで

猫は高い場所への上り下りが得意ですが、足を滑らせて転落したり、勢いよく走って家具や壁にぶつかったりすることがあります。頭を打った後に猫が普段通りにしていると、「大丈夫そう」と安心してしまうかもしれません。しかし、頭部への強い衝撃では、外から傷が見えなくても脳や神経に影響が出ている可能性があります。今回は、猫が頭を打ったときに注意すべきことや、考えられるトラブル、飼い主が取るべき対応について解説します。

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記事の監修

日本獣医生命科学大学卒業。北海道の大学病院で獣医師として勤務。一般診療をメインに行いながら、大学にて麻酔の研究も並行して行う。「動物と飼い主さんに寄り添った治療」を目標に掲げ、日々診療に励んでいます。

猫が『頭を打った』ときに注意すべきこと5つ

木の床で静かに伏せる猫

頭部への強い衝撃では、外から傷が見えなくても脳や神経などに影響が出ている可能性があります。特に次のような異変がないか確認し、気になる症状があれば速やかに動物病院へ相談しましょう。

1.呼びかけにきちんと反応するか

まず確認したいのが、猫の意識や普段との反応の違いです。名前を呼んでも反応が著しく鈍い、ぼんやりしている、ぐったりしている、意識を失っているといった場合は注意してください。

頭部への衝撃によって、脳や神経に異常が起きている可能性があります。反応を確かめるために猫を揺さぶったりせず、できるだけ安静にした状態で速やかに動物病院へ連絡しましょう。

2.まっすぐ歩けるか

頭を打ったあとに、歩き方や体のバランスがおかしくなっていないかも重要なチェックポイントです。ふらつく、まっすぐ歩けない、足に力が入らない、同じ方向へ回り続けるといった変化があれば注意しましょう。

ただし、異常がないか確かめるために無理やり立たせたり歩かせたりする必要はありません。高い場所から転落した場合は脚や背骨なども負傷している可能性があるため、自発的に動いたときの様子を確認してください。

3.目や瞳孔に異常がないか

左右の瞳孔の大きさが明らかに違う、目の焦点が合わない、眼球が細かく揺れるといった変化にも注意が必要です。物にぶつかるなど、急に見えにくそうな行動が現れることもあります。

瞳孔は周囲の明るさによって大きさが変化するため、単純な大きさだけで異常を判断することはできません。同じ明るさの環境でも左右差が明らかな場合や、ほかの神経症状を伴う場合は速やかに獣医師へ相談しましょう。

4.嘔吐やけいれんが起きていないか

頭を打ったあとに嘔吐を繰り返す、けいれんするなどの症状が見られる場合は、緊急性が高い可能性があります。頭部への強い衝撃によって、脳挫傷や頭蓋内出血などが起きているケースも考えられます。

けいれん中は体を無理に押さえつけたり、口の中へ手や物を入れたりしないようにしてください。周囲の危険な物を可能な範囲で遠ざけ、発作が続いた時間を確認したうえで、速やかに動物病院へ連絡しましょう。

5.出血や腫れなどの外傷がないか

頭や顔に出血、腫れなどがないかも確認しますが、傷を探すために強く押したり無理に触ったりするのは避けましょう。痛みや恐怖を感じている猫は、触られることで噛んだり引っかいたりすることがあります。

耳や鼻、口などから出血している場合にも注意が必要です。高所からの転落や交通事故など大きな衝撃を受けている場合は、見た目に目立った傷がなくても内部を負傷している可能性があるため、動物病院へ相談してください。

頭を打った猫に起こりうるトラブル

獣医師に診てもらう猫

猫が頭部に強い衝撃を受けると、脳震盪や脳挫傷、頭蓋内出血などが起きる可能性があります。脳に損傷や腫れ、出血などが生じると、意識状態の変化やけいれん、歩行異常、瞳孔の異常などの神経症状につながる場合があります。

注意したいのは、事故の直後には目立った異常がなくても、時間が経過してから症状が現れる可能性があることです。「すぐに歩き始めたから大丈夫」「ご飯を食べたから問題ない」と、それだけで判断しないようにしましょう。

また、高い場所から転落した場合は、頭部以外を負傷していることもあります。胸部や腹部、背骨、脚などにも衝撃が加わっている可能性があるため、呼吸が苦しそう、足を引きずる、動きたがらない、触ると痛がるといった全身の変化にも注意してください。

特に、意識がおかしい、けいれんしている、呼吸が苦しそう、繰り返し嘔吐するなどの症状がある場合は、緊急性が高い可能性があります。自宅で長く様子を見ず、速やかに動物病院へ連絡しましょう。

頭を打った猫に飼い主が取るべき対応

飼い主に優しく抱っこされる猫

猫が頭を強く打った可能性がある場合は、まず興奮させないよう静かに過ごさせ、不必要に動かさないことが大切です。

動物病院へ移動させる際は、転落などによって頭以外の場所も負傷している可能性を考え、体を大きく曲げたり揺らしたりしないよう注意します。可能であればキャリーの中にタオルなどを敷き、移動中に体が大きく動かないようにしましょう。

また、受診時に状況を伝えられるよう、次のような情報を整理しておくと役立ちます。

  • 事故が起きた時刻
  • どのくらいの高さから落ちたのか
  • どこに頭をぶつけたのか
  • 事故直後の意識や歩き方
  • 嘔吐やけいれんの有無
  • 食欲や呼吸など事故後の変化

けいれんや異常な歩き方などが見られ、安全に撮影できる状況であれば動画を残しておくのもひとつの方法です。ただし、撮影を優先して受診が遅れないようにしてください。

また、普段通りに見える場合でも、強く頭を打ったことが明らかな場合や判断に迷う場合は、まず動物病院へ電話などで相談すると安心です。事故後は食欲や歩き方、呼吸、嘔吐、目の状態などを注意深く観察し、少しでも異変があれば受診しましょう。

まとめ

安心した様子で眠る猫

猫が頭を打ったときは、外から傷が見えなかったり、事故直後に普段通り動いていたりしても、必ず問題がないとは限りません。呼びかけへの反応、歩き方、目や瞳孔、嘔吐・けいれん、出血などを確認し、普段と違う症状がないか注意深く観察しましょう。

特に意識の異常やけいれん、繰り返す嘔吐、明らかな歩行異常、瞳孔の左右差、呼吸困難などが見られる場合は、速やかな対応が必要です。頭部外傷では時間が経ってから症状が現れることもあるため、「元気そうだから大丈夫」と決めつけず、強い衝撃を受けた場合や判断に迷う場合は動物病院へ相談してください。

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