猫が飼い主に頭突きをする理由
生後1年くらいまでの猫には非常に良く見られるのが、前足を使って毛布やベッドやソファーの上で座ったり寝ている家族に踏み踏みする行動と、頭を当ててくる頭突きです。一説では「母親に甘える仕草」だとされてますが、よく観察すると野良猫でも時々見られます。一体なぜなんでしょうか?
1.好き
動物は体の接触で一部コミュニケーションをとるので、体を摺り寄せるとか、頭突きなどは明らかに愛情表現と思って良いのです。
こうした猫の頭突きは、体を摺り寄せるなどの他の行動と対になってることが多いので、猫のテリトリー内に唯一許された存在になったと、飼い主さんは思ってもいいでしょう。
人にとっては「猫を飼う」ですが、猫の立場ではその家の中は「テリトリー」となります。猫の行動は常に自分が優勢ですから、猫にとっては飼い主さんのことがよく理解できる存在になったということでしょう。本来猫は、警戒心が非常に強い動物なのです。
2.撫でてほしいと思っている
野良猫でも人が近づくと、慣れた子なら頭を撫でると、手のひらに向かって頭突きをしてくることがあります。これは普段餌を人から与えられ、あるいは常に触れられて撫でられたり、気持ちが良い思いをしてきた場合、同じようにしてもらいたい欲求によるものです。
特に成猫になったオスなどは、排他的で他者を容易に近づけませんが、人に飼われて対象が異種でも猫の性別に対して異性の場合、メスでもオスでも特にこの頭突き行動がよく見られます。
3.飼い主を親だと思ってる
猫がまだ小さく子猫の時は、明らかに自分より大きな対象である家族や飼い主さんを、「親」と同一視しています。この場合の猫の頭突きは通常私たちが人に対して行う、ハグなどと同じです。
4.飼い主にして欲しい事がある
子猫の場合は純粋な愛情表現ですが、成猫になってくるとこの頭突きの行動も若干変化が出てきます。それは飼い主さんなどに猫の要求が加わることです。朝の場合は「餌をちょうだい。」、外に出している猫なら「外に出して!」、寒いから一緒に寝て欲しいなど、頭突きで思わず可愛がった後には、なんらかしらの期待を猫が抱いている場合も多いです。
これは野良猫でも同じで、夕方などで普段から餌を貰っている時間になると、空腹で思わずこちらにすり寄って、撫でる手に頭突きをしたり、頭をふくらはぎに押し付けてきたりしますね。これもまた、猫独特の甘えなのでしょう。
5.繁殖行動
この猫の頭突きの行動で面白いのは、子猫から飼うと成猫になって一緒に飼っている犬にも行う場合が多い事です。しかも観察すると、相手はその猫とは性別が対照的になってることです。
雌猫ならオスや男性に対して、雄猫なら飼い主さんが女性である場合などは非常に顕著にそれが見られます。雌猫などは、男性の飼い主さんにお尻を向けて繁殖行動を見せることもありますね。群れで暮らす習性が殆どない猫の特徴かもしれません。
猫同士で頭突きする理由
仲良しのサイン
猫同士で頭突きをするのは、ずばり仲良しであるサインです。野良猫ではほとんど見られない行動ですが、幼いころから過ごしている猫同士だと頭突きをして自分たちが仲間であるというのを確かめ合う行動が見られます。お互いに頭をぶつけあうことで、お互いの気持ちを確かめ合っているのかもしれませんね。
相手への敬意
仲良しのサインの他にも、頭突きをすることで相手への敬意を表している場合もあります。強い立場の相手への挨拶、目上の猫に対しての礼儀など、猫の世界独特の習慣や行動の場合もありますので、猫同士が頭突きをしていたならば、どのような関係性なのか観察をすると面白いかもしれませんね。
マーキング
頭突きをしているというよりは、猫同士で頭にある臭腺をスリスリしているということも考えられます。臭腺は頭の他にも脇腹、肉球、尻尾などにもあり、頭突きの他の部分もスリスリするのが見られます。 この臭腺から出るニオイを相手につけることで、マーキングをして自分のものだと主張しているのかも。
かゆい
猫同士で頭突きをしているのは、マーキングなどが理由ではなく、頭の部分がかゆくて猫同士で頭突きをしているのかもしれません。頭は自分で舐めたり手でカリカリできないので、信頼している仲間に手伝ってもらっていると考えると何だか可愛いと思ってしまいますよね。
頭突き以外で猫が行う様々な愛情表現
頭突きと合わせてよくあるのが、以下のような行動です。
- 尻尾を垂直にピーンと伸ばして近づいてくる
- 明るい声で「にゃーん」と鳴きながら近づいてくる
- 追いかけてきて、足元で体を摺り寄せる
- 顔を自分の顔に押し付けてくる
- 自分の頬をこすりつけてくる
喉を「ゴロゴロ」鳴らすのは、自分を嫌がる猫でもやるので、これは甘えとか愛情表現とはちょっと違うと言われています。動物学で調べても謎とされてますね。
まとめ
- 撫でてほしい
- 異性だと思っている
- 親と思っている
- 何かして欲しい意思表示
- 愛情表現
「猫の頭突き」と評して公開された一般の動画をみると、頭の頭頂部を押し付けて擦るような動作になっています。頭突きというより「すり寄ってる」といった感じですね。そのため攻撃的にガツーンとぶつけてくる感じは無いです。
また、これは犬猫共通の特徴ですが、額と耳の後ろ、そして頬の筋肉が柔らかいとか、猫自身があまりいじれない場所などは、猫が気持ち良い部位でもあるので、それも関係しているのかもしれません。いずれにしても、猫の感情としては、警戒心を解いているので、猫好きの人からすればたまらない印象は多いと思います。
野良猫を観察すればわかることですが、人に対して警戒心をもつのが猫にとっては普通で、通常、家猫は血縁関係のある親子や兄弟と同じ感情を、猫は心理として持っているのかもしれません。
やがて成長した猫は、自然と自分の親や兄弟とは別れて単独に暮らすのが普通です。それを大人になっても甘えてくるんですから、その感情や態度は大切にしていたいものですね。
猫が飼い主に頭突きのようにスリスリしてきたら、飼い主さんへの愛情表現であったり、何かして欲しいと思っているのかもしれません。
女性 にゃコロ
我が家の愛猫も毎日の様に、これでもかと言うくらいの頭突きをしに来てくれます。頭突きとセットで、尻尾をピンと立て、サービスでゴロゴロ付きの時は、どんなワガママでも受け入れてしまいそうです。
"猫は家につく"と言われる位なので、テリトリーの話もよくわかります。
今は完全な室内猫ですが、以前まで家の中と外と半々で出入りしていた我が家の愛猫は、外へ出たとたん、飼い主である私を警戒して頭突きどころか、威嚇の逃げ腰でした。
家の中に戻った瞬間の対応の変化に、はじめは驚いたものです。
異性として見られたことは記憶に無いですが、親か仲間かの認識具合の愛猫です。
安心できる場所と、そうでない場所の違いがはっきりしているので、猫にとって寛げる場所の大切さと、そこにいる飼い主の存在はセットなのだなと日々感じます。
女性 ケロキ
女性 UMI
我が家の飼い猫も頭突きをしたあとにスリスリしてくるのですが、畳に頭突きしてゴシゴシ、壁に頭突きしてゴシゴシ、同居猫に頭突きしてスリスリと四六時中しているので目の上の毛が薄くなってます。辞めさせるのはなんとなくしのびないし、健康に害はないそうなのでやらせていますが、あれが愛情表現だとすると相当私達は愛されているんですね。とっても嬉しいです。
30代 男性 sho
私が立っているときは、足や壁の角、柱などに頭突きをしていることも。記事内にある成猫になると目的が出てくるということにも納得です。子猫のときは、とにかく目が合えば頭突き!という感じだったのが、成猫になった今では「撫でて」「抱っこして」「構って」「遊ぼう」と、何か目的があり、気を引くために頭突きしてくることもあると思います。
その他にも、何度か自宅に遊びにきている友人に対して、次第に手や足元に軽く頭突きをし始めることもあり、これは「仲良くしてあげてもいいけど」「敵意はないよ」という表れなのかなと思っています。感情が分かりにくいといわれる猫ですが、様々な方法で感情を伝えてくれているのですね。
女性 yuki
なんで頭突きしてくるのかは知らなかったのですが、何となくニオイ付けのためかなぁ~なんて思っていました。ニオイ付けのためもありそうですが、愛情表現と知りとても嬉しい気持ちになりました。
成猫になってからは若干頭突きに目的が出てくるという部分を読み、ハッとしました。そういえば、我が家のオス猫は普段外出先から帰宅した時にスリスリ&頭突きをしてきますが、そのほかにも「お腹空いた」の合図では「ニャ~ン」と可愛い声で鳴きながら頭突きをしてきますし、猫におやつを与えようと準備をしているときも、まったく同じ行動を見せてきます!
「可愛い~ママのことがそんなに好きか~♡」なんてデレデレしていましたが、「早く飯をよこせニャ!」という気持ちで頭突きをしていたのですね・・・。納得・・・^^;(笑)
20代 女性 ゆず
50代以上 女性 匿名
トイレ掃除にしゃがんでいると必ず背後から“ゴン”と頭突きしてきます。が、振り返った時には既に立ち去っている…。??。
高い所にいる時は、私が近付くのを待ち構えていておでこに“ゴン”。こちらが付き合えば何度でも繰り返しています。
飼育歴は1番短い子ですが、性格もあるんでしょうね。誰よりも人にべったりです。
保護時は筋肉も落ちて骨と皮。皮膚も歯もボロボロ、片目は障害があり「明日死んじゃってもおかしくない」と医者には言われた子。
猫じゃらしの追い方も知らなかった。
シットリ毛艶とガッシリ体格になり、毎日楽しそうにオモチャを追い、頭突きしてくる姿には本当に癒されてます。