猫がご飯を食べなくなった、ヨダレが多いのは要注意!
猫の口内炎は食事の様子からわかる
よく飼い主さんから「元気なのに最近食欲が落ちた」「固いドライフードを食べなくなり柔らかいウェットフードを好むようになった」「ヨダレが多く出ている」などの稟告で来院するケースが多いです。
口内炎になると痛くて食べられない
その原因は「口内炎」であり、口の中が炎症している影響でご飯を食べたくても痛くて食べれないのです。猫ちゃんの口内炎はとても発症率が高い口腔内疾患の一つです。
猫の口内炎とは?
口内炎は口の中やその周りの粘膜が炎症おこすことをいいます。私たち人と違い猫ちゃんの口内炎は炎症がおきている箇所が1〜2個ではなく口の中全体に炎症をおこしやすく、また潰瘍化になりやすいのが特徴です。
主に猫ちゃんの口内炎は「系統性口内炎」と「潰瘍性口内炎」の2つに分類されます。
系統性口内炎
- 猫カリシウイルス
- 猫白血病ウイルス
- 猫免疫不全ウイルス
- 腎不全
猫カリシウイルスや猫白血病ウイルス、猫免疫不全ウイルスなどによるウイルス感染が原因で口内炎を発症するケースが非常に多いです。ウイルス感染したほとんどの猫ちゃんがワクチン接種の予防をしておらず感染されやすいです。
特に多頭飼いでワクチン接種をしていない場合、他の猫ちゃんにウイルスがうつってしまうことがよくみられます。
ウイルス感染の他に腎不全が悪化した場合におきる尿毒症や栄養不足により体全身の免疫力が低下してしまい細菌などにより感染しやすくなります。
食べているものによりますが歯垢がつきやすいウェットフードをよく食べていると歯周病になりやすく、その影響で口内炎のトラブルをひきおこしてしまいます。
潰瘍性口内炎とは
口内炎の症状が慢性的に続いてしまい潰瘍化している状態を指し、治すことがとても難しいです。系統性口内炎と比べてハッキリとした原因が不明ですが、長期間の口腔内の炎症のため免疫力低下や口の痛みで食欲不振になり栄養不足などが要因といわれています。
また口内炎から潰瘍化した猫ちゃんの大半は猫白血病ウイルスや猫免疫不全ウイルスに感染しています。口の中全体に潰瘍化になりやすいため歯ぐきが広い範囲で赤く腫れ、ただれてしまいます。
猫が口内炎になるとどうなる?
歯茎が痛い!
歯茎が赤く腫れるためとても強い痛みを伴います。それによりご飯が食べれなくなってしまったり固いドライフードを避け、柔らかいウェットフードしか食べなくなる傾向になります。
口が臭い、よだれが出る
また口の臭いが強くなったり、ネバネバとしたヨダレが多く出るようになり口の周りが汚れやすくなります。
出血する
炎症が続いてしまい潰瘍化すると歯ぐきのほとんどが赤くただれ、出血しやすくなります。激しい痛みのためご飯を全く食べなかったり水さえ飲まなくなることがあり、口を触るだけでもとても嫌がるようになります。
猫が口内炎にならないように出来る事
歯磨き
歯周病が原因で炎症をおこし口内炎になりやすいため予防で歯磨きをすることです。私たちと同様に猫ちゃんの口の中もいつも細菌があり、食べ物とくっ付くとやがて歯垢になります。
歯垢がついたまま放置してしまうと歯石に変わり歯科用スケーラーではないと剥がすことが難しく、口の中全体に炎症が広がってしまいます。
猫ちゃんも毎日ご飯を食べているのでできれば1日に1回のペースで歯磨きをおこなうと良いです。
しかしいきなり歯ブラシを使ってしまうと激しく抵抗したり無理矢理おこなってしまうと嫌がり逆効果になるので、まずは口を触られることに慣れてあげ長くても5分以内にしてください。少しのことを毎日コツコツと続け、猫ちゃんの様子を見ながらおこなうことが大切です。
ワクチン接種
ウイルス感染が口内炎に多いため予防としてワクチン接種をすることがとても大切です。ワクチンは1年で免疫効果がなくなってしまうため毎年1回接種しなければいけません。
また保護猫は猫白血病ウイルスや猫免疫不全ウイルスに感染している場合が多いためウイルス検査する必要があり、もし陽性の際は他の猫ちゃんにうつってしまうので部屋を分けたりと隔離することが大事です。
まとめ
猫ちゃんはよく口内炎になりやすく主にウイルス感染や歯周病が原因です。人と違い口の中全体に炎症おこし歯茎が赤く腫れてしまい激しい痛みを伴うためご飯が食べれなくなったり、柔らかいウェットフードを好む、ヨダレが多いなどがよく見られます。
猫ちゃんの口内炎はなかなか治ることが難しいため1番は発症しないように予防することが大切です。ウイルス感染を防ぐために毎年ワクチン接種をおこない、歯周病予防で定期的に歯磨きをしてあげることが口内炎を予防することができます。