猫の耳の病気1. 耳血腫(じけっしゅ)
猫の耳の病気『耳血腫』の症状
- 耳の血管が内出血を起こす猫の耳の病気
- 皮膚と軟骨の間で内出血した部分が腫れる
- 腫れがひどいと痛みを伴い、炎症を気にして猫が足でひっかく
猫の耳の病気『耳血腫』になる原因
- 耳ダニや外耳炎が原因で痒くなる
- 猫は痒みのため強く耳をこすりつけるが、そのせいで耳の血管が切れて血腫をつくる
猫の耳の病気『耳血腫』の治療
- 直接の原因となる耳ダニを駆除
- 外耳炎を治療する
- たまった血液を抜き取る
- 血液を抜き取った後は、猫にエリザベスカラーをして、さらに足でひっかくのを防ぎ、回復を待つ
猫の耳の病気『耳血腫』の予防
- 耳血腫は、症状が重くなると軟骨が変性して耳全体が萎縮し、変形する可能性がある
- 放置しておくと耳が引きつれたようになり、二度と元の状態には戻らない
- 耳血腫は外から見ても腫れていると判断できるため、早めに獣医師に診てもらうようにする
- 猫が耳を痒がっていたら、放置せず、直接の原因を見つけ、適切な手当を獣医師のもとで行うようにする
猫の耳の病気2. 外耳炎
耳の穴から内側に入り込んだ部分で炎症を起こします。猫の耳の病気で、もっとも多いのが、この外耳炎です。
猫の耳の病気『外耳炎』の症状
- 痒み、耳垢が多い、悪臭がする、分泌物(耳ダレ)が滲み出る
- 猫は痒みや違和感のため、頭を振り、耳を柱にこすりつける行動をとるようになる
猫の耳の病気『外耳炎』の原因
- 多くの場合、外耳に耳垢がたまる、あるいは外耳部分の皮膚の刺激などが原因となる
- 湿った耳垢に細菌が繁殖し炎症を起こし発症する
- 外耳炎は、そのままにしておくと治りにくく、症状を繰り返す場合が多い
- 外耳の炎症が時には中耳、内耳へと広がることもある
猫の耳の病気『外耳炎』の治療
- 獣医師による耳道の洗浄
- 獣医師は猫の耳垢や分泌物などをカット綿や麺棒を使って除去する
- 細菌や真菌の感染が認められた場合には、抗生物質や点耳薬で対応する
猫の耳の病気『外耳炎』の予防
外耳炎の予防や再発防止には、耳の中を清潔に保つのが効果的
猫の耳の病気3. 耳ダニ症
外耳付近(外耳道)の表面にミミヒゼンダニが寄生することによって起きる外耳炎です。
猫の耳の病気『耳ダニ症』の症状
- 耳が痒くなり、耳をひっかいたり、耳をこすりつけたりする
- 耳の付け根の毛が抜け、ひっかき傷ができる
- あまりにも搔きすぎて出血することもある
- 放置すると慢性外耳炎になることもある
猫の耳の病気『耳ダニ症』の原因
- ミミヒゼンダニ(耳疥癬虫)という小さいダニが猫の耳に寄生することで発症する
- 感染している猫と接触することで、他の猫にも感染することもある
- 子猫の感染率が高いとも言われている
猫の耳の病気『耳ダニ症』の治療
- 外耳道を清潔にする
- 薬を使ってダニを駆除
- その後、消炎剤を併用して痒みをおさえる
猫の耳の病気『耳ダニ症』の予防
- 外耳道を清潔にすることが大切である
- 多頭飼いをしている場合、ダニは他の猫に感染する
- 親猫が感染している場合には子猫にも感染する
- 放置すると慢性化するので注意する必要がある
猫の耳の病気4. 中耳炎
中耳に炎症を起こします。一般的には、外耳からさらに二次感染によって発症します。
猫の耳の病気『中耳炎』の症状
- 頭を傾けて痛がる
- 痛みの発症している側の耳の方に回転するような動作をする
- 歩き方に変化が出て、平衡感覚が損なわれる(運動失調)
猫の耳の病気『中耳炎』の原因
- 外耳炎が進み、鼓膜に穴があき、炎症が中耳まで広がる
猫の耳の病気『中耳炎』の治療
- 治療方法は外耳炎と同様
- 抗生物質で治らない場合もあるため、この場合は手術することもある
猫の耳の病気『中耳炎』の予防
- 外耳炎にならないように注意する
- 不潔な状態を避け、外耳炎の疑いがあるならばすぐに獣医師による治療を進める
猫の耳の病気と健康な耳
猫の耳の病気と健康な耳の違い
猫の耳は通常、不安や怒りを表現するはたらきもあります。耳を伏せたり、耳を立てたり、耳はよく動きます。しかし、飼い主は何か大きな問題でも起きない限り、なかなか愛猫の耳をじっくりと見ることは少ないといえるのではないでしょうか。健康な猫の耳とはどういう状態をいうのでしょうか。
猫の耳の病気のサイン
- 耳や頭を頻繁にこすりつけたり、足をひっかいたりする
- 耳から匂いがする
- 耳に出血があったり、分泌液が出ている
- 耳を触ると嫌がる
- 頭をよく振る、傾けている
- かさぶたがある。
健康な耳
- 内側の皮膚が健康そうなピンク
- 適度に乾いている
猫の耳の病気を予防する方法
- 猫の耳の病気を予防するには常に清潔を保つこと
- 耳を綿棒で傷をつけないようにする
- 日頃から猫の耳の病気になっていないか観察する事
猫の耳の病気においては、猫の耳を清潔に保つことが重要となってきます。猫の耳をきれいにしようとすると、綿棒を耳の奥まで入れ過ぎて、逆に外耳道を傷つけたり、汚れを奥に押しやってしまう可能性があるので、目に見える範囲で行うようにしなければなりません。
猫の耳の病気を予防するために猫の耳掃除に熱心にやるというよりは、日頃から猫の耳の観察を心掛け、猫の耳の病気が発症していないかを見極めるようにしましょう。
異常を感じたならば早い段階で獣医師の診断を受けるのが一番、良いでしょう。猫の耳の病気は、何においても症状が比較的軽いうちに治療を進めるべきです。
猫の耳の病気と機能
猫の耳の病気について考える際、猫はどのように耳を使っているのかを思い出しましょう。猫が寝ている時も小さな物音に反応し、耳を動かしているのを見たことはありませんか。
猫の耳の病気がもたらす影響
陽だまりに丸くなって昼寝をしている間も、猫は外界に神経を行き渡らせ、音を聞き分けているのです。さらに、猫の耳は聴覚のみにはたらくのではなく、ヒゲと同じように身体の平衡感覚をつかさどる器官です。猫の耳の病気は個の平衡感覚にも影響が出る可能性があります。
猫の耳の病気などで、違和感や異常があると、猫は正常な生活ができません。猫の耳は人間とは比較にならないほど優れていて、人間の聞くことのできないとても高い音(4万ヘルツ)が聞こえるといわれています。
高い木の上で、身の危険を察知し、判断し、行動する場合、耳が頼りです。瞬時に、幾つもの音を聞き分けることができる猫の耳。この耳こそ猫にとって、生きていくうえで非常に重要な感覚器官の一つです。
したがって、猫の耳の病気は、通常の生活に問題を抱えることでもあり、猫にとっての重要な器官の故障を意味しています。改めて考えてみると、あのよく動く猫の耳は、優れたはたらきをもっている耳なのですね。
猫の耳のはたらきを損なわないためにも、猫の耳の病気について、具体的に学ぶ必要があります。
まとめ
猫の耳の病気の代表的なものから、耳血腫、外耳炎、中耳炎、耳ダニ感染症の症状と原因、治療と予防についてまとめました。猫の耳の病気を予防するには、猫の耳をよく知らなければならないでしょう。
しかし、猫の耳をじっくりと観察する機会は決して多いとは言えません。猫の耳の特性や基本的なはたらきを把握することも必要です。猫の耳は聴覚を左右するだけではなく、猫の行動における全ての平衡感覚へと影響し、そのまま運動能力へと結びつきます。
猫の耳が湿っていないか、耳垢がないか、耳を何度もひっかくような仕草をしていないか、頭を傾けていたり、頭を頻繁にこすりつけていたりしていないか、飼い主は様々な角度から猫の耳の健康状態を把握する必要があります。
普段から、猫の頭を軽く押さえ、耳の中をガーゼや脱脂綿でゆっくりと拭いてあげましょう。
耳を清潔に保つことで、猫の耳の病気を予防することができます。耳は非常にデリケートで、猫にとって重要な器官です。
決して綿棒などで耳を刺激しないように注意しましょう。
目に見える部分にとどめておくことも重要なことです。
40代 男性 しげる
特に、梅雨時期になるとかゆがるのですぐに、獣医さんに診ていただきます。洗浄と治療でいつもよくなりますが、すぐに再発します。耳を綺麗にするように気を付けています。あとは、部屋の掃除もよくするようにしています。カビなどもよくないので、気を付けています。自然に部屋が綺麗になるので、ちょうどいいです。最近は、あまり外耳炎にならなくなり安心しています。