猫用トイレの消臭剤の種類
猫用トイレの消臭剤は、様々な種類があり、バリエーションも豊富すぎて、アレコレ迷ってしまいます。思い切って買ってはみたものの、イマイチ効果が分からず、気付けば消臭剤難民になっていた・・・という飼い主さんも多いはず。猫用トイレの消臭剤の種類や特徴、注意点をタイプ別に見ていきましょう。
置き型タイプ
消臭剤のタイプには様々な種類がありますが、中でも「置き型タイプ」の消臭剤は、置くだけという手軽さと、消臭効果が一定期間続くというメリットがあります。猫用トイレのそばに置いたり、玄関や居間など、人の出入りが多い場所に置くことで、持続的に消臭効果を発揮します。急な来客時にも、慌てて消臭剤を散布する手間も省けます。
また、窓が少なかったり、空気の循環の良くない部屋は、悪臭が籠ってしまいがちです。空気の入れ替えをこまめにすることも大切ですが、このような空間でこそ利用したいのが、置き型タイプの消臭剤といえるでしょう。
置き型タイプは「液体+ろ紙タイプ」が一般的です。最近はインテリア性の高いオシャレな容器に入ったものも多いのですが、倒してしまって消臭液が溢れてしまうこともありますので、転倒しにくい、安定した容器のものを選ぶと良いでしょう。
スプレータイプ
臭いが気になった時、気になった場所をピンポイントで消臭できるのは「スプレータイプ」のメリットです。スプレータイプは、猫の排泄直後など、臭いが強い時にこそ向いている消臭剤ともいえます。気になる場所にダイレクトにスプレーでき、即効性を感じやすいのも特徴です。
また、広い範囲に、満遍なく消臭剤を拡散させたい時にもおすすめです。オス猫に多いマーキング行動では、同じ場所で繰り返しおしっこをしてしまったり、おしっこを撒き散らしてしまうため、掃除も消臭も一苦労します。スプレータイプの消臭剤なら、一気に広範囲に散布することも可能ですし、お掃除用の除菌スプレーと消臭剤が一体になったタイプもあるので、大変便利です。
粒・ビーズタイプ
猫砂の上から直接撒いたり、あらかじめ猫砂に混ぜておくことができる「ビーズタイプ」は、猫用トイレの消臭に高い効果を発揮します。悪臭を吸った猫砂や、臭いが染み付いてしまった猫用トイレに、ダイレクトに撒いて消臭できるのがポイントです。
無香タイプにするか、香り付きにするかは、使用中の猫砂の香りに合わせて選ぶと良いでしょう。最近では、消臭効果が高い猫砂も販売されているので、猫砂の消臭効果とビーズの消臭効果をダブルで狙えるのもポイントと言えます。
ただ、何でも口に入れてしまう子猫や、猫砂をおもちゃ代わりにして遊んでしまう猫ちゃんには、向いていない可能性があります。誤飲のリスクも意識して選びましょう。
粉タイプ
気になる臭いを吸着して消臭する「粉タイプ」は、ビーズタイプの消臭剤の誤飲リスクを考慮したい方に合っている消臭剤です。猫砂の中に混ぜたり、容器に粉を入れて置き型タイプの消臭剤として使用することもでき、使い方を変えられる自在性もポイントです。
インテリアにこだわりのある人は、消臭効果だけでなく、消臭剤のデザインも消臭剤選びの大事なポイントになると思います。お気に入りの容器に入れ、オリジナルをつくってみるのも良いかもしれません。粉タイプの消臭剤の中には、臭いを吸着するだけでなく、除菌効果を狙えるものもあります。スプレーよりも消臭効果に持続性があり、除菌効果も狙え、臭いの根本から改善したい場合に合っています。
シートタイプ
トイレやスコップ、マーキングでスプレーされた壁や家具などを拭き取り掃除ができる「シートタイプ」の消臭剤です。スプレータイプや置き型タイプとは異なり、拭くという手間はかかりますが、お掃除ついでに消臭や防臭効果ができるため、猫のトイレ周りに常備しておくと大変便利です。
汚れと一緒に臭いも拭き取れるので、清潔なトイレ環境を保つのに役立ちます。シートタイプの消臭剤は、ウェットシートタイプが主流です。消臭だけでなく、除菌や抗菌ができるタイプもあるので、トイレ掃除の仕上げに使うのもおすすめです。
猫のトイレに使える消臭剤の選び方
猫のトイレに使う消臭剤は、「ペット用」を選ぶことが大切です。消臭剤の中には、消臭効果が高いものの、猫が誤飲してしまうと危険なものが多々あります。ペット用だから、猫が舐めても絶対に安心というわけでもありません。舐めても無害な消臭剤かどうかも、都度チェックして選ぶようにしましょう。
消臭剤には無香タイプと香るタイプがあります。香りが付いているタイプは、人間にとっては良い香りでも、嗅覚の優れた猫にとっては邪魔な場合もあります。できるかぎり無香タイプを選んだ方が良いでしょう。
必ずペット用を選ぶ
消臭スプレーには、塩素分子をはじめ、誤飲すると危険な有害成分が含まれており、たとえ直接舐めていなくても、スプレーした際に拡散された有害物質が、意図せず猫の体内に入ってしまうことがあります。消臭剤の多くは「次亜塩素酸ナトリウム」という成分を主成分にしているものもあり、消毒として使われるメジャーな成分ですが、強アルカリ性のため、猫が舐めてしまうと大変危険な成分です。
また、香り付けのために精油を使用している消臭剤も多いのですが、精油の中には、グレープフルーツやレモンなど、柑橘類の成分が含まれているものもあり、人間にとっては良い香りでも、猫にとっては有害だったりします。消臭剤はペット用を選び、できる限り舐めても無害で無香料のものを選ぶようにしましょう。
使う場所で選ぶ
消臭剤を選ぶとき、使う場所を意識した合理的な選びができれば、消臭剤選びで失敗する心配は少なくなります。先にもお伝えしていますが、スプレータイプは、空間の消臭に適している他、臭いの気になるところにダイレクトに噴射できるため、トイレ空間はもちろん、臭いの染み付いたファブリックや家具の消臭にもおすすめです。
もちろん、猫砂や猫のトイレに直接スプレーすることもできますが、猫砂が水分で固まるタイプや、逆に崩れるタイプの砂だと効果を発揮しにくいでしょう。置き型タイプは、スプレータイプのように、臭いの元にダイレクトにアプローチすることはできませんが、その分、持続的な消臭効果が期待できるので、トイレ周りや玄関といった、常に消臭しておきたい場所にあっています。消臭したい場所や物によって、効果的に消臭できる種類が異なるので、使い分けると良いでしょう。
除菌や抗菌効果で選ぶ
猫のトイレ用には、除菌や抗菌効果も期待できる消臭剤を選べば、感染症や尿路疾患予防にもなるのでおすすめです。トイレ掃除の後の仕上げとして、除菌や抗菌も兼ねてシュッとスプレーしたり、サッと拭いて仕上げられる消臭剤を選べば、掃除ついでに消臭も除菌もできるので一石二鳥です。
除菌や抗菌効果も期待できる消臭剤は、スプレータイプや拭き取りシートタイプの他、空間の除菌や抗菌効果を期待できる置き型タイプもあります。また、花粉や埃、菌やウイルスなども除去しながら、おしっこのアンモニア臭を分解消臭できる空気清浄機もおすすめです。より快適な猫のトイレ空間を維持できるでしょう。
猫のトイレの消臭剤おすすめ10選!
愛猫のトイレ臭や、マーキングによるおしっこの臭いは、猫と暮らす飼い主さんにとって共通の悩みと言っても良いでしょう。種類豊富な消臭剤をアレコレ試してみるものの、一体どれが良いのかわからず、幾つもの消臭剤が、使いきれずに溜まっているということはありませんか?
特に、マーキングで染み付いた臭いは、簡単に消臭することができず、悩みの種になりがちです。そんな飼い主さんにおすすめの、「猫のトイレの消臭剤おすすめ10選」をご紹介します。
B-blastペットの消臭・除菌スプレーCAT
植物由来成分だけで出来たスプレータイプの消臭剤です。柿渋エキスが配合されており、新発想の「共沸消臭」で消臭率98%を誇ります。気になる次亜塩素酸は一切使用しておらず安心です。マーキングで染み付いた臭いにも、繰り返し使用することで高い消臭効果が期待できます。
KESCOペットトイレ用スプレー 370ml
100%天然バイオ成分により、トイレの悪臭の原因である悪玉菌に直接働きかけて消臭します。継続して使用することで、善玉菌が活性化し、消臭効果が長続きするのもポイントです。フードにスプレーすることもでき、排泄物の臭いを緩和してくれます。
まくだけ消臭ビーズ ソープの香り
ユニ・チャームの猫のトイレ用消臭ビーズです。サッと猫砂に撒くだけで、爽やかな石鹸の香りが広がります。香り付きなので、無香料の猫砂向きと言えるでしょう。猫によっては、香りが気になったり、ビーズをおもちゃにしてしまう場合もあるため、誤飲に注意が必要です。
消臭木 ふわり森のかほり<猫専用>
三河地方の杉や檜を使った天然素材の強力消臭剤です。無添加で安心なだけでなく、臭いの99.9%を消臭し、ほのかな森の香りが漂います。木が持つ本来の抗菌力で、猫のトイレを菌類から守り、爽やかさが持続します。
ジョイペット オシッコ汚れ専用おそうじシート
猫のトイレの汚れを拭き取りながら、消臭も除菌もできるシートです。130枚の大容量でコストパフォーマンスにも優れており、緑茶をはじめとする天然成分が主成分なので、安心して使用できます。
アイリスオーヤマ 炭の猫砂
臭いを吸着する「炭」でできた猫砂です。強力な脱臭効果が期待でき、猫砂の上から消臭剤を散布する手間が省けます。強力な消臭と抗菌効果を兼ね備えた猫砂ですが、固まるタイプなので、利用できるトイレのタイプが限られます。
バイオミックス
納豆菌の力で、臭いを元に働きかけ、臭いの根本を分解消臭します。使い勝手の良い「粉タイプ」の消臭剤です。猫のオシッコの臭いなら、約20分〜30分程度で消臭します。化学成分不使用で、自然由来の成分だけできているため、安心して使用できます。
Fullpoint 風触媒の空気清浄機
「風触媒」をコーティングした世界初の空気清浄機は、アンモニアを分解して脱臭し、空気をきれいに保つので、猫のトイレ空間にピッタリです。菌やウイルス、花粉なども特殊なフィルターで吸着し除去します。価格は1台2万円前後なのでお手頃とはいえませんが、様々な効果が期待でき、猫のトイレ空間をより快適に保つことができるでしょう。
ジョイペット トイレに置くだけ消臭タブレットEX
猫のトイレにポンと入れておくだけのタブレット型消臭剤です。猫砂と一緒に入れておけるので、手軽に消臭できます。猫のおしっこに触れると、タブレットの中の消臭成分が弾けて消臭効果を発揮します。手軽ですが、効果がどのくらい持続するのかは把握しにくそうです。
消臭除菌剤 オールビッカ 無香料ゲル
銀イオンと亜鉛イオン、チタンのトリプルパワーで悪臭を分解して消臭します。高い消臭力だけでなく、除菌と抗菌力にも優れたゲルタイプの置き型消臭剤で、ホテルや介護施設などでも利用されています。優れた消臭・除菌・抗菌のトリプル効果を期待できますが、1個が2000円程度と少々お高めです。
※人気商品のため、在庫が不足している場合があります
猫用トイレの消臭に効果的な対策
猫用トイレの消臭剤は、種類も豊富で、優れたアイテムがたくさんありますが、その効果を最大限に生かし、効果を長く維持できるかは、日頃のトイレのお手入れにあると言っても良いでしょう。せっかく優れた消臭剤や防臭グッズを購入しても、トイレ環境が不潔では、消臭対策も意味がありません。猫用トイレの消臭に効果的な対策を、具体的に見てみましょう。
消臭力の高い猫砂を使う
猫砂の素材は、紙や木、鉱物、シリカゲル、おからなど、湿気と共に臭いを吸い、消臭力を備える素材で出来ていますが、ブランドや製品によって、その消臭効果は異なります。消臭剤や防臭グッズを試す前に、今使用中の猫砂を、より消臭力の高い猫砂に変えてみるのもおすすめです。
最近では、多孔性のある炭を活用した優れた消臭力を持つ猫砂や、抗菌力と防臭効果の高い緑茶成分や柿渋のような成分を配合した猫砂もあり、猫砂本来の役割に消臭や除菌・抗菌の役割も兼ね備えたトリプルパワーの猫砂も多く市販されています。
猫砂を全部取り換える
消臭効果の高い猫砂を使用していても、汚れた猫砂をそのまま使い続けていては、意味がありません。むしろ、汚れた猫砂が悪臭を放つようになってしまうため、猫砂をこまめに取り替える必要があります。
猫砂が減ってきてから、新しい猫砂を足して使っている場合、たとえ消臭効果の高い猫砂を使っていたとしても、臭いが気になる場合があります。そんな時は、一度古くなった猫砂は全て捨て、新しい猫砂と取り替えてみると良いでしょう。
トイレを丸洗いする
猫用トイレの多くは、プラスティックで作られています。そのため、猫の引っ掻き傷もつきやすく、その傷に汚れが入り込んで悪臭の元となっている場合があります。また、プラスティック製のトイレは、古くなってくると、長年使用して染み付いた臭いが取れにくくなってきます。トイレ環境を清潔に保つためにも、トイレは定期的に丸洗いし、天日干しなどでよく乾かしてから使うようにすれば、悪臭に悩まされることも少なくなるでしょう。
システムトイレを使う
消臭効果の高い猫砂やトイレシートを使っても、なぜか嫌な臭いが改善されたいという場合には、トイレのタイプを見直してみましょう。猫用トイレには、猫砂とトイレシートの両方を使うシステムトイレがあります。システムトイレを使用する場合には、システムトイレ専用の猫砂とトイレシートが必要です。
猫砂とトイレシートがダブルで必要になるため、コストパフォーマンスが優れているとは言い難いのですが、消臭効果の高い猫砂と、おしっこと共に臭いも閉じ込めるトイレシートのダブル効果で、嫌な臭いから開放されます。また、おしっこで固まった猫砂が放置されていることもなくなるので衛生的です。
手作りの消臭スプレーを使う
市販の消臭剤に頼るのも良いのですが、簡単に作れる手作り消臭スプレーで、値段を気にせず思い切り使ってみるのも良いかもしれません。100円ショップで揃う材料で簡単に作れます。スプレーボトルにぬるま湯490mlを入れ、クエン酸を大さじ2杯よく混ぜて溶かします。クエン酸の代わりに重曹でも作れますが、マーキングなどのおしっこ臭には、クエン酸のスプレーの方が効果的です。
注意したいのは、塩素系の洗剤と混ぜたり、香り付けに精油をいれるのはやめましょう。塩素系洗剤にクエン酸が反応すると、有毒な塩素ガスを発生させてしまう危険性があるので十分に注意してください。精油には、猫の体に有害な成分を含むものもあるのでおすすめできません。
まとめ
猫と暮らす飼い主さんの共通の悩みとも言える、猫のトイレ臭やマーキング問題。市販のペット用消臭剤も、ひと昔前よりは格段に進化し、ハイレベルな消臭力を誇るアイテムもたくさん出てきました。今後、優秀な消臭剤や防臭アイテムがさらに増え、飼い主さんひとり一人の、猫のトイレ環境への意識が高まれば、猫のトイレ臭やマーキング問題で悩む人も、いずれ少なくなっていくことでしょう。
猫のトイレ環境を清潔に保つことは、猫の尿路疾患や感染症予防のためにも重要です。臭いは、清潔な環境を意識するためにも必要なバロメーターなのだと思います。愛猫のQOLを維持するためにも、猫のトイレ環境はいつも清潔に、臭わない空間を心がけたいものです。