イジアンの特徴
体の特徴と体重
イジアンとはギリシアに古くからいる猫種です。体形は筋肉質でスマートです。その平均体重は4~5.5kgと中型の猫です。セミロングの被毛を持っているので、特に冬季には実際の体形よりも少し丸みを帯びたように見えるかもしれません。目はアーモンド形でカラーは様々な色調のグリーンです。目の周りのアイラインがとても魅力的です。
被毛のカラーや特徴
イジアンの被毛はセミロングになります。、ブラック、レッド、クリーム、ブルー(グレー)といったカラーに様々な割合で白色が入るというのも特徴の一つです猫が多いようです。つまり、イジアンの被毛の色の特徴は、単色ではなく白が入った様々な色ということです。柄はタビーが入ることもあります。
イジアンは日本の野良猫そっくり
イジアンの写真を見ていると日本猫とそっくりなことに気づきませんか?被毛カラーのパターンや頭の形、体つきなども日本猫と似ているのは特に血がつながっているだとかの理由はないようです。唯一の共通点は島で生きてきたということくらいでしょうか。遠く離れた異国の地なのに不思議な縁を感じますね。
イジアンの性格
イジアンの性格はとても愛情深く、社交性が高いということです。この性格は、イジアンが長い歴史の中で特定の飼い主を持たずに、漁師から魚の分け前をもらったり人間の家やお店のそばでくつろいだりして、人間社会の中に溶け込んで生きることに役立ってきたと考えられます。現代のギリシアでは、世界的な観光地の野良猫、地域猫として生きるためにイジアンの社交性的な性格は役立っているのではないかと思います。
ギリシアに行けばたくさんのイジアンが自由にうろついたり、海辺で寛ぐ姿、魚を捕るったりねだったりする姿なんかも見ることができるそうです。
イジアンの飼い方
イジアンはとても活発な猫なので運動は十分にできる環境を用意してあげましょう。またキャットタワー、キャットウォークを用意し上下運動をさせてあげるのもストレス解消にとてもいいです。
またイジアンはエーゲ海の島々というで海に囲まれて生活をしていたためか、水を怖がらない子が多いそうです。そのため水遊びをしてあげたり、シャンプーをしてあげることも可能です。ただ水を怖がらない個体が多いというだけなのでイジアンの中には水を怖がる子もいるでしょう。そのような子には、無理矢理水をかけたりしないようにしてあげましょう。
ブラッシングは1日1回程度で事足ります。そのほか食事に関しては一般的に猫が必要とする高タンパクなものを与えるようにしましょう。海育ちなので魚を好むかもしれません。まぐろやサーモン、あじなどの魚フレーバーのフードを試すのも良いでしょう。
イジアンの歴史
イジアンは登録されたのは比較的新しいのですが、その歴史はとても古い猫です。と、いうのもエーゲ海の島々や、漁師が島から連れ帰ったギリシア本土で、イジアンは昔から野良猫として生きてきた猫なのです。ギリシアの近くにあるキプロスでは、約1万年前には家畜化された猫が飼われていたことが分かっており、イジアンも猫の最古の品種ではないかと言われています。野良猫といっても、人間に警戒心を抱かずに人間の近くで生活し、また餌を人間からもらうこともあったようです。人間にとっては、イジアンがいるとネズミがいなくなるというメリットがありました。その狩猟能力の高さは、現在でもイジアンはネズミなどの害虫駆除のために飼われているほどです。
1990年代にギリシアの国宝として新たに猫種として登録されたものの、その知名度はまだ世界では低くイジアンを知っている猫好きさんもあまりいません。最大の特徴は人間が関与することなく自然繁殖によりその個体を増やしてきた猫のため、猫遺伝性疾患がないことだと言われています。現在品種として登録されている純血種の猫の間ではこれは世界中でみてもとても珍しいことで、病気に強い猫として注目されています。
イジアンの値段と迎え入れる方法
イジアンはギリシアではどこでも見かけることができる大変一般的な猫種です。実際にギリシアでは3~5万円という大変リーズナブルな金額で迎え入れることが可能ということですし、なんなら元は野良猫ですから拾ったり保護したら無料で迎え入れることが可能です。
しかし日本を始め、ギリシア以外の国ではブリーダーがまだいないので、イジアンを購入することは現実的ではないでしょう。何としてでも購入したい場合にはギリシアのブリーダーから輸入することになると思います。その際は、生体代と輸送費がかかりますので予算は多めに用意しておくようにしましょう。
また海外のブリーダーと直接やり取りをするためトラブルがおきた時や購入までのやり取りは全て英語やギリシア語となるでしょう。また、猫の輸入を行う仲介業者などを利用する手もあるかもしれません。
まとめ
ギリシア以外ではまだまだ馴染みのないイジアンですが、日本猫と見た目がよく似ている為とても親近感がわく猫種ではないでしょうか?病気が少ないというのもとても魅力的ですね。日本でもイジアンを見かける日がやってくるかもしれませんね。
イジアンとは何とも聞きなれない名前ですが、「エーゲ海」のエーゲを表す英語「Aegean」が品種の名前となっています。記事中にもある通り、イジアンと言えば①人懐っこい、②水を怖がらない。海に飛び込んで自分で魚を捕まえる猫もいる、③遺伝性疾患がない(と言われている)、丈夫である、という3つの特徴が挙げられるようです。
東京農工大学農学部獣医学科卒業。その後、動物病院にて勤務。動物に囲まれて暮らしたい、という想いから獣医師になり、その想い通りに現在まで、5頭の犬、7匹の猫、10匹のフェレットの他、ハムスター、カメ、デグー、水生動物たちと暮らしてきました。動物を正しく飼って、動物も人もハッピーになるための力になりたいと思っています。そのために、病気になる前や問題が起こる前に出来ることとして、犬の遺伝学、行動学、シェルターメディスンに特に興味を持って勉強しています。