猫がおしりを頻繁になめるのは病気のサイン
猫は日常的におしりを舐めます。排泄した後などに、おしりをなめてキレイにしている姿を、目にしたことがある方もいるでしょう。
しかし、あまりに頻繁になめる場合は、もしかしたら病気が隠れているかもしれません。異常があるので気になって、しょっちゅうおしりをなめるという事が考えられます。
人間からすると、おしりを自分でなめるなどありえませんが(第一普通は届きません)、猫は普通になめる、と思っておきましょう。毛づくろいの一環です。
ですが、よくおしりを気にしてなめる素振りをしていたら、受診しても良いかもしれません。猫のおしりは尻尾に隠れて見えにくい部分なので、飼い主さんが異常に気がつきにくい部分でもあります。愛猫の行動で、異常を察知してあげるようにしてください。
猫がおしりをなめる時に考えられる病気
猫がしょっちゅうおしりをなめる時には、どんな病気の可能性があるのでしょうか?
1.条虫症
条虫症は猫の体に虫が寄生している状態の症状で、ウリザネ条虫やエキノコックス、ネコ条虫、広節裂頭条虫などが考えられます。
おしりをなめる症状の他、おしりから白いヒモ状のものが出ている場合もあります。ちょっと気持ちが悪いですが、虫ではなく誤飲したヒモの可能性もありますので、むやみに引っ張らないようにして、早めに受診しましょう。
2.脱肛
- 感染症や寄生虫の影響
- 出産時にいきむ
- 肛門括約筋が弱いとき
- 出産時
- マンクスがかかりやすい
脱肛をしてしまった事により肛門が気になっておしりをなめる事があります。脱肛は、おしりの肛門近くにある粘膜が、外へ飛び出してしまった状態です。
感染症や寄生虫などの基礎疾患や、出産時にいきむ事などが原因となります。
その他にも、肛門括約筋が弱くなったり便秘だったりすると起こりやすくなります。猫種ではマンクスが掛かりやすいとか。
もし愛猫の肛門から赤いものが飛び出していたら、すぐに受診してください。酷くなると外科手術が必要となる場合も。
3.肛門嚢炎(肛門腺)
- 肛門嚢が炎症を起こす病気
- おしりを頻繁になめる
- おしりを床に擦りつける
- 定期的な肛門腺絞りが必要
肛門嚢炎とは、肛門嚢と言われる器官に炎症が起こる病気です。肛門嚢には分泌された液が溜まっているのですが、これが体外へ出ていかずに溜まることで、炎症が起きてしまうのです。
この症状により猫はおしりが気になってなめる事があります。
悪化すると膿が溜まり、肛門嚢がコブのように肥大してしまう事があります。そのまま放置しておけば、肛門嚢が破裂する可能性もあります。
猫がおしりを気にして何度もなめていたり、お尻を床にこすりつけたりしていたら、この病気の前兆かもしれません。
我が家の猫もおしり頻繁になめる、おしりを床にこすりつけている事があり、受診をしたら肛門嚢が分泌液でパンパンの状態になっていた事があります。
溜まった分泌液を排出するため、定期的に「肛門腺絞り」をすると良い、と言われることがありますが、慣れない方が無理にやると、肛門嚢を破裂させてしまうことがあるそうです。
このような時は、獣医師など慣れた方にお任せするのが得策です。
4.尾腺炎
- 症状:しっぽの付け根がふくらみ炎症が起こる
- 症状:悪臭がする
- 原因:男性ホルモンの影響
- 原因:遺伝
- 原因:マラセチア菌
尾腺炎は、しっぽの付け根がふくらみ、炎症を起こす病気です。尾腺と言う組織に炎症が起きてしまうのです。悪臭がする場合もあります。
この病気の原因ははっきりと分かっていませんが、男性ホルモンや遺伝、マラセチア菌ではないか、と考えられています。
未去勢のオスに起きることが多く、去勢手術をしてホルモンバランスが変わると、治ることもあります。いずれにしても早めに受診しましょう。
猫がおしりをなめるのは大丈夫?
おしりと言えば、排泄物が付いている事で有名(?)。そこを平気でペロペロなめる猫は、お腹を壊すことはないのでしょうか?
実は猫の胃は、人間よりも酸性度が強く、有害な細菌を死滅させることができます。
その為、たとえおしりをなめる事で良くないものを飲み込んだとしても、大抵は胃の強い酸でやっつけてしまうのです。ですから、猫が自分のおしりをなめても、病気にはなりにくいと言えます。
ただ、人間はそうもいきませんので、猫と直接キスをしたり、猫に舐められた指を口にいれたりするのは、避けた方が良さそうです。
まとめ
猫がおしりをなめる時に考えられる病気についてご紹介しました。
猫がおしりをなめるのは、猫にとっては体を清潔に保つ、大切な行動です。どんな味がするのか想像したくもありませんが、止めさせるのは猫がストレスを溜める可能性があります。愛猫がおしりをなめていても、そっとして黙認しましょう。
40代 女性 ねこ太
30代 女性 まつこ
処置をしていただきまして、破裂はしなかったのですが、それからは、定期的に肛門絞りをしてもらっています。
トリミングのあとにいつも、肛門絞りをしてもらっていたのですが、それ以外の時でも、肛門絞りをお願いするときがあります。
飼い主が無理やりすると、危ないので無理をせずにトリーマーさんや、獣医師にお願いすることにしています。たまに、猫ちゃんを預けるときがあるので、そういうタイミングで肛門絞りを、お願いしています。