シャム猫のような野良猫はどうしているの?性格や特徴について解説

シャム猫のような野良猫はどうしているの?性格や特徴について解説

シャム猫ではない気もするけれど、シャム猫のような、顔の真ん中が濃く靴下を履いているような野良猫に出会うことがあります。その子は雑種のシャム猫なの?どんな性格の子?などのルーツや特徴について解説します。

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シャム猫柄の野良猫がいる理由

塀の上にいるシャム猫

上品な雰囲気をまとったシャム猫ですが、シャム猫柄の毛をまとった猫を外で見かけると、「シャム猫なのに野良猫?もしかするとワケアリの猫?」とイメージしてしまう方もいるようです。

その猫が青い目で、顔の中心や耳、手足の先、尻尾が濃い色(ポインテッド)をしていれば、シャム猫のサイミアーズ遺伝子を受け継いでいる可能性が高いです。

また、似たようなロシアの猫で、尻尾が短く大きくても2.5kg程度しかない「トイボブ」という猫種も存在します。タイ王国でも、由緒ある家系でのみ飼うことを許されていた、高貴なシャム猫が日本でも増えた理由は、以下の通りです。

純血種のシャム猫が日本猫と交配を繰り返した

「シャム猫」という猫種は、もともとタイからやってきた猫です。1960年ごろの日本では、裕福な家のステータスを示す一環として、血統書付きの猫としてシャム猫を飼うブームがありました。

当時は今とは違い、家猫・外猫の区別概念がなく、飼い猫でも外と家を自由に行きできました。シャム猫と日本の猫の交配が盛んに行われたためにシャム柄の野良猫が多くなりました。

シャム猫柄の遺伝子を持つ野良猫が増えた

当時は避妊や去勢手術する飼い主は稀な時代でした。純血種のシャム猫が日本猫と交配を繰り返したことで、シャムの遺伝子を持つ猫が増えた、と言われています。

シャム猫自体、繁殖力が非常に高く、シャム猫柄の猫も東日本では25%程度存在し、実はそれほど珍しいことではありません。

シャム猫の仲間も人気の猫種

シャム猫柄の猫は、シャム猫がルーツの猫種の可能性が高いです。タイ猫やトンキニーズ、ペルシャ猫との交配で産まれた、ヒマラヤンの場合もあります。また、祖先にシャム猫の血筋の雑種であれば、シャム猫模様の猫は生まれます。

純血種でも脱走や捨て猫も 

人気のある純血種のシャムでも、脱走やブームの衰退による捨て猫が増えたなどの理由で、野良猫ったあと、さらに交配が繰り返されて生まれた子もいます。

シャム猫柄の野良猫の性格や特徴

座ってこちらを向くシャム猫

猫全体でいえば、性格は父親猫とよく似ると言われています。また、生後8週目までに関わった人との関係によっても変わってきます。

オスは去勢した後、比較的謙虚になり、雌の場合は変わらず距離を置きたがる傾向にありますが、ここでは主に純血のシャム猫の性格や特徴について触れていきます。

活動的で元気いっぱい

とても明るい性格で活動的な猫種です。とにかく動き回るのが大好きなので、一人遊びも仲間や人間に遊んでもらうのも好きです。

高い場所が好き

シャム猫は「よく喋る猫」と言われています。自己主張が強く、承認欲求かつよく鳴きます。静かな猫が好きな人には向かない猫種になります。

よく鳴く

撫でてもらうのが好きで、構ってもらいたい時はかなり懐いた態度を見せます。また、声が大きく「よくしゃべる」子が多いです。まるでこちらに話しかけているかのようなコミュニケーションをとってきます。飼い主への要求も多い一面もあります。

賢くイタズラ好き

甘えん坊でもある一方でかなり頑固なところもあります。クールで知的ですがイタズラ好きな一面もあるので、例えば気を引くために飼い主さんの服のすそを咥えて引っ張ってみたり、目の前にあるものを落とそうとしたりという、いたずらとも思える仕草をしてきます。

また、「一緒に遊んで欲しい」と訴えるような鳴き声で甘えてくる一方で、自分が遊んで欲しい時に同居猫が遊んでもらっていると、嫉妬したりストレスが溜まったりと、頑固で神経質な部分もあります。

頭と尻尾に柄がつき、体温によって毛色の濃さが変わる

シャム猫は不思議な猫で、年齢や体温によって毛の色が濃くなったり薄くなったりします。幼い猫は体温が高いので、ポインテッドがほとんどありません。徐々に顔の中心と耳、手先・足先が黒い毛色になっていきます。

シャム猫柄の野良猫がかかりやすい病気

寝転ぶシャム猫

シャムネコ柄の猫は、青い目とポインテッド以外は両親の遺伝を引き継ぎやすいと言われています。特に気をつけたい病気は、色素の薄い目や感染症に不利な大きな耳、などのシャムの特徴のある猫の場合、気をつけるべき病気があります。特に目と耳、腎臓の病気です。

眼球振盪

シャム系のようなブルーの目をした猫に多い疾患です。色素網膜が薄くて瞳孔が赤く見え、目がゆらゆら揺れているように見えるのが特徴です。

先天性の場合も多く、歩行のふらつきや食欲不振、嘔吐の症状がないようでしたら、深刻になる必要はないとされています。症状が気になるようであれば、一度受診してみると良いでしょう。

角膜黒色壊死症(かくまくこくしょくえししょう)

大きな特徴として、角膜の部分に黒や琥珀色の斑点(かさぶたと似ているもの)ができる症状です。角膜分離症・巣状表層壊死症(そうじょうひょうそうえししょう)とも呼ばれます。

原因は角膜の外部刺激(外傷)やそれによる結膜炎などの感染症・涙腺異常・先天的要因です。悪化すると痛みを伴い、目やに、角膜の脱落からの欠損、まぶたの痙攣も起こります。治療方法は症状の程度により方針が異なります。

抗生剤点眼やアセチルシステイン点眼治療、進行度合いによっては、外科的治療やコンタクトレンズの装着を勧められる症例もあります。明確な原因はわかっていませんが、外傷と猫ヘルペスからの疑いがあるのでワクチン接種しておくのも予防の一つです。

進行性網膜変性症(進行性網膜萎縮症) 

光を感じる目の奥にある網膜の細胞(光や色を感じる細胞)が変性・萎縮する病気です。網膜の視細胞が減少することで、視力が落ちてくる進行性の病気です。

特に夜間の盲目になり、あまりものを目で追わなくなってきた、暗い場所で遊ばなくなってきた、高いところに登らなくなってきた、など見逃しがちな変化が徐々に現れます。

早いと4〜5歳ごろから発症すると言われています。栄養状態が良くなった昨今ではこの病気は少なくなってきましたが、ペルシャ系の猫が早期発症しやすい特徴があるので、同じブルーの目をしたシャム系の猫も注意しておいた方が良いでしょう。

治療法がなく進行すると元には戻りません。予防法も日常的なタウリン摂取、定期検診で重複すると思われるほかの目の病気を早期発見してもらうことがせいぜいです。症状が似たような病気だと、「栄養性の網膜変性」や「感染性の網膜炎」に属する病気がいくつか存在します。

先天性難聴

青い目と白い毛並みの猫が罹りやすく、シャム猫の遺伝病になります。呼んでも反応がない、大きな音に反応しないなどあれば、先天性難聴の可能性があります。

猫は嗅覚や視覚に重きをおく動物なので、家猫であれば、安全に配慮することで聞こえなくてもそれほど支障はないと言われていますが、はじめて聞こえていないような反応の鈍さを見せたら、早めに獣医さんに相談しましょう。

慢性腎不全

シャム猫の遺伝的要因が見られる病気です。猫全般がこの病気にかかりやすく、猫種による遺伝以外では、「老年期に発症する」ことがほとんどです。原因は心筋炎や外傷、薬物中毒、結石による閉塞症などから起こる、腎機能の低下です。

腎臓機能が落ち、ステージが進行すると命にも関わることがあり、積極的な治療が必要となります。初期の場合は血液検査で異常が見つかる程度で済みますが、症状が進んでしまうと水の多飲や食欲不振や嘔吐症状も見られます。

尿毒症や脱水症状が進んで、水分補給しないと症状が進行してしまうため、場合によっては点滴治療しなければなりません。重篤になると死亡してしまうこともある病気です。

治療は、腎臓病用のサプリメント摂取、食餌療法や薬物療法、再生治療、水分点滴で腎機能のQOLを保ち、できるだけ進行を遅らせます。

まとめ

石の階段を登るシャム猫

シャム柄の野良猫は、今やそれ珍しいことではなくなりました。ルーツは1960年頃のシャム猫ブームによって、裕福な家庭のステータスとして純血種を飼うようになったことが発端とされています。

放し飼いが多かったシャム猫が日本猫との交配を繰り返したため、シャム柄の遺伝子を持つ猫が増えたようです。シャム猫の繁殖力の強さで純血の日本猫は淘汰されたとも言われています。

現在はそんなシャム系の野良猫を含め、さまざまな遺伝子を持ったミックス猫が存在するようになりました。中にはシャム猫とトラ猫との交配で生まれた「シャムトラ」、シャム猫とペルシャ猫との交配では「ヒマラヤン」と、新しい猫種も誕生し、人気になっています。

シャム猫独特のブルーの目と毛の特徴「ポインテッド」の遺伝子のある野良猫の場合、遺伝性の病気に注意すべきです。シャム柄の猫は、高い確率で性格も特性もシャムに近い可能性が高いのです。

自己主張は強いながらも人懐っこく、甘える時は全力で慕ってくる、猫らしい猫なので、自宅にいる時間が長い飼い主さんが向いている猫と言えます。