猫が痩せすぎる7つの原因と考えられる病気と危険のサイン

猫が痩せすぎる7つの原因と考えられる病気と危険のサイン

猫は様々な品種がいるのでその猫によって痩せすぎの基準は違うでしょう。しかし、特定の種類の猫を飼っていても以前より明らかに痩せすぎだと感じられる場合、もっと注意すべき理由が潜んでいるかもしれません。

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

猫が痩せすぎる原因

痩せすぎではない猫
  • 引っ越し
  • 模様替え
  • 住人が増えた
  • 行動範囲が増えた
  • 遊ぶ量が増えた
  • ダイエットフードによるカロリー不足
  • 餌が猫の年齢に合っていない

猫が痩せすぎる原因には次のようなことが考えられます。例えば猫は人間が考えるよりもストレスに弱い動物なので、引っ越し、模様替え、住人が増えたなどがストレスとなり、食欲が落ち痩せ過ぎてしまうことがあります。この場合、猫を安心させるためにいつもよりまめにコミュニケーションを取り、優しく接してあげるようにしましょう。

また、猫が環境の変化には対応できたとしても、引っ越し先がとても広くなり行動範囲が増えた、多頭飼いになって遊ぶ量が増えたということで猫は痩せすぎることもあります。

他にも、猫が室内飼いであるため、太らせすぎないようにダイエットフードにしている、もしくは老猫でカリカリが硬くて食べられないなど、食事が栄養不足になっていたり、年齢等にあっていないなどが原因で痩せすぎることもあります。

このような要因で猫が痩せすぎている場合、猫を安心させるように接したり、落ち着ける場所を用意したり、食事に関してはカロリーが低すぎになっていないか、年齢に適したフードかなどを見直す必要があるでしょう。

猫が痩せすぎの時、考えられる病気

痩せすぎの猫
  • 口内炎
  • 歯周病
  • 口の中の傷
  • 慢性腎不全
  • 糖尿病
  • 甲状腺機能亢進症
  • 腫瘍

前記したように猫はストレスの他、環境や年齢に適したフードを食べていないなどの理由でも痩せすぎてしまうことがあります。しかしそれ以上に心配なのが猫が病気で痩せてしまう場合です。この場合、【食欲がなく痩せすぎてしまう時】と、【食欲が旺盛なのに痩せすぎてしまう場合】で考えられる病気も変わってくることがあるようです。

猫の食欲と痩せることに関連して考えられる病気としては、口内の問題(口内炎、歯周病、口の中の傷)で痛くて餌を食べず食欲がなくなったり、逆に猫が食べている様子なのに痩せてくる場合は、慢性腎不全、糖尿病、甲状腺機能亢進症などの疑いがあります。

腎不全などについては最初、食欲はあるのですが、時間が経ってくると食欲もなくなってくるという傾向もあるようです。また、腎不全、糖尿病、甲状腺の病気では、猫が以前より水をたくさん飲むようになるという症状も見られます。他に猫の食欲が落ちて痩せすぎてしまう病気には腫瘍、つまりはガンがあり、この場合は猫の体重が減って痩せすぎるだけでなく、元気がなくなり、下痢や嘔吐などの症状が見られることもあります。

このように猫が痩せすぎてしまう原因は口腔内の問題でフードが食べられないことや、隠れた大病が原因になっていることもあるのです。

対策としては口腔系の病気は猫がフードを食べた後に飼い主が汚れ落としに歯磨きをしたり、させてくれない場合は海藻成分などの歯垢や歯石をつきにくくするおやつなどで予防することができますが、やはり歯磨きできることが理想です。腎不全や糖尿、甲状腺、腫瘍等の病気で痩せすぎている場合、分かった時は治療ができないほど進んでいる場合も多いとされています。

ですから普段から猫の体調に気をつけ、猫が痩せすぎたり、様子がおかしい時はすぐに獣医さんで診察してもらうようにしましょう。口腔問題の方についても猫が口を気にする、食べづらそうにするなどしていたら、早めに病院で見てもらった方がいいでしょう。

猫が痩せすぎで危険であるサイン

痩せすぎかもしれない猫

痩せ気味(BCS2)

  • 猫の背骨と助骨に簡単に触れる。
  • 猫を上から見ると腰回りがくびれている。
  • 猫を横から見るとお腹がわずかに吊り上っている

痩せすぎ(BCS1)

  • 猫を触ったりしなくても背骨、助骨が簡単に見える
  • 猫の首回りも細く、腰もかなりくびれている
  • 猫のお腹がかなり吊り上って見える
  • 猫の脇腹のひだに脂肪がない、またはひだがない

猫の痩せすぎはストレスや環境変化で起こる他、病気など健康状態を見極めるポイントでもあります。猫の痩せすぎについては猫の体に触ることで確認することができますが、これには猫の体型の指標となるBCS(ボディコンデションスコア)の基準と照らし合わせてみることが必要です。BCSとはあご、首回り、助骨などのくびれや脂肪の付き方から猫の体型を5段階で評価したもので、痩せ気味か痩せすぎかどうかを見極める項目の基準は上記のようになります。

また、上記のような触ることによる判断以外にも猫には適性体重、つまり理想的な体重というものがあります。これについては大型のメイクイーンであるか、スリムなシャムであるかなど猫種によっても異なり、猫が痩せすぎかどうかなどは、なかなか素人には判断しにくいものです。これは獣医さんなどで猫に診察した際に聞くと教えてもらえることも多いようです。BCSで状態を確認する以外にもその猫の標準体重を知りたい場合は聞いてみましょう。

まとめ

痩せすぎに見えない猫

いかがでしたか?猫は種類によって体型が違いますから痩せすぎかどうかなかなか分かりにくいこともありますが、痩せすぎてしまうことは健康にも大きく関わりますから注意しなくてはいけないでしょう。BCSの基準に照らし合わせた触診で猫が痩せすぎに当てはまったら、環境やフードを見直したり、もしくは獣医さんに診察してもらう必要が出てくるかもしれません。

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