猫の命を守るために
アニマルリーグ
私が住んでいたニューヨーク郊外の町には全米でも有名なアニマル・リーグ(犬猫の里親探しのための保護施設)がありました。
小学生の一言
もう20年くらい前、その施設に友人が当時小学生だった娘さんを連れて子猫をもらいに行きました。
小学生だった娘さんが子猫を抱っこしながら、施設のスタッフと会話していた時、こう言ってしまったそうです。
ブラックリスト
この一言で、この家族はその施設でブラックリストに登録されてしまい、二度と猫をもらうことができなくなってしまいました。
ホームレスの子猫
結局、子猫が欲しくて仕方なかった母子のために、私の別の友人が、裏庭によく来ていたホームレスの子猫を捕まえてその母子に渡しました。
猫嫌いだったその家のパパも、その子を可愛がってはくれていました。
不幸の始まり
でも、数年後、その親子が日本に帰国するときに出来事は起きました。
先に日本に戻って家族の家探しをしていたパパが、あろうことかペット不可物件を契約してしまったのです。
もともと猫が好きではなかたパパは、猫よりも、自分の希望の物件を優先してしまったのです。
実家
その後、猫を連れて帰った母子は、仕方なく、母側の実家に猫を預けました。
年配の母親に、預けるしかありませんでした。
尿路結石
その母親は猫を可愛がってはくれましたが、外に出していたようです。
そして、猫が尿路結石になっておしっこがでなくなっていたのに気が付かず(外に出てトイレしていたらわかりませんよね)、手遅れとなり、米国から日本に戻ってわずか数年(たしか2~3年)で猫は他界してしまいました。
最後に
何故、あの時、NYのアニマル・リーグのボランティアが小学生の一言でこの家族をブラックリストにしてしまったのかが、この猫の結末を知ってよくわかりました。
「私のパパは猫が嫌いなの」
もし、このパパが猫が大好きだったなら、自分優先でペット不可物件を選ぶことはきっとなかったことでしょう。
「猫は”畜生”だ!」ってそのパパはよく酔っぱらって言ってました。
可愛がりながらも、そういう考え方がこのパパには本質的にありました。
「冷蔵庫にキャットフードを絶対に入れるな!人間のものと一緒にするな!」と家族に言ってたのも知ってます。
そういうことなんですよね。
家族に一人でも猫に対して反対意見を持った人がいたら、もう里親としては”アウト”なんです。
それが20年も前のアメリカの動物愛護ボランティアたちの方針でした。
犬猫を守るためには、里親に関しては、妥協はしていはいけないということなのです。